R-1グランプリ2021感想文

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ここから先はR-1グランプリ2021の感想という性質上、R-1グランプリ2021の展開などがバレるので、未視聴の方はお帰りください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大丈夫ね?R-1グランプリ2021の決勝見てなくて今後見る予定の人もう帰ったね?いたらバレるわけでもないけど、いないものとして続けるよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

いきなり感想本編です。言いたいことはいろいろあるので総評は後ろのスタイルでお送りします。

 

  • マツモトクラブ

「告白」公園で告白をする男…の実態は?過去5回近くR-1敗者復活からの決勝進出を決めた実績がなせるフリの長さと、小ボケを排除した丁寧な回収。突然ラストにされたラストチャンスにやっておきたいことを全部ぶつけてきた印象。トップバッターからなかなか点の伸びにくいネタだったと思うが、やっぱりマツモトクラブのネタは素晴らしい。

 

 

  • ZAZY

「春夏秋冬」フリップを4面使ったネタ。中身は最初の「鼻腔広っ!」に始まり、いつものめちゃくちゃなZAZY。めちゃくちゃだけど「鼻の穴デカっ!」じゃなくて「鼻腔広っ!」なあたり、ただ者がめちゃくちゃやってるだけではないんだよなあ。

構成は、4面フリップがあるので4回畳みかけがあるうえに、4面フリップを回収する歌でさらなる畳みかけを印象付ける。めちゃくちゃな芸風な人が賞レースでそのままなのもカッコいいが、獲りに行く姿もまたカッコいい。

 

  • 土屋

「自転車」自転車レースの途中疲れてきて喋り方もだんだん田原俊彦に…という活字にするとなかなか意味わからんあらすじのコント。そういう意味では「心に田原俊彦が生まれてから足の痛みなくなってる」というフレーズの意味のわからなさは好き。「世代じゃないのに」「たのきんトリオ」など、細かいところを細かく掘り下げる台本も味わい深い。ただ、それでも、「田原俊彦」という軸の手垢のつきっぷりはどうしても気になったかな…。

 

  • 森本サイダー

「コント:ラブレボリューション」順調にコントを披露していた男、しかし、ショートコントが終わると早々に袖に戻ってしまい…。

コントのはずがフリップが出てくる違和感がまず面白いが、そこからメタに流れる構成。ツッコミを時差で打ち込むことの爆発力をピンネタの最高の形で見せたネタで、新しくて面白い。そして、「今里」「ラブレボリューション」は後々回収されるんだろうな、と楽しみにしていたら、やっぱり後々回収される。この新感覚がたまらない。

個人的には真空ジェシカの名作「コンビニ」を思い出したり…。

 

  • 吉住

「祠」近づいてはいけない祠にいたバケモノ。と、友達になった矢先に…「話が通じない」→「村を焼かれる」→「オチ」と全編で3ボケしかないストロングネタ。3ボケしかないが、心情の揺らぎの大きさと、それを表現する「村を焼かれた時の顔」の巧さで持っていけているのが凄い…。

 

  • 寺田寛明

「意訳」「月が綺麗ですね」のように、様々な英文を意訳していく。

一切何の仕掛けもないシンプルフリップで点数は伸びず。より捻りの効いた設定のフリップネタもあるのだが…。「ソフトクリームを出す機械が止まりませんね」「弱いWi-Fiがずっと入り続けますね」などに彼らしい着眼点が光っており、順位は伸びずとも視聴者投票は5点を獲得。認知度を伸ばすという意味での決勝進出効果は期待できるのでは!ピンときた人はYouTubeで検索してネタを漁りまくってみよう!マセキ芸能社は慈善活動団体にして非営利組織なので、事務所ライブのネタが星の数ほど上がっているので…。個人的には「京言葉」「自由律俳句」あたりが好きです。

 

 

「駆け込み乗車」ものすごい速度で走って駆け込み乗車に失敗した男…以上の展開がないところにかが屋らしさを感じるが、ちょっとブラックすぎるというのが個人の感想。元々説明少ない上に、ピンだから余計に「日常」感が際立つんだろうなあ。ピン芸人生活が短くなってくれたことだし、ぜひ加賀アリで見たいかもしれない。加賀のセリフが最後しかない気もするけど。

 

 

  • kento fukaya

「Triple Flip Story」、3面フリップをめくって3コマ漫画…だけではない。何だろうこれは…3コマ漫画であればフリップ1個でもできなくはない。しかし、それでも3面使っているのはなぜか???「上手く使っている」としか言語化できないが、どのフリップをめくるかなどの計算はかなり練られている。「(ラグビー部はアーモンドを見ると)頭がパニックになる」→「頭がパニックになるあるある、8リーチ0ビンゴ」の流れなんかとにかく凄かった。とにかく凄かったけど、何を見ていたのかまるで残らない、スッキリするけどもったいない。

 

 

  • 高田ぽる子

「乳首」、「おじいちゃんの乳首が取れたから乳首専門店に乳首を買いに行く」、「ストリート演奏で100万円もらって乳首を買う」などぶっ飛んだ設定や展開割に、「モスグリーン」というワードチョイスや、リコーダーでBGMを吹くなど、ちょいちょいちゃんとしたオチを持ってくるところにただぶっ飛ばすだけ以上の地肩を感じる。オチといえば、あの終わり方も漫才の一番綺麗な終わり方みたいだった。予備の乳首持ってたら買いに行かなくていいもんな。………予備の乳首???????

というわけで、個人的には一番好きなネタでした。このくらいのぶっ飛ばしが個人的に一番ちょうど良かった!

 

「オフィス」オフィスで説教している女性、説教がエスカレート(?)していき…これまでR-1でゆりやんがかけてきた「あるあるネタ」とは違う、結構しっかりした一人コント。というわけで、見やすく素直に笑いやすかった。でも、やっぱり自由にやりたい放題なんだよなあ………と、思いきやロッカーの中身で1発ボケるので「ちゃんとしたコントの技巧」も見える。これはかなり笑いましたね。

 

 

「オナラ」彼氏が帰ったあとオナラをしてしまった女性。このあと消臭剤をまいたために思わぬ誤解が…。

かが屋っぽいネタ…というよりかが屋でやってるところ見たぞ?事情が事情ではあるが、やはりコンビネタやそれに近いネタをR-1に持ってきてほしくはない。

 

 

「インタビュー」ダイエットのインタビューを受けるゆりやん。途中で突然拳銃を出して…THE W優勝時の「ドラえもん」に近い、自身のエピソードを絡めたネタ。しかし、ドラえもんとはあまりに対極な見せ方。「お前で笑ったことないねんって思いましたよねえ!?」とベタなネットニュースのカスを拾う厚み!

しかし、後半は部屋で暴れ回るという破壊的不条理なコントに。「窓」以外のマイムの伝わらなさがいい。部屋のどこにある何を破壊してるんだ!あんなに!

 

 

  • ZAZY

「二人の出会い」基本構成は一本目と変わらない。が、ZAZYの狂は何度別のネタ番組で見ようと、R-1で2本目になろうと、慣れることはないのである。だから、2本とも似た構成のネタやってること自体はさして気にならない。気にならなくさせる力がZAZYにはある。

だからこそ「クリップ」と「そ」の2ミスがもったいない………。

 

  • 総評

というわけで、R-1グランプリ2021、芸歴10年以下になった結果、母集団が大きく減り、結果ネタのクオリティがガタ落ち…ということはなかったように見えるが、番組として…賞レースとして…ねえ!?M-1と同じルール、演出でありながら、3時間ではなく2時間に無理矢理縮めたことで、一周では誰が何やったか頭から秒で抜けかねないほどの慌ただしさを持つ賞レースとなった。

特に審査コメントがないのは、失って初めてわかるありがたみが滲みる。今日日、そんな人見かけてないけど、もし「ZAZYファーストステージトップはよしもとのゴリ押し。審査員はヤラセ」っていう人がいたとして、「吉本がそんなことするはずないし、他の芸人(参加者も審査員も)そんなのにノるはずない」という性善説以外に論破できる糸口が、2時間の放送の中にあったか?外にならあるけど(少なくとも、ザコシと野田クリと古坂大魔王はZAZY好きそうなのは確かだから)。そういうところの言語化をしてくれるのが審査員のコメントちゃうんかい!古坂大魔王が「(ピコ太郎は)別人なんで!顔が全然違う…」っていつものボケをかましてる途中でCM行くな!!!!!

他にもまだまだ言いたいことあるわ!!!審査員の採点の機械壊れてたとかその影響で最終決戦の得点1点間違えて表示したとかそもそも最終決戦の得点が放送に入りきらないから翌朝発表って何やねんとか広瀬アリスTwitterは上にスワイプして更新しないとTLとかの流れが変わらないこととか番宣でMC横の女を決めるなとかだいたい初回前ならまだしも最終回目前でドラマ番宣して「あっ、最終回目前じゃ〜ん見よ見よ」って誰がなんねん!!!!とか!!!!!!

 


それでは最後に、R-1グランプリ2021の放送中に何回「バレる」と言ったか、でお別れしましょう

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89回でした。

※「バレる」が流れた回数ではなく、「バレる」と言った回数です。例えば、出囃子の「バレる俺の天賦の才がバレる」は2回とカウントしています。逆にCM前など「バレるが流れているが、『バレる』という単語を含んでいない部分はノーカウントです


それでは、さようなら