金田一少年の事件簿「雪夜叉伝説殺人事件」のハサミの話

この記事は、金田一少年の事件簿の「雪夜叉伝説殺人事件」のネタバレを含みます!大丈夫な人だけ読んでください!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

というわけで、どうも、オルソンです。

 

GYAO!にてアニメ版金田一少年の事件簿が「視聴期限1週間で25話ずつ一挙配信」というウルトラハイペースで配信されている。見れる人は見ればいいのではないでしょうか、私は見切れません。

そんなわけで、サンデーマガジン50周年かなんかの触れ込みで、コナンと金田一が一緒になった本で読んだ記憶がある雪夜叉伝説殺人事件を見ることにした。絶対、読んだことない話を見たほうが合理的なんですが、それはさておき、こんな悲しい話でしたっけね。多分だけど、初めて読んだ時は「コナンと金田一だと事件ごとの尺の長さが違うんだから、コナンと金田一の分量が1:1なのおかしくないか?事件の分量が3:1になってるぞ?」くらいしか考えてなかったと思われる。

そんな、雪夜叉伝説殺人事件の中に税込7725円の左利き用ハサミというものが出てくる(画像はハサミではなくハサミのケースです)

f:id:EF_510_514:20200514034541p:image

このハサミから何がわかるのか?実は、GYAO!で現在配信されているアニメ版のOAは1998年である。そして、消費税が3%から5%となったのは1997年である。このことから、この左利き用ハサミはこの家の家主だったが10年前に事故死した氷室一聖が買ったものではない、つまり、氷室一聖は左利きではないのに、10年前に事故死した氷室一聖を装って10年間住み続けた男は左利きを装っていた(氷室一聖が左利きだと勘違いしていた)ということがわかる、という推理が金田一一の口から紡がれている。

……………ただ、ここで「待った」がかかる。と、いうのも先ほどの画像にもあるようにハサミの値札には「税込」としか書かれておらず、税率への言及はない。なのに、金田一少年はピタリと税率を言い当てられた。彼のことだから何か考えがありそうなもん(cv.明智警部)だが、その考えとは一体………???

と、ここで出てくるのが、消費税が5%から8%になった年の渋谷幕張高校の入試である。

https://m.youtube.com/watch?v=_BpS20hbqVc

数学にも時事問題ってあるもんですね、というわけで問題のように値段は整数になるので切り捨てだと出てこない値段があるということである。もしや、7725円も…?そうだとするとハサミにしてはなかなか法外な値段である理由も説明がつく…?????

というわけで、早速解いていく、前に問題を整理しよう。

なぜ、「7725円(税込)」だけで金田一一は消費税率が3%ではないとわかったのか?

→消費税率3%では税込価格が7725円にならない説

なお、この部分を書いているときはまだ計算していないが、原作の漫画が1993年発表であることや、アニメ基準の1998年に対しての10年前である1988年はギリギリ消費税が導入されていないことを考えると、「多分作者はそこまで考えてないと思うよ」オチが予想されるが、まあそこは頑張って乗り切ろうと思う。

まず、渋幕の問題では「小数点以下切り捨て」となっていたが、実際のルールはどうなっているのかを調べよう。すると、切り捨て切り上げ四捨五入のどれを売り値とするかは事業者が判断していいらしい。ということは、切り捨ての時は出てこない値が切り上げの時結局出てくることを示唆しており、どのような価格でも税込価格になり得ることがわかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いかがでしたか?

7725円(税込)が3%の時ありうるか調べたところ、事業者によってはあるかもしれないしないかもしれないということがわかりました!

今後も氷室一聖さんの活躍から目が離せませんね!

ここまでお読みいただきありがとうございました!チャンネル登録お願いします!

(おしまい)

 

 

 

 

 

 

……………でも、よく考えたら、1円でも安く売った方がお客様のためという考え方に基づくと、*1「切り捨て」一択だと思うので、「切り捨て」の場合を調べることにした。

切り捨ての場合を調べる、と決めてしまえば先述の渋幕の類題に過ぎないので、全く同じ方法で解いてみる。

税抜価格をn円とすると切り捨て前の税込価格は1.03n円となる。

1.03n=n+0.03nより、1.03n円を切り捨て後の税込価格は0.03nを切り捨てて整数にした値、つまり整数部分に注目すればいい。

0≦0.03n<1の時、0≦n<100/3なので

0〜33円の商品は税込価格でも0〜33円である。

1≦0.03n<2の時、100/3≦n<200/3なので

34〜66円の商品は税込価格が1円値上がる。よって、33円の商品の税込価格は33円だが、34円の商品の税込価格は35円である。よって、税込価格が34円の商品は竹下登政権下には存在しないことがわかる。

2≦0.03n<3の時、200/3≦n<100なので

67〜99円の商品は税込価格が2円値上がる。よって、税込価格が68円の商品は存在しない

3≦0.03n<4の時、100≦n<400/3なので、

100〜133円の商品は税込価格が3円値上がる。よって、税込価格が102円の商品は存在しない。

34、68、102と来たところで規則性が見えてきた気がしてならないが、今回の目的は消費税率3%のときに税込価格として現れない値段を調べることではなく、7725円が消費税率3%のときに税込価格として出てこないことを調べることである。なので、7725円を1.03で割ることで、税抜価格の目星をつけようと思う。

f:id:EF_510_514:20200514102736j:image

は?

f:id:EF_510_514:20200514102757j:image

地獄の夢か?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いかかでしたか?

調べてみた結果、7725円は普通に7500円に消費税3%を乗せた金額であることがわかりました!最初から調べておけば、こんなことにはならなかったので、最初から7725÷1.03をすべきでした!明智警部のように論理的な推理・思考が真実を遠ざけてしまうことがあるということが身をもって分かりました!皆さんも気をつけてくださいね!

そして、オルソンブログでは一言体験談を募集中!

原作の時は消費税率3%だったから左利き用ハサミの税込価格も7725円でよかったんだろうなと思った瞬間

あまりの悲しみに雪玉を丸めて墜落した飛行機に投げ続けることしかできなかった瞬間

「君のお母さんは…こんなこと望んでなかったんじゃないか?幸せに…生きて…生き抜いて欲しかったんじゃないか?」とかカッコよくキメるのはいいけど、ちゃんとしてくれというか数学の授業や勉強サボんなクソバカ野郎と思った瞬間

 

採用された方には、冬の山荘旅行にもってこい!5万3千円をプレゼント!どしどしご応募してください!(ここで明石家さんまの生首が刺さった指し棒が映る)

 

(おしまい)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………このまま終わると、私が読者に5万3千円(消費税率3%の場合税抜51457円)あげないといけなくなるし、一応消費税率5%パターンも考察しておこうと思う。この考察により、7725円が消費税率5%の時の税込価格としてありえない金額だった場合、「5%の消費税が乗っかった…」と思い切り啖呵を切っていた金田一一が、超絶面白迷探偵になる可能性があるので、どうか最後まで付き合っていただきたい。

3%でも5%でも8%でも解き方は一緒なのだが、結論が出ている以上この記事のこの部分に、引きは乏しいので、せめてものサービス精神で、別解を提示しようと思う。では、「消費税率5%の時、7725円は税込価格として存在するのか?」解いてみよう。

税抜価格をn円とすると、切り捨て前の税込価格は1.05n円、すなわち21n/20円である。

このことから税抜価格が20の倍数の場合、切り捨て前の税込価格が整数になるので、切り捨てするまでもなくその整数が実際の税込価格となることがわかる。では、税抜価格が20で割り切れない場合はというと、nを20で割った商がp、あまりがrの時、

n=20p+r            なので、切り捨て前税込価格は

1.05n=21p+1.05r

となり、1.05nを切り捨てて整数にする場合、1.05rのことだけ考えれば良い。そして、rはnを20で割ったあまりなので、0〜19までの20パターンしか取り得ない。20パターンくらいならExcelで関数設定してガーッとやってビャーってやらんでも手計算上等だと思うんですがどうでしょう?*2

というわけでやってみると

税抜20p円→税込21p円

税抜20p+1円→1.05倍で21n+1.05円より税込21p+1円

税抜20p+2円→税込21p+2円

税抜20p+3円→税込21p+3円

税抜20p+4円→税込21p+4円

税抜20p+5円→税込21p+5円

税抜20p+6円→税込21p+6円

税抜20p+7円→税込21p+7円

税抜20p+8円→税込21p+8円

税抜20p+9円→税込21p+9円

税抜20p+10円→税込21p+10円

税抜20p+11円→税込21p+11円

税抜20p+12円→税込21p+12円

税抜20p+13円→税込21p+13円

税抜20p+14円→税込21p+14円

税抜20p+15円→税込21p+15円

税抜20p+16円→税込21p+16円

税抜20p+17円→税込21p+17円

税抜20p+18円→税込21p+18円

税抜20p+19円→税込21p+19円

 

よって、税込価格として存在しないのは21p+20円、つまり21で割ったあまりが20である金額が、存在しない税込価格である。

何か、こっちの解き方の方が冗長で離脱率が上がりそうだが、一般化してしまったのであとは7725は21で割ったあまりが20ならば左利き用ハサミの消費税率は5%ではない、ということである!「mod」という関数が使える関数電卓を使えば一発で結論は出るぜ!GO!GO!GO!

f:id:EF_510_514:20200514111709j:image

お前、雪だるまの中にぶち込むぞ。

 

 

 

というわけで…

 

 

 

 

いかがでしたか?

アニメ版の雪夜叉伝説殺人事件は偽氷室一聖は1989年4月から1997年3月31日までに税抜価格7500円の左利き用ハサミを購入したのか、1997年4月1日から1998年2月*3までに税抜価格7358円の左利き用ハサミを購入したのかという、2通りの解釈が楽しめる作品であることがわかりました!

アニメ化に伴い、ただ動いて声がつくだけでない形で原作以上の深みを増すことに成功したアニメ化担当スタッフには頭が上がりませんね!

(本当におしまい)

 

*1:事業者が納める消費税額は100の位の概数となるため、商品の値段を消費税のために1円上げたところで事業者が納める消費税額は変化しにくい。「しにくい」という曖昧な書き方をしたのはちりつも理論に起因している

*2:この解法を税率3%でやろうとすると、1.03は103/100から約分できないので税抜価格nを100で割ったあまりによって100パターンの計算が必要になる

*3:アニメのOA日より