「異世界はスマートフォンとともに」、それは私にとって革命的なアニメだった

どうも、こんばんは、オルソンです。

 

 

 

GYAO!で無料のアニメを見る乞食生活が捗りに捗り、今見ているアニメが「異世界はスマートフォンとともに」である。このアニメ、放送当時は、「内容が虚無」ということで酷評されていたアニメである…………というわけで、たまにはそういうアニメを見るのもいいでしょう。チャージマン研は面白かったし、どうせ今期そんなにアニメ見ないし…????

 

というわけで、見ているが、このアニメは本当に凄い。内容が水のように薄い。水のように薄いのでゴクゴク見れる。まだ4話までしか見ていないので、5話以降でとんでもない急カーブを迎える可能性はあるが、まさにアニメ界の上善如水といった趣のあるアニメである。何事も極めれば頂点に立てる、頂点に立てば話題になる。そんなわけで無を極めしアニメ「キングオブ虚無」についてまだ4話までしか見ていないが、そろそろ2話の配信が一旦終了するので紹介させてください。

 

異世界はスマートフォンとともに」(以下、異世界スマホ)がどのようなアニメであるか?タイトルから想像つくように、「少年がスマホを持って異世界転生する」というアニメである。そして、このアニメの「水のようなのどごし」はこの基本設定から薄皮1枚ネタバレしたところにあるから恐ろしい。

 

異世界スマホ1話は、望月冬夜という少年が神様と話し合うところからスタートする。神様曰く、冬夜は手違いで死んでしまった、と。なお、異世界モノあるあるであるトラックで轢かれるシーンなんぞないし、冬夜が現世でどんな高校生だったかなんて描写もない。というか、思い返せば、冬夜が高校生である確固たる証拠となるセリフすらない。それくらい望月冬夜という人間が現世でどういう人だったかという描写がない。なので、異世界での冒険を通じて少年が成長する描写もない。この作品には「人間」の性格があまりにも描写されていない。内容がないので、何の教訓も思想も説教もない。こんな見やすいアニメがあるだろうか?

 

さて、神様と話し合う望月。神様によると、一度死んだ人間は元の世界には戻れないらしい。だから異世界へ転送する。この、無茶苦茶な要求の条件として、神様は以下の3つを望月冬夜に付与することとしたのである…

1、記憶力や運動能力など、あらゆる機能の向上

2、全種類の魔法が使用できるようになる魔力の習得

3、スマホを無限に使用できるようにすること。

この3点である。大事なのは、このチート三本柱は神様がお詫びとして与えていることである。なので、「スマホ異世界に持っていっても充電器を持って行かなかったら終わりでは?」「充電器があっても向こうに100Vコンセントがなかったら終わりでは?」「そもそも携帯会社がなかったら永久に圏外では?」と言ったツッコミは全て「神様なめんなよ」で解決する。実際、「現世に干渉はできないが、見るだけならできる」「地図アプリは異世界のものを使えるようにしておいた」という神様のセリフもある。

 

さて、スマホを持って異世界に転生した望月冬夜くん。ここからどうなるかというと、スマホと魔法があれば万事解決するという無敵ゾーンに入ったっきり出てこなくなる。1話では原野にほっぽり出されるが、地図アプリによって難なく街へ出ることに成功。路地裏で大筋肉男の喧嘩という異世界ものあるあるに対しては神様によって身体能力が底上げされているので大筋肉男に勝利してお金や宿を確保、矢が刺さって死にかけた男や、長年不治の病にかかっている女を見れば、矢を取り出す魔法*1や不治の病を治す魔法を使って瞬時に解決し、その恩でド大金をもらうなど、やりたい放題を極めるのみのアニメである。地味に、スマホについては「詮索しないでもらえると助かる」と一言いえば周囲が途端に詮索をやめ、王家に不審がられて打ち首になるどころか早々に王家に取り入られているのもチートポイント高いところである。極めつけは、異世界あるあるの一つである「異世界語が読めない」という悩みも、1話で異世界にいる女に教えてもらうことになった描写ののち、記憶力が向上しているので2話目ではすでに本がスラスラ読めるようになっている始末。また、魔法の種類はとにかくめちゃくちゃ多いらしく、今後どれほどの魔法が出てくるか分かったものではない。個人的に、財宝と歴史的遺物を探すときの呪文が「サーチ財宝」と「サーチ歴史的遺物」だったのが一番面白かった。ちなみに、サーチは4話でもトンデモナイ使い方をされます!お楽しみに!

 

さて、異世界スマホを持っていくことの問題点としては、情報だけあっても実際にそれを活かして行動するのは難しいのでは?というものがあるが、それも魔法が解決している。それは、知力のスマホと実践の魔法といった形でまさにチートとチートがシナジーを生み出している。1話の時は、「異世界に存在しなかったアイスクリームを、レシピをスマホで調べたのち、氷の魔法で調理する」というものだったが、4話ともなると「魔法の力で丸い木の板が一瞬モザイクになってから将棋盤の形になり、異世界に将棋という遊びを持ち込んだ男になる」という有様である。

 

 

異世界冒険でありながら、主人公の成長譚となる気配もなければ、主要登場人物がモンスターに殺される気配もなく、ただただチート能力がぶん回され続けるアニメ。このアニメのチートぶりは凄まじく、ポケモン………いや、アンパンマンより、主人公がピンチになる時間が少ない*2この何の山場もないから何も感情も動かない、アニメ界の「粥」みたいな存在をみんなもゴクゴク飲み干してみないか?????

 

 

 

なお、「展開が薄すぎると見ていられない」という意見もあるが、今のGYAO!には映像を1.2倍、1.5倍、2倍で見れるHS機能が付いているので、自分の手でちょうどいい速さに展開を速めることができるぞ!やったね!

(おしまい)

 

*1:厳密には小さなものを自身の手元に瞬間移動させる魔法

*2:というか、「顔が濡れても大丈夫になったアンパンマン」や「3分経ってもカラータイマーが鳴らないウルトラマン」が、このアニメの主人公の状態である