THE W審査システム「勝ち残りノックアウト方式」を徹底考察

どうも、こんばんは、オルソンです。

 

 

この記事はTHE Wのネタバレ925%でお送りしておりますので、危ない人は避けてください

 

 

 

女性芸人限定賞レース「THE W」。2017年に始まったこの大会は、色々とアレな演出や運営などにより、某深夜番組で「もちろん毎年めちゃくちゃ面白い」などと大皮肉をかまされていたのも今は昔、今年は某プライムタイム番組が「はなしょーさんTHE W決勝進出おめでとうございます」と素直に祝福するような賞レースとなった。

そんな賞レースでも悪い面がないわけではない、それが審査システムこと「勝ち残りノックアウトシステム」である。1人目はネタ披露後すぐに2人目がネタを披露するが、2人目のネタ披露後に1人目と2人目で勝敗を決め、買った方が3人目のネタと戦い、勝った方が…を繰り返すという、キングオブコント2014最終決戦と全く同じシステムだが、「審査員ごとの順位がわからない」「欲を言えば審査員の点数が見たい」「ネタ順によって最終決戦進出者が変わるのでは?」「勝ち残りノックアウトシステムっていう名前がダサい。こんなダサい固有名詞は『高輪ゲートウェイ』以来」「あ、そうだ。ダサい、と言えば出囃子でネタを披露するショータイムの前に小声で『ショータイム!』って囁いてるのも超ダサいっすよ」などという声が上がっている。

 

しかし、本当に順位は分からないのだろうか?パズルっぽい感じでアレをアレしたら順位は分かるのではないか?という思いで、今この記事を書いている。早速本題へ、とその前に…

 

 

パズルっぽい感じでアレしたらぱぱっと順位がわかるシステム、通称「PPAPシステム」の説明をしてからにしよう

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まず、これはWikipediaを丸写しにした、各審査員がどっちに入れたかを表す表である。「表す表」ってBKBみたいですね、ブンブン!

PPAPシステムの肝はこの表をよりわかりやすくすることにある。と言うわけでまず

 

1、どの審査員の順位を知りたいか決める

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というわけで、まずは決めないと始まらんのです。オンバトラテ欄のようになってますが、これは、Aブロックの視聴者の投票結果を不等式に直したものです。この不等式に直すということがPPAPシステムの肝なのです。

 

2、不等式を一本にしようとする

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これをな、

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こうじゃ!

簡単に言うと、「A<B、B<Cのとき、A<B<C」ということです。

これにより、順位が分かるところは分かるけど、分からないところは分からないという千鳥の漫才のような状態になります。

 

3、全てのパターンを考える

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分からないところは分からない、とは言っても、にぼし<バナナより、にぼしはバナナより上に来ないことがわかります。これにより、順位が確定できずとも、絞ることができるということです。

へ?ターリーターキー?

えー…その…

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すいません、順位が分かるとか言ってすいませんでした。ターリーターキーは全然分かりませんでした。でも、紅しょうがより上には来ないのは確定、つまり視聴者1位は「紅しょうが」で確定ということです。

経験者なら分かると思いますが、SPIという就活用の知能テスト的なやつはこんなんばっかりです。俺のSPIでの経験が火を噴くぜ!

 

  • Aブロック

まずは、Aブロックから。

「嫌な女あるある」というTHE Wのトップバッターにふさわしい題材を持ってきつつも、それを「シンデレラの新解釈」という要素に落とし込み、さらに「人は勝算があるのに挑戦できない時に涙を流す」と言った小難しい話をしっかりとトーンの強弱で聴かせる山田と、そんな山田の術中にハマったりハマらなかったりして、適切なスピードで漫才を引っ張る藤本のコンビネーションが「単なるトップバッター」以上のトップバッターだったTEAM BANANA。そこに「監禁している女にオードブルとハムスターと拳銃が廻っているベッドメリーを見せるコント」をぶつけたオダウエダ。感情が爆発して縄が切れてからの展開は「理」が1ミクロンも入る隙間がない、まさに「立入禁止の不条理空間」であった。自分はめちゃくちゃ笑ったけど、家族はポカンでした。回転しているオードブルを見て笑わない父母から回転しているオードブルを見て笑う息子が生まれることはあるらしいです。その後のにぼしいわしは…「もうええわ」などではなく「あれバリきしょいよな」で終わる部分や、「こうやって追い込むのやめて!」と言いながら雲梯で前後にしか逃げないところは面白かったが、正直去年のが好きだったかなあ…オダウエダ直後だったのもあるかもだけど。その後の紅しょうがは、「〇〇ですよね?」というシステムや間に技術は感じたが、個人的にはあんまりだったので、満票はめちゃくちゃ意外だった。その後のターリーターキー。地味に「何かムズくて」っていうワード好きだった。捻ったのもいいけど、こういう直球も笑っちゃうんだよな。良い感じのベタさが良かったが、これに勝ったスパイクのネタも見たくなっちゃうな、オイ!

そんな、Aブロック。*1視聴者の審査結果は前述の通りなので次はヒロミから…と、言いたいところだが、実は視聴者とヒロミの審査結果は全く同じである。もちろん順位も全く同じ。ヒロミは6名の審査員の中で、最も視聴者目線を持っているのである。

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そんな、視聴者とヒロミの審査結果を見てみると、オダウエダとにぼしいわしが下位で、紅しょうがとTEAM BANANAが上位という「ザ視聴者」な結果。え?私ですか?視聴者ですよ?お笑い好きは「視聴者」をどこか舐めてる。よくないという自覚はある。

さて、続いては久本と田中の審査(ここも、全く同じ審査結果だったので)。

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後半は「紅しょうが」を高く評価し、最終決戦に導くも、序盤は上位を決めかね続けており…
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直してみると、久本・田中両氏の支持も虚しく惜敗したオダウエダが1位かもしれないという結果に。オダウエダファンの皆様は「久本雅美田中卓志の1位はオダウエダだったのかもしれない」という希望を胸に生きてください。こういうのって、絶対都合が良い方を信じた方がいいと思うので…。

続いて、川島の審査

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不等式を一本化する前から、TEAM BANANAをめちゃくちゃ推していることが分かる不等式ですが…
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直してみたところ、川島の1位はTEAM BANANAで確定しました。この答えを自分で導き出した時は「ヒッ」と細悲鳴が出ましたが、落ち着いて考えると、誰も何も悪いことしてませんでした。なお、TEAM BANANAへの支持が熱すぎるため、1位以外の順位は一切確定しません。

続いて、リンゴの審査

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まあ見ての通り…
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にぼし<バナナ<しょうがラインがしっかりと。こちらは紅しょうが1位確定である。他の順位も気になるところだが…。こちらも2位以下は闇の中である。

続いて、哲夫の審査だが…

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紙が狭くなってしまった。一人で膝を抱え泣いている少年よ、わしらが笑顔にするぜ!紙が狭い!
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そんな、哲夫の審査、なんと言ってもオダウエダ一位確定!!!!あの「99点」の件は小ボケでも何でもなく大マジだったことがハッキリ伝わった。これは激アツでは。なお、実際に最終決戦に進出した紅しょうがは3位以下確定。何というか、独特の審査をする人である…知ってたけど。

 

  • Bブロック

続いて、Bブロック。

トップバッターからAマッソがTHE Wでしかできないネタこと映像漫才を披露。「ピーターパン認可書めっちゃ書いてんで」などを分かりやすくするためにも映像が効果的に働いており、新しくて面白くて2本目が見たいっていう最高の極致のようなネタだったが……意外と「20秒で10個ボケるのが村上ではない」とか新しさゆえの穴もあったかも……いや、でも…あんな呆気なくゆりやんレトリィバァに制されるかね…???ゆりやんの「カツオ」はオールザッツ漫才のネタとネタの間で見たことがあったが…うーん…見たことがあったからということではなく、自分が芸人のネタに「オールザッツ漫才のネタとネタの間みたいなユルさ」を求めていないのかもしれません。だから、平場などはともかくネタのゆりやんで笑った記憶があまりないんですね。もっとカッチリを求めてしまっている。じゃあ何で回転するオードブルで笑ってたのかよく分からんのですけども。うーん。吉住は一本目はもちろん、やっぱり二本目が………一本目のが初見で、二本目のが見たことあったんですが、最後の「友達から?」の追加で支店長も大概ヤバいというかなり味わい深いネタになっていたので驚いた。もちろん「支店長と吉沢亮ってどっちがイケメンかなあ?」「私たちに明日が来る保証なんてどこにもないんだよ」「すぐ撃つじゃん…」なども好きだった。一本目は、「仕事と恋愛の両立」というテーマで最近見たアンナチュラルの1話の終盤を思い出したものですが、ラスト感動させといて「セーフ!」で持っていくのはある種二本目と対極の戦略なんだよなあ…。その後のはなしょーは、2人とも色々なキャラ演じられるのが本当に強い!セリフ面での印象が薄いものの、いや、逆に言えばセリフ面での印象が薄くともコントを見た満足感がしっかりしている!しかし、「お手玉」といい、「プレシオサウルス」といい、なんではなしょーの伏線回収はこんなにあざとくないんだろうか。ぼる塾は田邊さんがかかりすぎてるのが気になる以外は普通の……と思いきや、「いつも以上」を用意せず決勝来るわけはなかったですね。それを用意してるってだけで嬉しいし…実際面白いじゃん…。

そんな、Bブロックの審査。まずは視聴者から…

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Aマッソが視聴者審査では勝利。久々にちゃんと審査に不満が出ましたね。あそこまでやって勝てないのはどうすれば良いんだ。
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そんなわけで、視聴者審査を並び替えると、ゆりやんが最下位確定というわけで、視聴者は知名度でものを選んでいないと結論づけるのは、大きな思い違いをしているんでしょうか?吉住が3位以下なのでそうなのかもしれません。Aマッソの順位がわからず「1位かもしれない」で止まっているのはめちゃくちゃ不満です。まあ、仕方ないか。

続いて、ヒロミと田中と哲夫の審査。田中の審査は誰かとかぶる宿命らしい。

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3名とも、吉住の支持が相当に分厚い。1位が誰なのかは見なくても…

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はい、吉住1位確定。3名から支持を受けたら、そりゃ納得の最終決戦でしょう。なお、Aマッソの順位は低く、ヘタすりゃ最下位である。もしかして、この3名……Aマッソの例の件をまだ許していないのか?????

続いては久本の審査

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ゆりやんと吉住を高く評価しているが…果たして…
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何と、まさかのゆりやん1位演出。後半の吉住は妥協の吉住だったようだ。いや、でも、まさかなことないか。久本が好きそうなイメージ全然ないネタではないか。うん。

続いて川島の審査

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Aブロック同様、極端に吉住を推した審査が目立ちますね。直すと、もちろん…
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吉住1位確定ロードにAマッソ登場。Aマッソと吉住にしか票を入れていないため、誰の順位も確定しない波乱の展開に。川島の中でAマッソ1位説は推しておきたいところです。審査コメントめっちゃ良かったし。

最後にリンゴの審査

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いや、吉住の評価低いな!これは逆にどんな不等号が出来上がるか…
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案の定吉住最下位演出。真実を暴くことが本当に正しいのかよくわからなくなってしまいました。いや、よく優勝したなあ、まあ3名の支持があるから当然っちゃ当然か。

 

  • 結果

今回の結果から1位かもしれないリストを作るとこのようになった

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興味深いのはAブロックの「オダウエダ」の多さである。もちろん、「かもしれない」止まりながら、実はオダウエダにとって最も都合のいい択の元ではオダウエダと紅しょうがは引き分けなのである。BブロックはAマッソが推定の中ではそこそこ健闘しているが…それにしたって吉住が強い。ということで、吉住の優勝は自然の摂理であり、あまりにも納得の結果だったのである。吉住、おめでとう!

(おしまい)

 

*1:ここまで読めば分かると思いますが、オルソンはTHE Wの感想記事をこれと別に書く気など毛頭ありません