ニッポンの社長が最終決戦進出できなかったのがゆるせない話

「薬局に薬を買いに行ったんですよ、ほんだらぁ、薬の箱に『イソプロピルアンチピリン配合』って書いてあったんですよ。風邪引いてぇ、薬買うときにぃ、『あ、これイソプロピルアンチピリン配合やん!これにしよう、イソプロピルアンチピリン配合やもんなあ、いやあ、イソプロピルアンチピリン配合の薬あって良かったわあ〜』って誰が思うねん!!!!」

 

 

あ、どうも、こんばんは、オルソンです。

 

「人志松本の〇〇な話」の企画の一つ、「人志松本のゆるせない話」で千原ジュニアが話していた話の丸コピから始めてみました。いや、どうやらはてなブログって自分語りしても規約違反にならないらしくて、実際初めてゆるキャン△でヌいた夜のこと書いても*1全然垢BANして来ないんで、自分語りしようかな、と思うわけで、何をかくそう前述の「イソプロピルアンチピリン」の話、「芸人ってすげえんだな」って自分が初めて思ったトークだったりします。

 

当時、夜更かししてNHKを見るという発想がなく、「KB」の「キロバイト」じゃない方の読み方を知らなかった自分は、エンタの神様からレッドカーペットやらイロモネアやらレッドシアターやらを経て、お笑い大ハマり少年になり、一旦若干遠のきつつも、今では立派なお笑い大ハマり青年となっているわけですが、中学生の時に見た「イソプロピルアンチピリン」は初めての衝撃で、というのもアホな中坊だった自分は、芸人のトークって「自身が面白いのではなく、周囲で面白い出来事があったのでは?」と思っていたんです。それこそネタに比べて圧倒的に本人の作り込みが薄いと思っていた(過去形)んです。

 

それを覆したのが「イソプロピルアンチピリン」そして「人志松本のゆるせない話」なんです。この、「イソプロピルアンチピリン」を筆頭に、「人志松本のゆるせない話」は

世間で(少なくとも自分が)ボケとは思っていないものにツッコミを入れて笑いにしていました。

このとき、芸人って面白さを見つけ出せるんだな、と芸人の凄さを見出してしまったんです。面白いものって作るだけじゃない、見つけ出されることもあるんだ、って。ちなみに、ジャルジャル後藤も確か出ていました。「ゼリーが好きなんだけど、最近のゼリーは果実の割合が多すぎる。『みかん丸ごと入りゼリー』なんかあるけど、それ食うならみかん食う」みたいな話していました。めちゃくちゃ共感して笑った記憶がありますね、ええ。

 

で、こんな長尺の自分語りのあとに本題に入るんだよ!ニッポンの社長ケンタウロスの話に!

 

あ、そうそう、ケンタウロスの話に入る前に思い出したんですが、「リンカーン」もそれなりに見ていましたね。三村に密着する企画で「新しい食べ物とか食べないんですよね」って三村が言っていて、スタッフが「例えば何ですか?」って質問したら「オクラとか…」って言っていたシーンは、今思えば「伏線」だったんだなと思っております。

 

今度こそ、自分語りが枯れたので、ニッポンの社長の「ケンタウロス」の話へ。このネタは、「ケンタウロスの高校生」という「不条理」に対し、周囲の関係性などで「共感」を呼ぶセリフで最初は観客をツカむ。が、「ミノタウロスに出会う」、そして「歌う」という流れで、再び「不条理」へ持ち込まれる。

 

しかし、このとき歌った曲である「AM11:00」という曲。コントを見た後だと、実はこの曲自体が面白いんじゃないかという疑惑が沸々と…。


というのも、この曲「Aメロ→Bメロ→サビ→Aメロ→Bメロ→サビ」じゃないんですよ、1回目のサビの後に歌われているメロディーと最初に歌われているメロディーが明らかに違うんです。

 

これだけなら、まあ「そういう曲もあるか」くらいの話なんですが、さらに「突然のラップ」という要素もコントを支える重要なボケなんです。

 

こんなにいいタイミングでラップが入る「AM11:00」がもう面白すぎるのですが、さらに、コントでは「ミノタウロスが叫びまくる」部分の一つであるラップの後半、ドラムがラップを歌い出すんです。「お前が歌うんかい」要素が大マジJ-POPにあったんです。

 

あと、「Bメロの転調ぶり」とか、「この世界が闇に〜染まる前に〜」がミノタウロスへのフリみたいになってるとか、何度も繰り返されて耳に残るサビの「君が好きだ⤴︎から」とか、あまりにも面白い曲なのに、「面白ソング」として今まで扱われていない、つまり「面白さ」が発掘されていなかったんです。

 

もちろん、HY」はコミックバンドではないし、そもそも、この曲の面白さを「発見した」のは他でもないニッポンの社長であることは言うまでもないわけですが、とにかく自分は、最初は意味不明な状況を笑うネタだと思っていたこのコントが、「面白さの発見」の要素も含んでいたことに「イソプロピルアンチピリン」ばりの興奮を覚えたという話でした。「ケンタウロスミノタウロス」の面白さから着想を得たのか、「AM11:00」の面白さから着想を得たのか個人的には気になりますが、とにかく、このコントが高度なことを行なっていたことは訴え続けないといけないと思いますね、ええ。