あんなにも絶賛されてたし、自分だって絶賛した島田珠代を、我々はもっと絶賛しなくてはいけないというお話

どうも、こんばんは、オルソンです。

 

 

 

えー、声優や俳優などに、「下手な芸人より面白い」という褒め方があるそうで。まあ、お笑いが好きな方々はこの表現を嫌う者が多いですが、一方で、そういう方も意外とA上がりのM迫や、T京03のK田などに対して、「下手な俳優より演技が上手い」と言っていたり、あるいはT原K弟辺りのネタに「下手な怪談より怖い」と言い出す様でありまして……………

 

 

「下手なお笑い芸人より面白い声優」「下手な俳優より演技が上手いお笑い芸人」「下手な怪談より怖い芸人のネタ」これらは全て、「不意打ち」でありまして…つまり「お笑い芸人は面白いはず」「怪談は怖いはず」というハードルがない無防備な状態で、俳優や声優を見るから「面白い」、無防備な状態で芸人のネタを見るから「怖い芸人のネタ」となるわけですが………そんななかで、「下手な芸人より面白い」の面白さを信じている番組が相席食堂なのであります…。

 

相席食堂、このブログでは何度か取り上げていますが、要はポンコツがロケに行く様を千鳥がゲラゲラ笑うという最悪なコンセプトの番組でございまして、いわゆるポンコツキャラだったり、ロケに行くことが想像つかないような方が行った方がウケが良く、逆に並の芸人が行くと変な感じに落ち着くという変な番組なのです。わかりやすく言うと、あの、かまいたち山内がちゃんとスベっていた番組なんです。一方で、一番ハネにハネて、名になったシーンは長州力の「食ってみな、飛ぶぞ」な訳です…。ポンコツキャラでない芸人で、なおかつ相席食堂で上手くいった芸人、それはアンガールズ田中以外に存在しないと言っても過言ではなかったわけです。そう、過言ではなかった、んです。あの、青田買いスペシャル2020までは………。

 

相席食堂という番組はちょこちょこ賞レースを行う。「街ブラ-1グランプリ」なる企画で街ブラさせてみたと思えば、「白塗り-1グランプリ」などというコウメ太夫やゴー⭐︎ジャスなどを「白塗り」で括って街ぶらさせる企画を行ったり、果ては、待てぃボタンを押す側の後釜を決める「千鳥のリザーバーオーディション」だったり……「青田買いスペシャル2020」は、そういう企画の一環として、何人かの有名人が短めのロケをして、千鳥が見て、さらに審査までする企画であった………。

 

そんな、青田買いスペシャル2020のトップバッターは……すいません、最後までちゃんと読めばタイトルの意味はわかるはずなので逃げないでください。お願いします、本当に。心の底からお願いします、マジで本当に。というわけで、トップバッターは森脇健児。少し前の「大悟とせいじのABC社内ロケ」で出たこともあり、大悟も「リスナーのお悩みを解決しないことで有名な人だ」と早速イジる。その後も、3回パンチする持ちギャグを多用し、挙句には、近くにいた添乗員に「何か3つ言ってください」と、持ちギャグの中身を決めさせる始末。

いわゆる、友達同士や仲間内で旅行に行ったら楽しい状態も傍目で見たらこんなもん、という芸人の現実と恐怖を突きつける結果となっており、終盤の何故か腕が取れたように見えるカメラワークまで、千鳥の2人はイライラを隠せず。

 

この次にロケしたのはアジャ・コングシルバニアファミリーを再現したというテーマパークの一角では、ナレーションベースで、おもちゃの車のハンドルを回したり、一斗缶を担いでベランダに出るだけで千鳥らの笑いをかっさらうという、自らの絵力を信じ切った笑いを見せつつ、「お腹が空いたんでどこか食べるところはないですか?」と添乗員に質問するなど、ロケ映像としての気遣いを一切忘れない。これには、千鳥の二人も絶賛し、「えみちゃんねるの後釜は痛快!あじゃチャンネルになる」、「グッディもアジャさんにやってほしい」と言い出す。まさに、アジャコングが「下手な芸人より面白い」状態に。さらに、この直前が、本当に「下手な芸人」だったこともアジャへの高評価に繋がったか、「森脇ィ!!!」

 

ここで、「ショーガール界の秘密兵器」を残して次週へ。次週の一発目はショーガール界の秘密兵器」、ブリアナ・ギガンデである。ここも、面白い顔をしっかり描くという荒技により、その場で面白いワードが出ずとも、アトラクションへのリアクションなどで笑いを誘う。「(メイクを)ここまでやり切ったら面白い」「こんなにウケようとしているのに、ウケようとしていない」など、千鳥の二人が大絶賛しまくってこのロケも終了した。

 

ロケスペックがド素人の「華」、まだあの騒動から立ち直れていない元気のなさを何故かマネージャーが補う「原田龍二」、そしてこの次の週では、ロケ先が個性的すぎて「誰が行っても一緒」「ディレクターがカメラ回せば済む」と一蹴されてしまった「紗倉まな」を経て、あの衝撃のシーンが待ち構えている………

 

 

そう、島田珠代」の登場である。出てきて最初は「一番しんどいのよ、ボケまくるから」「ツッコミ方未だにわからんもん」などと言っていた千鳥の2人だったが、開始3秒の「珠代パンティーテックス」を筆頭に、「ボインボインボイン」、「山あり谷あり沼地あり」など、数々のリズムギャグメドレーに大笑い。この時のロケ地であった、嵐山モンキーパークについては「階段が長い」と「猿がいる」くらいしか情報が入らず、そんな情報はそっちのけでギャグメドレーを披露。もしこれが王様のブランチだったら、例えどんなにスタジオの佐藤栞里が笑いすぎて箱から開けたてのニトリのベットのごとく折り畳まれた状態になっていようと、二度と呼ばれないであろう情報性のないロケであったが、ここは相席食堂。審査員たる千鳥の抱腹絶倒こそが正義に他ならない。結局、大悟はアジャコングと迷いつつ島田珠代を優勝させる。

 

この「島田珠代、街ブラ-1グランプリ優勝」に対し、島田珠代本人のみならず、我々はもっと大便乗して大イキりするくらいの絶賛・崇拝を見せなくてはならない。例えどんなに「そんな便乗はダサい」と周囲が指摘しようと絶対に、だ。島田珠代は、珠代パンティーテックスは、なぜかロケがめちゃくちゃ上手いアジャコングに、あまりにも素人なロケをする華に、すごい出しゃばり方で当人を支える原田龍二のマネージャーに、その他諸々の千鳥がイジることで「下手な芸人のネタより面白く」なっていたシーンに、ギャグメドレーという芸人としての地力一本で打ち勝ったのである。危うくアジャコングが絶賛され、アジャコングが芸人界で天下を取ってしまう事態を防いだのは「珠代パンティーテックス」に他ならないのである。我々はお笑いが好きなのであれば、この「お笑い芸人」の勝利を何度喜び、何度パンティーテックスを賞賛しても、喜び足りないし賞賛し足りないのである。ありがとう、島田珠代。ありがとう、パンティーテックス。本当にありがとう!

 

(おしまい)