THE W勝ち残りノックアウト審査を考察しよう2022

どうも、こんばんは、オルソンです。

 

 

この記事はTHE W2022のネタバレを含む数学記事なので、まだ見てない人はブラウザバックしてください

 

 

 

 

 

 

というわけで、女芸人限定賞レース「THE W」。2020年から3年連続「勝ち残りノックアウトシステム」を採用しているため、順位を自力で考えようとするこの記事も第3弾となりました(第1弾)(第2弾)。順位がわからないこと以外にも、点数制ではわずかな差が票数では大きな差になりがち、各ブロックトップバッター記憶から飛びがち疑惑、審査コメントが負けた側のフォローに終始しがち、審査コメントが負けた側のフォローに終始しないようにすると2組分話すことになるから審査員がスーパー早口になりがち、と言った懸念を抱えているにも関わらず、今年も頑なに採用されることとなったのであった。もっとも、M-1のほうでは「審査員によって点差の付け方が異なるため、それが大きいと総合得点にまで響きうる」という点数制の欠点が顕著に現れるやまだかつてない事態が発生したので、完璧な審査方法などないと言われたらそれはそうではある。

 

そんな、THE Wだが「勝ち残りノックアウトシステム採用」以外のルールは大きく変わった。というか、5人×2ブロックが4人×3ブロックになった。これにより、5人の順位は5!=120通りなのに対し、4人の順位は4!=24通りなので、順位を当てられる確率が大幅にアップした。ちなみに5人×2ブロックでは、ブロックごとの順位の並びは5!×5!=14400通りなのに対し、4人×3ブロックでは4!×4!×4!=13824通りとなり、決勝進出者は増えたのに、順位の場合の数は実は減っている。まあ、2022年に限って言えば、考察が簡単になった理由はこんなところにはないのだが、とにかく順位予測がやりやすい環境に是正されたのは間違いない。

そんなわけで、今年も勝ち残りノックアウトの情報から順位を考察する記事を始動させていただきやす。中学受験生を子に持つ親御さん、SPIや公務員試験が控えている皆さん、必見です!

 

  • Aブロック

いつも通りの悪口漫才ながら「巨人師匠のTwitter」というフックを持ってきたTEAM BANANA。なんかテンポ感とかトーンとかが心地よくて好きなんですよね。ヨネダ2000はとにかくツカミが衝撃。その分、持続しきれてなさも見えはしたが、衝撃は衝撃よ。そんななかで、誠実なコントを持ってきたさとなかほがらか。保留音と対応の演じ分けがしっかりしていればしているほど面白い…。当たり前だけど…。あと、煽りVの「カニの影絵」が「ほがらかに」だったことにちょっと感心しちゃったのは自分だけか。Aマッソは、「変なネタ」だけど変さがちょうどいいというか、一応村上側にポリシーがあっての変さっていうのが良かった。そんなAブロックの結果がこちら!

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それでは、ここで塚地審査員並びに全く同じ審査結果となった哲夫審査員を例にこのシステムを解説しましょう。まず、3回の審査から

1回目の審査より

TEAM BANANA>ヨネダ2000

2回目の審査より

ヨネダ2000>さとなかほがらか

3回目の審査より

ヨネダ2000>Aマッソ

ということが分かる。これを元にすると

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ということがわかる。つまり、1回目の審査でTEAM BANANAをヨネダ2000より高く評価したが、それ以降は妥協のヨネダ2000になっている。妥協とはいっても、Aマッソやさとなかほがらかよりは高く評価したのは当然なわけで、それを一本の不等式にすると上画像のようになる。Aマッソとさとなかほがらかの順位は分かりません。こういう「揺らぎ」の部分はどうしても発生してしまうので、各々が信じたいように信じればいいと思います。

ということで、どんどん進む。次は川島・野田審査員の場合。

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この2人は「ヨネダ2000」にしかいれていない。それほど彼らの中で完全勝利だったようだ。だから、ヨネダ2000しか勝たんということしかわからない。そういう審査員が2人いたということです。まとまった考察は後で書きます。

続いて、田中審査員。Aマッソに入れたら入れたでヒヤヒヤするのは何故でしょうか?何故でしょうね?

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最初の投票でTEAM BANANAに入れた彼の審査がこちら。審査コメントとこの結果からすると「ただのヤバい人」はあまり評価しない…?でもだからこそ審査コメントで提案というか、確かにアンガールズのコントって「ヤバい理由」がちゃんとあるんですよね。ちなみに、最下位だけが明らかになってしまうことがあるのはこのシステムの特徴の一つとして昨年も指摘しております。

最後は友近審査員と視聴者。この場このときだけで言うなら、視聴者に一番近いのは友近です。

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1、2回目の投票でヨネダ2000に入れるも、最後にAマッソへ投じることで、ジャイアントキリングな不等式が完成。最下位はともかく一位が確定しやすくなったのは間違いないようだ。

 

 

 

  • Bブロック

喧嘩を見る人と喧嘩をする人というなかなか掛け合いのなさそうな設定からどんどん掛け合いが増えていく天才ピアニスト。1本目にも2本目にも「ツッコミだったはずの竹内が飲まれる」という展開があるのがいいですね。特に2本目は本当に世にも奇妙な物語みたいで…。爛々は双方の所作が独特すぎて、それだけで面白いのがいい。「ボケ(だと最初は思っていた人)がもうええわっていう漫才」は最高ですね。スパイクもね〜突飛な発想とかそういうことではないんだけどね〜何か面白くて笑っちゃうんだよね〜フタリシズカかりこるはコンビでも得意のサンプラーネタ。口パクが上手くいっていたが上手くいきすぎていたかも…カップ麺こぼして壊れたあとの件の方がもっと見たかった。そんなBブロックの結果がこちら!

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これくらい不毛な表、見たことはあるけど書いたことはないな。

ということで、審査結果を表を経て不等式に整理する記事にも関わらず、もうすでに整理が終わっているようにしか見えませんね。なんてこった。

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もちろん、不等式もこうなります。6人+視聴者票がこれなので、天才ピアニストぶっちぎりということしかわかりません。天才ピアニスト、おめでとう!終わり!

 

  • Cブロック

カンニング」と「顔」だけで突っ切った河邑ミク。「横がち」という舞台の使い方を発明した点含めて、もっと評価されていいというか、本人がもちろん一番凄いけど、決勝にこれを上げようという勇気があることが嬉しいですね。そういう意味での「THE Wが大舞台であるという自覚のなさ」は永遠に抱いていてください。面白いので。エルフはオールザッツで見たネタのロング版……ショート版でもちゃんと面白い設定がさらに二転三転していって…あと、オチのはるの顔がすげえよかったです。紅しょうがは、これまでピンと来たことあまりなかったんですが、「男ホイホイ」という発明が見られたり、2本ともにWボケWツッコミ的入れ替わりがあったり、確実に「変えて」来ていて、しかもそれが刺さっていた。2本目の「怒り」がテーマながら、「怒り」の無秩序さと無秩序自体の処理されなさ。にぼしいわしは髪の色もそうだけど、また芸風違うの持ってきた……THE Wにおいては初めての漫才コントじゃない?確か。いわしの声が大きすぎて聞き取りにくいところがあったのは惜しかったけど、ワードのパンチ力とかはもう毎度おなじみ。「勝手に地下の告知をする」という敗者コメントがあるあたりに地上への慣れを感じずにはいられません。あ、そうだ平場といえば、蝶が4羽ともエルフに行った瞬間にボケ始めた河邑ミクが良かったという話もしておきます。

そんな、Cブロックの審査がこちら!

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こんな表ですが、Bブロックよりはもうちょっとだけ情報量が多い。

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というのも、視聴者含めた7票が全て同じという審査の偏りはBブロックと全く同じだが、実は第3試合までについては順位が確定している点がBブロックと異なる。逆に、トリの「にぼしいわし」のが一位ではないこと以外何もわからない。まあ、そうなると紅しょうが以外の順位はにぼしいわしの位置次第となるわけですが。ここまでにも言えることですが、6人や視聴者票がどう揺らいでいるかは六者六様であるということは付け加えておきます。

 

 

ということで、全体考察のコーナーです。ここまでの結果を元にして各々の審査員が一位にしていた方(2組以上の場合は全てのパターンを書いています)を表にするとこうなる。

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さて、BブロックとCブロックに考察の伸びしろなどない。問題はAブロック、お前だよお前。

まえがきにも書いた通り、今年のTHE Wは順位の場合の数が相当減ったため、田中審査員以外全員の審査が確定している。そこで、みなさんには田中審査員以外の結果を見てもらいたい。すると、TEAM BANANAとAマッソとヨネダ2000が2回ずつ1位確定しているのが分かるだろう。その上で、田中審査員の審査結果を思い出してほしい(忘れちゃってたらもう一回見返してほしい)。そう、田中審査員はヨネダ2000を一位にしていないのだ。ということは、勝ち残りノックアウトではなくシンプル多数決だったらAマッソかTEAM BANANAがAブロック勝ち抜いていたのではないか?賞レースでよく「ネタ順の妙」と言われるが、それはトップバッターがウケづらいとか微妙に似た作風が2組3組続くとウケづらくなっていくとか、逆に正統派のあとにぶっ壊しパワー系が来ると、よりぶっ壊しが引き立って爆ウケしちゃうとかそういう話であって、システムによって歪められるような話ではなかったはずである。というか、アレだろ?本当はAマッソが優勝なんだろ?どう考えてもAマッソが一番面白いんだろ?それを吉本の指示で変なシステム作って優勝させてんだろ?要するに吉本が吉本芸人ごり押すための出来レースなんだろ?今からでも優勝取り消せよ?本当の優勝はAマッソでした、って今からでも頭下げて、副賞も賞金もAマッソに渡せよ?なあ?なあ?なあ、って!!!!!!!

 

というわけで、以上で考察を終わります。もしどこか間違いがありましたら、ご指摘いただけると幸いです。ここまで啖呵切って間違ってたら恥ずかしいですがそれでも何かの間違いであってほしいので。

(おしまい)