一発じゃんけんって何?本当に一発で決まる?平等なの?調べてみた!

  • まえがき

どうも、オルソンです!

 

みなさんは「一発じゃんけん」というじゃんけんをご存知でしょうか?

一発じゃんけんとは三日月マンハッタンの仲嶺さんが発明した、その名の通り「一発で決まるじゃんけん」のことです!

 

ラヴィット!やスッキリでも取り上げられたこともあるそうです!すごいですね!

ルールは

1、出す手は「1」「2」「3」「4」「5」の5種類。普通のじゃんけんのように、同時に出す

2、誰かと同じ数字を出した人は負け

3、誰かと同じ数字を出さなかった人の中で、より大きな数字を出した人の勝ち

4、ただし「1」は「5」に対してのみ勝つことができる

というもの。

例えば、「1、2、3、4、4、5、5」の場合、4と5を出した人は重複しているので負け、残った3人のうち一番大きい数を出している「3」を出した人の勝ちとなります。ただ、これでは1を出す意味がないため、例えば「1、2、2、3、3、4、4、5」の場合は、重複していないのは1か5なので数字の大きさは「5」の勝ちだが、特別ルールにより「1」は「5」のみに勝てるという設定がされています。

 

この一発じゃんけんについて、実際に確率を調べてみました!

 

  • 本当に一発で決まりやすい?

まず、一発じゃんけんが一発で決まりやすいのか調べるために、普通のじゃんけんがどれくらい決まりにくいのか調べてみることにしました。

じゃんけんはグー、チョキ、パーの3種類で戦います!なので、n人でじゃんけんしたときの手の出し方は3^n通りあります。ちなみに「^」は累乗のことです!そして、n人でじゃんけんをしたとき、出てくる手の種類は1種類か2種類か3種類です。このとき、出てくる手の種類が1種類および3種類のときは、「あいこ」なので、じゃんけんで決着がつく確率は「出てくる手が2種類の確率」となります。

出てくる手が2種類となる出し方は何通りかですが、まず「グーとチョキの2種類」「グーとパーの2種類」「チョキとパーの2種類」の3通りがあります。そして、n人が2種類の手を出す場合の数は2^n通りです。しかし、実はn人がじゃんけんをして出てくる手の種類が2種類となる出し方は3×2^n通りではありません!なぜなら、2^n通りの中には、「すべて同じ手」という場合が入ってしまっているからです!なので、3×2^n通りからそのような場合を引いてあげましょう!「すべて同じ手」となるのは、「すべてグー」「すべてチョキ」「すべてパー」の3通りしかありません。よって、じゃんけんで出てくる手が2種類となる出し方は3×2^n-3通りです!よって、n人が1回じゃんけんをして決着がつく確率は(3×2^n-3)÷3^nとなります!

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これは、ラヴィット!で一発じゃんけんが紹介されたときにスタジオにいた15名で行った場合、約1/145の確率で勝敗がつくことを意味しています。

なお、上記の画像では勝敗がつく確率ではなく、1人勝ちする確率なのでよけいに低くなっています。もちろん、1/145として見たところでけして高い確率とは言い難く、あいこでしょ」が10回続く確率が約93.3%、100回続く確率が50.0%あるため、ラヴィット!のオープニングでじゃんけんをすると、リングトスゲーム以来の放送事故となってしまうのは避けられません!

 

それでは、ここからは一発じゃんけんであいこになる確率を調べていきます。一発じゃんけんであいこになる確率は

1、1から5すべての数字が重複している

2、1から5すべての数字が重複することなく出ている

の2通りです。ただし、鳩の巣原理より6人以上で一発じゃんけんをすれば「2」は起きえないことが証明できます!ですから「1」が起こる場合の数を計算すればいいのですが………

 

 

 

計算しようとしたところ、一発じゃんけんであいこになる確率はよくわかりませんでした!今後も三日月マンハッタンの活躍から目が離せませんね!

 

  • 一発じゃんけんで決着が着く確率

ということで、ここからは「一発じゃんけんは平等なのか」ということについて調べたいと思います!

そのために「1で勝つ確率」「2で勝つ確率」………「5で勝つ確率」と調べていきますが、この5つの確率を足せば、一発じゃんけんで決着がつく確率もわかります!ということでここからは一発じゃんけんで勝つ確率を調べていきます!

まず、一発ジャンケンをn人でやったときの手の出し方は5^n通りです。これをもとにして、「1が勝つ手の出方」「2が勝つ手の出方」……を調べれば確率も分かるわけですね!

 

  • 5が勝つ手の出方

5が勝つには…

1、「5」を出している人が1人だけである

2、「1」を出している人が1人だけではない

という条件を満たす必要があります。つまり、「1」の条件を満たす手の出し方から「5を出していないn-1人の中に1を出した人が1人だけいる場合の数」を引けばいいことになります。

では、実際に計算してみましょう!まず、n人中「5」を出す1人の選び方はn通りです。n-1人は「5」以外の4種類の手を出すので4^(n-1)通りあります。ですから「5」を出す人が1人しかいない出し方はn×4^(n-1)通りです。

次に、n-1人中一人だけ「1」を出す場合の数ですが、まず「1」を出すn-1人の選び方はn-1通り、残りのn-2人は「1」と「5」を出してはいけないので3^(n-2)通りというわけで、5が勝つ手の出し方はn{4^(n-1)-(n-1)×3^(n-2)}通りとなります!

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文章じゃ式が分かりにくいと思うので、書き直したものがこちらです!ギュッとするとたったこれだけのことですね!

 

  • 4が勝つ手の出方

4が勝つには

1、「4」を出している人が1人しかいない

2、「5」を出している人が1人ではない

という条件を満たす必要があります。つまり、「1」の条件を満たす手の出し方から「4を出していないn-1人の中に5を出した人が1人だけいる場合の数」を引けばいいことになります。

では、実際に計算してみましょう!まず、n人中「4」を出す1人の選び方はn通りです。n-1人は「4」以外の4種類の手を出すので4^(n-1)通りあります。ですから「4」を出す人が1人しかいない出し方はn×4^(n-1)通りです。

次に、n-1人中一人だけ「5」を出す場合の数ですが、まず「5」を出すn-1人の選び方はn-1通り、残りのn-2人は「4」と「5」を出してはいけないので3^(n-2)通りというわけで、5が勝つ手の出し方はn{4^(n-1)-(n-1)×3^(n-2)}通りとなります!

 

 

 

………実は、勝つ手も負ける手も1種類ずつという条件が同じなので、同じ確率になるのは当たり前です。計算してから気づきましたが、途中式の文章はコピペしました。皆さんは気づきましたか?

 

 

  • 「3」を出した人が勝つ場合

「3」が勝つには

1、「3」を出す人が1人しかいない

2、「4」を出す人が1人ではない

3、「5」を出す人が1人ではない

という条件を満たす必要があります。「4」や「5」より難しいのは、「条件1を満たす場合の数」から「4を出す人が1人の場合」と「5を出す人が1人の場合」を引くだけだと「4を出す人が1人の場合かつ5を出す人が1人の場合」を2回引いてしまうので、「4を出す人が1人かつ5を出す人が1人の場合」を後で足す必要がある点です!

では、実際に計算してみましょう!まず、n人中「3」を出す一人の選び方はn通り、残りn-1人が「3」以外を出すのでn人中1人しか「3」を出さない場合の数はn×4^(n-1)通りです!ここまではさきほどと同様です!

さて、条件2のために「4を出す人がn-1人中1人しかいない」場合を出して引くわけですが、ここも、「4」を出す一人はn-1通り、「3」と「4」以外の3通りの手を出すn-2人は3^(n-2)通りなので、(n-1)×3^(n-2)通り先ほど同様です!もちろん、「5を出す人がn-1人中1人しかいない場合」も、(n-1)×3^(n-2)通りと同様です!

さて、仕上げに条件4!「4を出す人が1人」かつ「5を出す人が一人」というのは言い換えると「4を出す人と5を出す人が1人ずつ」となります。よって、4を出すn-1人の選び方がn-1通り、5を出すn-2人の選び方がn-2通りということで(n-1)(n-2)通り。そして、残りn-3人は「3、4、5以外を出す」ので2^(n-3)通りということで、「3」を出して勝つての出し方はn{4^(n-1)-2(n-1)×3^(n-2)+(n-1)(n-2)×2^(n-3)}通りとなります!

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  • 「2」を出した人が勝つ場合

「2」が勝つには

1、「2」を出す人が1人しかいない

2、「3」を出す人が1人ではない

3、「4」を出す人が1人ではない

4、「5」を出す人が1人ではない

となります。結局、条件1を満たす場合から、「3を出す人が1人しかいない場合」「4を出す人が1人しかいない場合」「5を出す人が1人しかいない場合」を引けばいいという意味ではこれまで同様、引くときに重複に気をつけないといけないのもこれまでと同様。ですが、3つの場合で重複を考えるのはさすがにベン図が必須すぎる、ということで

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画像のみで勘弁してください。

 

  • 「1」を出した人が勝つ場合

「1」が勝つには

1、「1」を出す人が1人しかいない

2、「2」を出す人が1人ではない

3、「3」を出す人が1人ではない

4、「4」を出す人が1人ではない

となります。見ての通り、負ける手の種類が「2」と同じなので、「1」で勝つ手の出し方と「2」で勝つ手の出し方は同じとなります!というわけで、計算をせずともn{4^(n-1)-3(n-1)×3^(n-2)+3(n-1)(n-2)×2^(n-3)+(n-1)(n-2)(n-3)}通りと分かります。俺は同じ失敗を二度としないデキる男。闘いの中で成長する男。

 

 

 

さて、確率が異なるということは手ごとに出る確率が等しくないので、平等ではないことがわかりました!ということで、ここからはどれほど平等ではないのか、Excelを使って調べてみます!

Excelに式を入れて確率を算出したものです。平等さはさておき、15人くらいでも6割の確率で一発できまることがわかります。

また、平等さについても言ってしまえばそこまで大きな差ではないと言い張ることもできます!いや、もちろん「大雑把に見積もりすぎだろ。平等じゃないじゃん」と思う声もわかります。しかし、一発ジャンケン開発者である三日月マンハッタンの仲嶺さんはある方法で公平性を担保しています。それは「心理戦」というワードです。つまり、先ほどのスクショでは「3が強い」ことが分かりますが、この記事をもとに「3が強い」という情報が広がり、みんなが「3」を出すようになった場合、「3」は重複しやすいので結果的に弱い手になります!また、重複する「3」を出すには「4」を出す人が増え……と環境が流動していくことでゲームバランスが担保されていきます。

 

いかがでしたか?

一発ジャンケンは多少の平等性を犠牲にしていますが、一発で決める確率は飛躍的に向上しており、「ゲーム」としては優秀なものであることが分かります。

今後も、三日月マンハッタンの仲嶺さんの活躍から目が離せませんね!