「異世界はスマートフォンとともに」、それは私にとって革命的なアニメだった〜中編〜

  • 前回までのあらすじ

 

異世界はスマートフォンとともに」というアニメを4話まで見て、記事を書いたオルソンは、その虚無を極める姿に恐れおののき、小便を2L垂らしながら、一記事拵えてしまった…今回、8話まで見進めてしまった先に何を見たのか………

 

 

  • 本編

な〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んにも見ませんでしたとさ!

 

いや、見たんですよ8話まで。見たんですけどねえ…相変わらずキングオブ虚無優勝作品と呼ぶほかのない虚無が続いており、アニメを見たのに見ていないのと全く同じという状態が続いている。

この記事において、というより「異世界スマホ」に対しての「虚無」というのはけなしていない。と、いうのも、暗い作品や超展開の作品は見るのにエネルギーを使ったり、「何だったんだアレ…」と考えてしまったり*1するが、異世界スマホのように何のエネルギーも消費せずに見れ、見た後に何も余韻も残さない。これぞ真の「虚無」である。

もちろん、虚無の視聴は時間の無駄であり、我々には時間を無駄にしない権利がある。だから、オススメはするが無理強いはしない。私は時計仕掛けでもオレンジでもないから………。ただ、異世界スマホをオススメする記事として、異世界スマホは虚無だからこそ、ノンストレスで視聴できるようにこだわったアニメ作品である」ということだけはハッキリと主張させてほしい。どういうことか?簡単に言うと、何が起きるでもないくせに無駄にテンポがいいのだ。移動シーンやモンスターに襲われた村を復興するために魔法を使いまくるシーンなどはBGMベースでスパスパ飛ばされる。また、突然爵位をもらったと思ったら爵位授与式は何の例えでもなく2秒で終わって、爵位を辞退して屋敷をもらい、2分後にはその屋敷のメイドや執事や警備などが7人来たり、「城にモンスターを倒しに行くクエストをする回」である第5話は、ギルドなどではなくいきなり馬車による移動から始まり、行き先を最低限のセリフの会話から理解させようとしていたり……………とにかく、何も展開していないのに展開が速いのだ。この感覚はクセになるといえばクセになる。意味がわからない人は、もう、「異世界スマホ見てくれ」と言うほかない。

また、作中でストレスと言われがちな登場人物のカテゴリの筆頭である、変な足の引っ張り方をして主人公らを自滅に追い込む奴が一切いない。ストレスが出演しないからノンストレス、という当たり前の図式が成り立つ。この基準だと、異世界スマホサマーウォーズよりストレスが溜まりにくく、軽くサクサク見れる名作アニメ作品である、とすら言える。主人公がよろしくお願いすることも鼻血を出すことも大量の氷を片付けることも田舎の変なカルチャーを発射されることもなく、サクサクスパスパ苦難を飛び越えていく。それが異世界スマホだ。望月くん、少しは努力しよう!

このアニメがノンストレスなテンポを維持することで、もう一つ「本当の意味での一話完結」という概念を作り出した。通常、一話完結といわれる作品であっても、大元の設定が受け継がれるのはもちろん、話全体をつなぐ軸のようなストーリーがところどころ展開していく。しかし、異世界スマホに軸などない。7話で始まった冒険は7話の中で終わる、8話で始まったラブコメは8話で終わる。ときおり、次の話まで展開を引っ張る終わりかたをすることもあるが、次の話を見ると2分あれば解決しているので、見ること自体が時間の無駄なはずなのに、全く無駄がない。

さて、異世界スマホ本編の虚無ぶりだが、第5話「スライムキャッスル、そして新機能」という、女の服を溶かすスライムの根城に乗り込み、スマホの新機能で女のいる部屋の壁を透かすというポコチンが台本を書いた回を経て、スマホと魔法のシナジーがさらに強化。敵の居場所など、こっちの世界ではググって出るはずのないものが出るようになり、さらにスマホで居場所を調べた敵に遠隔攻撃をかませるようになるなど、向かうところ敵なしぶりが止まらない。それが異世界スマホだ!また、8話では魔法+魔法のコンボにより、ついに事実上のどこでもドア獲得に成功したぞ!

また、モデリング」なる魔法*2のぶっ壊れぶりも健在で、7話ではサクッと銃を3丁作ってパーティに配布するという、3Dプリンターが日本で使用されることによる懸念そのままの事案を発生させている。あと、6話でドラゴン倒すときのモデリングの使い方なんなんだ。ああいうの、コナンの理科の学習マンガで見たぞ。

 

 

  • あとがき

異世界スマホ、見て損するものは時間以外特にないアニメです。

 

 

 

 

*1:暗い作品で考えるのは教訓になりうるが、クソ作品で考え込むのは時間の無駄

*2:記事の前編においては「丸い木の板から将棋を作る魔法」として解説済み