東西線のお話

こんばんは、オルソンです。

 

 

本日、就活が終わった。いや、終わったというよりは終わらせた、といった方が正しい。インターンの時に入れてもらえることになっていた(コンプラ)にある(コンプラ)という会社に入社できることになっており、辞退も可能だったのでその会社より条件の良い会社ばっかり受け、そして全落ちした。

いわゆる、きちんとしたバックアップ存在下での就活により、(あれ?就活ってゲーム、単純にバランスがアカン、クソゲーでは?)と俯瞰で見えてしまう。何しろ、履歴書に自分のことを正直に書いて選考を落とされると、履歴書のどれがいけなかったのかわからない。志望動機か?長所か?性別か?はたまた名前の画数か?河合模試のように解答解説付きで帰ってはこないのである。また、サイレントお祈り*1辺りから分かるようにゲームの主導権は完全に企業が握っている。投稿フォームタイプの800字程度の作文3問と言うヘビーなESを送らせてから説明会だったのに、説明会の30分前の会場にあと少しで着くってタイミングでES選考落ちメールを送ってきた(コンプラ)という会社は忘れねえからな、忘れてやらねえからな。また、選考基準で差別的なことを書けないがゆえ「高学歴募集!」と書いていないが、雇用実績大学を見ると早稲田、慶応、東大、京大、しかないのでそっ閉じした企業もあったし、中には「お茶汲み」などそれっぽい単語を匂わせて男性を弾く(逆もあるんだろうな、匂わせる単語は思いつかなかったが)企業もあると聞いた。そういう企業には履歴書送っても当然落ちる。まあ、書類審査通っても面接で落ちたら履歴書手書いた手間も元の木阿弥なんですけどね!あと、交通費が飛ぶ。時間が飛ぶ。履歴書代も飛ぶ。そんで普通に全社落ちたしな。なので、強力な後ろ盾があるのに就活する意味は本当にない。

これ以上の就活語りは本当に本気で就活する(した)人々に任せるとして、就活と同じくらいクソなのが朝ラッシュの東京メトロ東西線の混雑度である。東京メトロはその名の通り東京23区を網目状に結ぶメトロなので、朝ラッシュに混雑がすごいのは当たり前体操だが、東西線は特に酷いとされる。そんな朝ラッシュの東西線に就活のために2回ほど乗った。

1回目は西船橋から乗車。西船橋東西線の起点だが東葉高速線総武線に乗り入れているため西船橋始発は多くない。そのためすでにパンパンである。乗車口に人がクソほどいるのにやって来る列車にも人がクソほどいるのである。電光掲示板の一番上に表示されている列車にはまず乗れない、いや気合いめっちゃ入れれば乗れるし実際自分は乗ったけど。ただ、乗ったらその闘いは終わるわけではないどころか、駅での乗車なんかまだ始まってすらいないことに気づかされる。まずパーソナルスペースという概念はない。当たり前のように自分の周囲は人でギチギチに包まれて、身動きは取れなくなる。これで自分の手が女性客の胸や尻に当たっていて、「痴漢です」と言われたらどうすれば良いのか?北村晴男弁護士はしくじり先生で「私は今から何も触らない!DNA検査をやってくれ!」と叫べば良いと教えてくれたが、あの教えは東西線のラッシュという「どう考えても人と人が人種、信条、性別、社会的身分、または門地をを問わずすし詰めにされ、人と人との触れ合いが生まれてしまうパターンを配慮していない。というかあの授業、何でしくじり先生でやったんだ。行列のできる法律相談所でやれよ。全国の旨い差し入れとか、ゲストが会いたくない人と会わせてみるのとか、もういいから。そういうことばっかやってるから法律相談所の前に行列ができるんだよバカタレ。エビ反りになって筋肉を痛めそうになっている自分を乗せた痛筋快速…もとい通勤快速は原木中山で停車する…が、ホームが遠い。少し調べてくれれば分かることだが、東西線の通勤快速は原木中山には止まらない。しかし、現に自分の通勤快速は原木中山に止まっている。なぜか?前の列車が詰まっているからだ。そのため、通勤快速は通過線に停車している。通過線に停車って「別冊TV Bros.まるまる一冊TBSラジオ*2」みたいですね。せっかく通勤快速は浦安までノンストップなのに一切それを生かせていない。しばらくするとゆーっくり発車する。当たり前のことだが、浦安までノンストップなので浦安まで客は増えないけど減らない、つまりエビ反りのままである。なのに原木中山で止まるし、ゆーっくり発車していく。早く行かんかい。そんな想いも虚しく、何度か駅ですらない場所に停車する。そして列車は浦安に着いた。ドアが開いたが、何と自分がこの日乗った通勤快速はワイドドア車。ワイドドア車はドアが広い分乗降時間を短縮できる一方、この日の自分を含めかなり多くのお客様が「ドア前のお客様」となり、進路を邪魔しないように降りることを要求される。降りたが最期、また気合いを入れて奴隷列車に乗り込まなくてはならない。………挫折した。私はここで通勤快速をやめました。いやー、時間的余裕を持って正解でしたね。そもそも、通勤快速という優等列車だから混むのであって各駅停車に乗れば空いて…………………なかった。同じ列車が来たのかとすら思った。仕方ないので乗り込む。鞄を足元に落とす。足で鞄を挟む。ものすごい圧力の人の波に鞄が流されないようにしっかり守る。守りながら足を車内奥に進める。エビ反りになる。変な声が出そうになる。何なら実際に出す。ドアが閉まる。浦安から何駅か進んで初めて東西線は地下鉄らしく地下に入る。混雑率は変わらず、下手なハンバーグより肉の密度が濃い。客のことを肉と呼んでいるが、まああの待遇は人間の運び方ではない。そして地下鉄は地下の駅でもない謎の暗黒空間に止まる。自分も正直少し怖かったし、閉所恐怖症の人が乗ってたら間違いなく発狂するはずだ。でも発狂する客はいなかった。発狂する客はいないのに数分程度遅れている。日本の鉄道は正確とかいうアレはデマです。そして列車は茅場町に到着。ここで降りるぞ…と思いきや客もここで降りるらしい。肉の波が押し寄せる。一人一人の力は小さくとも、多くの客がうねりを生み出す。足元に置いた鞄を取る、取っている間にも後ろから衝撃波は来る。流れ行く鞄とはぐれないようにしっかり捕まえる。そして自分の意思と関係なく押し出される。通勤快速でも各駅停車でもない、人波の暴走特急だ。降りたら降りたでホームが混んでいた。エスカレーターも左右どっちも詰まっていて右が急ぐとか関西では左だとかそもそもどっちかに偏って乗るとエスカレーターの寿命が縮むとか、そんなこと言ってる場合ではなかった。でも日比谷線はやたら空いていた。日比谷線ホームの空気が美味しかった。

2回目も目的地は茅場町。今回は前回の反省を生かし「西船橋始発の時刻を調べる」という技を披露。7:30にその列車はあったのでその数分前に西船橋に到着。しかし、数分前という読みは大甘の甘のあまんきみこ。なんと、7:30の始発はもう来ていたし、席は全て埋まっていたし、次の始発で座れるのを狙う戦士はもう列をなしていた。次の始発は7:40。この始発で座れなければ7:50でもいい。俺は時間に余裕を持って行動している…。が、何と7:50発の西船橋始発などない。そう、乗り入れだ。朝は東葉高速線に加えて総武線にも乗り入れるため、西船橋始発が本当にレアになる。具体的にいうと8:40まで始発はこない。つまりこの椅子取りゲームに負けたら始発チャンスは実質もうない。列車が意外とすぐ来た。乗り込む。ザッ、という音がした。わずか1秒で全ての椅子が埋まった。自分もこの1秒で座席をゲット。こうすればあとはのんびり行ける…はずがそうならないのが東西線だ。いや、最初は良かった。ほぼ立ち客もいなかった。しかし、各駅停車として各駅停車で客を乗せると前にも見た地獄の混雑だ。地獄の混雑でも座って入れば関係ない、そう思っていたが地獄の混雑相手にそれは通じない。なぜなら、地獄の混雑だからだ。自分が座っている目の前でおっさんがエビ反りになっていた。いや、この前の自分もそっち側だった。だから自分はそっち側の気持ちが分かる人間のはずだ。そう、このおっさんは自分の意思でエビ反りしているんじゃない、エビ反らさせられているんだ。そしてエビ反りしたおっさんの膝の皿がちょうど座っている自分の膝の皿に当たる、当たる当たる。これが辛い。もちろん座っているから立って詰め込まれてつくねができる一歩手前になるよりは辛くないはずだ。しかし、「あなたは辛いと言っても周りはもっと辛いのよ」その声がどれほど日本人から「辛い」という愚痴を奪い、ストレスに昇華させていったのだろうか?辛いことを辛いと言えない、そんな社会はまるでこの東西線のように息苦しい。そうだろう?辛い時は辛いというべきだろう?ということが考えられるのはひとえに自分が座っているからである。座っていると広告を見る余裕も生まれる。住○不動産が八千代緑が丘駅前にマンションを分譲するらしい。するな。こんなに混んでいるのに、これ以上マンション建てたら地獄だろ、穴場でも何でもないんだぞ、工事中止しろ。何が駅前メガシティだ、うしろシティの星のギガボディみたいに言うな。そして列車は茅場町に着く。人波に乗っかれば降りられる、と思っていたのだが。が、が、が。ga!ga!ga!、これじゃ、スロウスタートのオープニングだが、何と目の前の膝の皿に膝の皿を当てて来た、いや当てさせられていたおっさんは茅場町で降りなかった。おっさんは身動きが取れない。取れるのにあえて自分の膝の皿を攻撃していたら最悪だからだ。そんなわけで膝の皿膝蹴りおじさんがバリケードおじさんになる。隙間を縫って車内中程に入る。車内中程、それは降りる客のメインストリーム。相変わらず土石流が背中を押す。そこに自分の意思、自分のペースなどない。ところてんのようにガンガン詰まってニュルンと押し出される。茅場町だ。このあと日比谷線に乗り換えて(コンプラ)にある会社に面接に行った。受かっていれば、毎日あの東西線に乗っていたのかもしれない…まあ落ちたんですけどね!

(おしまい)

 

*1:選考を落とす「お祈り」を、「二次選考の連絡をしない」という形で知らせること

*2:https://www.tbsradio.jp/238229