キングオブコント2020感想文

  • まえがき

この記事はキングオブコント2020の決勝の感想文を書いているため、シャレにならないくらいキングオブコント2020の決勝ネタバレをしているので、録画や配信を見ていない人はさっさとブラウザバックしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と言うわけで恒例のネタバレブロックも終わったところで感想文です。

今年はよかった。演出のかっこよさがちょうどよかった気がする。カッコ良すぎ、緊張感高めすぎるとそれはそれでネタが上滑りすることもあるし、でもKOCはそういう問題を抱えなさすぎていたし………「お笑いの日」という大特番の一部っていうのも、終わってみるとよかったのかな、場が最初から温まってるように見えた。…場、変えてるのかな?

審査員は…三村の審査基準はともかく、影響がデカいのが……1/5持ってるっていうのが…同じ割合でも2/10だったら納得できるんだけどな……

 

「ラーメン屋」ラーメン屋でラーメンを食べ続ける異様な客…の正体は…

「大食い選手権」というツカミから、「何で注文聞いてから作り始めんねん!?」「下げるなよ!」「何で2乗行くねん!」と、ツッコミが入るまでわかりにくいボケの数々。この、わかりにくさが本当にちょうどいい。ここに「泥水に靴紐潜らせたとしても」、「私立中華料理の道徳の授業始まったんか」など、ツッコミのワードの独自性が乗っかるなんてこんなおトクなことないよな。今年の大会はいい大会になると予見させてくれたトップバッターだった。

 

「河川敷」草野球をしている近くでフルートを吹く練習をしている女性のもとに現れたのは……………中島美嘉

まさか、このネタが勝負ネタだったとは。「フルート」が入れ替わりに参加してより混沌とする展開とか面白いけど…。何というか………。こういうネタが評価されるわけないだろ…と、思ったが、滝音より1点多くする審査員は3人。意外と評価されるのね。

 

「段ボール」文字の書かれた段ボールから道具を出すというアルバイトに来た新人と、会話が噛み合わなさそうなマッチョの先輩。

兎の天然ぶりを綺麗なシステムの中で見せたコント。「どうなんだろうな?」「段ボール初めてか?」「DがAだったら良かったのにな」など、ベーシックなバイトあるあると先輩の頭の悪さを見せるバランスも良い。最後まで、何の仕事かわからないままあのオチで終わったのも良かった。

 

霊媒師」霊媒師が受信したものは霊……ではなく、ラジオ。

最初はトリッキーな設定に「ん?」となったが、「としやんと深田エミリーのバレーボール語らせろ」「誰と誰の何!?」、「しかもその場より先生の方がちょっと速い!」、「議題は何!?」などトリッキーな設定の面白さを引き出す台本。

ところで、霊媒師が「マジで破産する5秒前」という名前でラジオに投稿しているという………もしかして、その相談内容って………空気階段のネタのこういう「厚み」は好き。

 

「演歌歌手」競艇場の営業には野次を飛ばす奴が多い。練習しておく流れに。

「野次ワクチン」という謎のワードの気持ち悪さを最後まで少しずつ滲ませながら、ベーシックな天丼をベーシックに…というところすら裏切ってくる「大事な電話!」「おっさんは意外とこういうミラクル起こすねん」などが最高。オチも綺麗に決めてきた!

あと、曲の薄さが絶妙で良かった!「だんだん歌詞が薄く感じてきた…」

 

  • ザ・ギース

「別れ」新聞配達のアルバイトがやっていた楽器はまさかのハープ。にちようチャップリンで見た時よりはハープが小さく見えたのは大舞台ゆえの弊害だったかもしれない、が、ネタのクオリティはしっかり高い。小道具の大喜利という軽やかなパートもあれば、終盤のハープ演奏+急な照明の変化という重厚な件もある。満足度はコントとしても見世物としても高かったような。あと、どうでもいいけど、にちようチャップリンのときより「紙切り」のクオリティが上がっていたような。

 

「陶芸家」納得のいかない作品はどんどん割っていく陶芸家。しかし、中には…。

主軸のバラしはちょっと読めちゃったのがなあ…。それでも2人のじゃれてるかような会話はうるとらブギーズの魅力として出ていたが、去年の「仕掛け+会話」よりは落ちて見えるのが…もうちょっと主軸がいいネタなかったのかな、という気がどうしてもする…。去年の準優勝がハードルになったかな…。

 

ケンタウロス」下半身が馬の男子が出会ったのは、頭が馬の女子…。

大竹のコメントの「出会っただけですよね?」がすべて。出会って歌い出すのも面白いが、ミノタウロスの女子の声も面白い。口が馬ならまあそうなるよな*1。ボケ数も展開も少ないけど、逆にずっとボケてるという。やたら耳に残る「君が好きだから♪」やら唐突なラップやら入っている選曲も全部良い、歌い出してからオチまでずーーーーーっと笑ってました。天才のネタか?

 

  • ニューヨーク

「結婚式」結婚式の余興でただただやりすぎる友人。この一本で走りきるコント。

ニューヨークっぽくない、と思ったが、「鼻でリコーダー」「歯で岩を持ち上げる」あたりの、パフォーマンス以上の実用性がなく、いつ誰が思いついたかもわからないタイプのパフォーマンスに注目している辺りはニューヨークっぽい。「千羽鶴」が同じフォルダに入っているのも…いや、何でもない。躍動感で爆発を作って納得の最終決戦へ。

 

「脅し」会社の情報を聞き出すために娘をネタにして強請る二人…話はどんどん脱線し…。

設定はベタ寄りだが、随所で脱線したり、「続きが聞きたかったら…」と結局脅しに帰ってきたり、「優しい留学生」だったりと、展開は練り上がっている。ついて来れなくなるギリギリくらいで相関図が出てきたのも面白かった!と思ったが、家族曰く相関図が出てくる前からついていけなくなっていたようで。個人的には空気階段の一本目よりほんの少しだけ好きだったんだけどな…。ついていけなくなった人の方が多いんだろうか?どうなんだろ?

 

定時制高校の恋」髭面のメンバーを抱える空気階段が、「定時制」なら学園コントできるという発見よ。また、「滑舌が悪い」という設定のコントは幾度となく見たが、「書いてる本人が手紙を読み上げるナレーション」と絡ませるとは!この発明も本当にスゴい。「手紙の字が汚い」という可能性もないことないんだよな。ないか。

聞こえるセリフが皆無ながら、聞かすところは聞かすのは演技も台本もさすが。これが世に出たのは良かったなあ、と自身もジャンポケ敗退の10分後に手のひらを返したとか返さないとか。

 

  • ニューヨーク

「髪型」髪型が変な感じになってしまったらしい屋敷。「見せたくない」とゴネたら見せるタイミングを失った………と。日常会話のあるあるをそのまま入れたコント、そうなんだよな。この流れになったら髪型見せてもスベるけど、見せないと終わらないんだよな。

しかし、そこに「ヤクザ」が入ることで命の取り合いに。このギミックは凄い。「俺の墓参りは帽子取ってこいよ」「帽子取らないんだったらタマ取ったらあ!」に代表されるヤクザ絡みの件がもうちょっとあったら、得点伸ばせた気がするが…尺があるから厳しいかな…。

 

「泥棒」金庫破りになぜかタンバリンを持ってくる金庫破りの後輩…。

タンバリンを主軸にしたという他に類を見ないコント。金庫からタンバリンが出てくるのも何なんだよ。「桶じゃないです」というしょーもないボケをしつこく貫き通しての優勝はジャルジャルっぽかった。

あと、タンバリンを下そうとするときの福徳の顔が素晴らしい!

 

(おわり)

*1:この解釈をも裏切ってくるから凄い