相席食堂100回記念スペシャルがもはや現代社会を風刺で切り裂く映画だった

https://gyao.yahoo.co.jp/episode/606c1a0f-c1bb-4ce1-8cbf-ee75c3a06aff

ここから見れます。ただし、4/14(水)0:17まで(実質4/13の夜中まで)

 

深いネタバレ記録の前に概要を…

相席食堂

ロケの達人である千鳥が、他人のロケを見てツッコミを入れる番組。元々は、「ロケ映像を見た千鳥がロケのエピソードトークを挟む上質な旅番組となる」予定だったらしいが、初回で「焼きそばを食べまくる菊池桃子」にツッコミを入れまくられた段階でその構想は崩壊。その後、「スタッフ全員が見逃した、風呂の水面に反射して映る陰部」や「錦鯉長谷川のギャグの後ろで生まれる愛」など千鳥の二人は表現力・ツッコミ力のみならず、類稀なる観察力を持つ芸人となった。

 

相席食堂100回記念スペシャ

この日のゲストはTKO木下と極楽とんぼ山本。いわゆる攻めたゲストを用意した………とか、「そういう芸能ニュースや内輪の事情が一番興味ない」「ワイドショーはマジで見ない。不快。」と思っている人に見てほしい。風刺は同じ考えを持つものにしか刺さらないから…なぜか社会風刺映画の様相を呈する回になってしまっているから…。

 

 

というわけで、この下はもう相席食堂100回記念スペシャルのネタバレと化しているので見ていない人は上のリンクで見てください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

というわけで、相席食堂100回記念スペシャル。パワハラにより松竹芸能の退社を強いられたTKO木下と、女性関係の事件で10年にわたる謹慎を経験した極楽とんぼ山本のロケ映像を安全圏から千鳥が見る。

いや、安全圏から千鳥がVTRを見る番組であること自体は相席食堂そのものの性質なのだが………TKO木下のVTRが始まるがいなや、大悟は鋭い観察眼からわずかな違和感を見出し、苛立ち始める……

この観察眼からすでに見事なのだが、その後、インストラクターと出会った際も「見せてあげたい」「精算したい」など、節々に引っかかり、「護送車と一緒」「こいつまさか飯行っとんちゃうやろな!?」など、ボケを交えながらも苛立ちを隠せない。「まだ腕組める!?」「バックショットで撮ってくれって…」などなど……さらに中盤、木下のみに向いていたはずの大悟の矛先が山本に向かうシーンもあり、ここは「山本軍団」として多くの芸人に愛される山本のニンが出ているとも言える名演技(?)である。もちろん、矛先を向けにいく些細な理由を見逃さない大悟もすごい。「10年休んだらもう逆転しとるからな」

このような大悟に対し、ノブは

「ワイドショーのコメンテーターやん」、コイツや、今日本の芸能界を良くなくしているのは」などとツッコミを入れ続けている…が、いざダイビングが始まると………………山本は3月といえどまだまだ寒い北海道の海にいるのに対し、木下は沖縄の海でダイビングしているというのもあって、ノブも苛立ち始める…ここに、扇動される民衆・世論のバランスの崩壊が描かれている。ここが相席食堂100回記念スペシャルの100回記念たる所以とも言えるクライマックスである。恐るべき大団円、そして、大悟の観察力に始まり大悟の観察力に終わると言えるオチがついてTKO木下のロケVTRは終了するのである。

ちなみに、VTR終わりのノブのセリフは、世にも奇妙な物語で、メディアが作った空気が民衆を思わぬ方向へ動かしてしまう図を描いた怪作、「大予言」へのリスペクトを思わせる。本当に台本がないのか?台本がないのにこんなに社会派の映画みたいになることがあるというのか!?