恋する小惑星をダイレクトマーケティングして、技術大国ニッポンを取り戻したいんじゃ!(前編)

  • まえがき

内容はタイトルの通りです。テレビ千鳥とは何の関係もないです、恋する小惑星とはめちゃくちゃ関係があります。

恋する小惑星…子供の時に「小惑星を見つける」という約束をしたみらとあお。2人は星咲高校地学部で、偶然再会を果たす。天体のみならず、地質とも出会った2人…みらとあおを通して天体とも出会う元地質部員たち…。そんな地学部員の日常を描いたアニメ。星空などの作画は非常に綺麗だが、「ストリートビューを作画の参考にしたためか道路に書いてある文字をそのまま書いてしまう」、「部室の貼り紙がいつの間にか逆転している」など本質と無関係な細かいへマが多い。原作の漫画はまんがタイムきららキャラットで連載中!

たかがアニメと思わないでほしい。高校生の、それもけして偏差値の低くなさそうな高校生の会話がアニメになったともなれば、理科を中心にあらゆる科目において知識が身につく。これはそういう素晴らしいアニメなのだ。というわけでこの記事と恋する小惑星を通して、みんなで勉強し、学力を高め、技術大国ニッポンを取り戻し、日本経済を回しましょう!というのがこの記事の狙いである。ちなみに、私は学生時代コツコツと勉強をし、知識と知力を高めてきたので、上記の紹介文は一切公式サイトなどを調べずに数分で書きました。偉いでしょ*1

なお、「アニメで知識が身につくはずない」「イキリオタク乙」など言ってくる輩がいるかもしれませんが、そういう輩は、ここで置いて行きます。言いたい奴には言わしとけ、俺は目ん玉と海底の構造をドラえもんで覚えた男だぞ。

 

  • OP映像

・春の星座

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OPのロゴが出る部分は星を結ぶ直線があることからもわかるように、実際の星座、それも春の星座を参考にしている。なお、第5話で星座のパターンが変化しており、そういったところからもこの記事がいかほどの物量を誇るハメになるかは、推して知るべスター・スタローンと言える。

春の星座としては、黄色く表されている春の大曲線があるほか、かに座やしし座などがよく見える。なお、かに座もしし座も本編とアイキャッチに出てくるため、この段階でどれがしし座でどれがかに座かわからなくても、春の大曲線が全天のどこにあるのかわからなくても、何ら問題はない。

 

・星座早見

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地球は自転しているため恒星は動いて見える(惑星と異なり、恒星自体はほぼ動いていない)。つまり、恒星は丸一日経つと大体同じ場所に見える。「大体」である理由は地球が公転しているからだ。というわけで、実際に全く同じ場所に星が見えるのは丸一年後…ということになるが、実はそうではない。

丸一年経つと同じ場所に星が来る、ということは、一ヶ月あたり360÷12=30°だけ東から西に動く。一方、公転を考えなければ丸一日経つと同じ場所に星が来るということは、一時間あたり360÷24=15°だけ東から西に動く(実際には一方向に星は回転しているように見える。回転の向きは下画像のように反時計回りなので、北の低い空では西から東に動いて見える)。

この2つを考えると実は「今日の午後9時と来月の午後7時は全く同じ位置に星が見える」という理論が成り立つ(下画像参照)。

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これを利用した道具が星座早見。板を回して、月と時間を合わせるとその時見える星座とその位置がわかるのだ。

なお、星座早見には地面から星を見た様子が書かれているため、東西が逆になっているのに注意。

 

・きぼう

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きぼうは日本初の有人宇宙実験施設であり、国際宇宙ステーションの一部である。国際宇宙ステーションアメリカ、ロシア、カナダなども協力して作られた宇宙の観測や宇宙環境での実験を行うための施設である。地球の周りを回る人工衛星として、地球の赤道に対して51.6度の角度で飛行し、その公転周期は約90分である。

なお、国際宇宙ステーションの位置は上空約400km。以前、トリビアの泉で「宇宙までの距離は東京〜熱海と同じくらい」*2というのをやっていたが、400kmというと東京〜名古屋の少し先くらい。宇宙は近いようで最も遠いのである。

 

・宵いの明星

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宵いの明星は、OP映像に終盤の下校風景に写っているひときわ明るい星であり、夕方ごろに見える金星を指す。

第3話に示されているみらの部屋のポスターが表しているように金星は地球同様太陽を焦点とする楕円(太陽が中心、ではない)の軌道を描いており、水星と金星は地球より内側を通っている(下画像参照)。

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夜空に見える星は、太陽が照ると太陽の明るさに星がかき消され、地球上からは見えにくくなる。しかし、水星と金星が太陽から地球の裏側に来ることはないため、夜空に水星と金星が見えることはない。よって、水星および金星は、明け方と夕方にのみ観測される。このうち、夕方に観測される金星を宵いの明星と呼ぶ。

 

・秋の星座

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5話からはOPの星座のパターンが変化している。いや、夏わい!とは思うがとにかく変化している。

「Love」の上あたりの四角形を含む星座はペガスス座であり、四角形自体は「秋の四辺形」と呼ばれる。また、この作品の軸の一つである「くじら座」や、十二星座の一つであるためどうせ後述することになる「おひつじ座」などもこの画像中に含まれている。

 

アイキャッチ黄道十二星座が採用されている。おそらく、アニメも12話だからちょうどいいという理由で採用されたシステムであり、氷菓という2クールアニメが二十四節気アイキャッチとしていたのに近い。

黄道十二星座とは平たく言えば「星占いで出てくる12種類の星座」のことである。黄道とは地球から見上げた時に太陽が通って見える部分を1年分表したもの。地球が公転しているために太陽は日々昇る位置や沈む位置や高度が違って見えるが、その変化を1年分記録した太陽の通り道が黄道である。そして、黄道十二星座とは黄道上にある星を指し、星占いで使われる星座ごとの期間(やぎ座だったら12/22〜1/19とかそういうの)はその星座が黄道上で太陽と重なる時期を指している。そのため星占いでその時期と定められている星座は、その時期になると太陽と重なっているため眩しすぎて見えなくなる。

・ふたご座(第1話:5/21~6/21)

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ふたご座はオリオン座などに隣接して見え、冬によく見える星座。ポルックスという一等星とカストルという二等星(一等二等は明るさを示す指標。後述)から下に垂れる形状が特徴的。

 

・いて座(第2話:11/22~12/21)

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いて座は夏に見える星座。さそり座を射るような位置にあることから「さそりが暴れないよう見張っている」という設定がある。

また、いて座の射手の胴体部分のスプーン型の部分は「南斗六星」と呼ばれている。

 

おとめ座(第3話:8/23~9/22)

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おとめ座は春に見える星座。スピカという一等星は青く光る星の代表格である。

 


・しし座(第4話:7/23~8/22)

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しし座も春に見える星座。おとめ座のスピカとしし座のレグルス、そしてうしかい座アルクトゥルス(後述)をつなげると春の大三角形ができる。

 


・かに座(第5話:6/22~7/22)

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かに座は春に見られる星座であるが、3.5等級以下の星から構成されており、本編でも言われているように全体的に非常に暗い。その上、サイズも小さいため見つける難易度の高い星座である。

 


・さそり座(第6話:10/24~11/21)

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さそり座は夏に見られる星座である。日本ではさほど高度が高くならず、「大三角」などに絡まないが、神話に残されているオリオン座との対立関係(後述)や、おうし座の男性歌手であるM川K一が紅白歌合戦で歌うこと………

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そして、何より、アンタレスという一等星が非常に赤くて美しいことなどから有名な星座である。

 

  • 第1話

くじら座

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くじら座は秋頃に南の空に見える星*3本編で言われている通り、ミラという星は、星自体が膨張と収縮を繰り返し、それに合わせて明るさが約332日の周期で変化する星である。

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なお、第3話冒頭でみらの部屋に飾られているポスターはくじら座である。

 

木星

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地球の10倍近い直径を持つ、太陽系最大の惑星。地球と異なり、惑星のほとんどが水素やヘリウムなどのガスでできている。木星として視認できる部分も大気であり、作中で触れられると同時に我々の惑星のイメージを担っている「縞々」も空気の流れによって見える雲のようなものである。

また、作中で触れられているように実は輪っかがある。この輪っかは1979年にボイジャー1号という探査機によって発見されたものである。微小な塵が回っているのだという。

ちなみに、「月にようなもの50個くらいあるという発言について。月のようなものとは「月のように惑星の周りを回っている星」ということだと思われるが、そういった星のことを衛星と呼ぶ。そして木星の衛星は2018年9月に12個一挙に発見されて、79個になるなど今なお数を増やし続けており、発見しきれていないものと思われる。

 

・西の空に水星

水星は夕方に西の空、あるいは明け方に東の空にしか観測されないのは先述の通り。しかも、水星も公転している。

水星は太陽に対して地球側を公転する星である。そのため、「宵いの明星」の項目通り、真昼および真夜中に見ることはできない星であるといえる。

 

・朝方に明るく見える金星

金星が明け方および夕方にしか見えないのは先述の通り。また、夕方の金星が「宵いの明星」というのを言ったが、明け方に見える金星は「明けの明星」という。

また、「-4等星」という風に言及されていたので星の等級の話もしておこう。星の等級は、星座を形成する恒星で最も明るく見える星である「シリウス」を1等星として明るさを決めたもので、n等星がn-1等星になると明るさは約2.51倍になる。この2.51という数字は、「1等星が6等星の100倍の明るさになるように」という形で定められている(2.51^5=99.6250626…)。なお、この時の明るさは「星そのものの明るさ」ではなく「地球上から見える明るさ」を表している。また、「星座を形成する恒星で最も明るい星であるシリウス」が1等星であるため、希少な例であるが、1等星より明るく見える星は等級が0や負になることがある。

例えば、本編で出てきたように金星は-4等級(惑星なのもあって日によるでしょうけど)、太陽は-26.7等級、国際宇宙ステーションの最大の明るさは-4.7等級である。

また、第1話冒頭のくじら座ミラは2等星から10等星まで明るさが変わる。最も明るい時は、最も暗い時に比べて明るさが約2.51^8≒1575倍違うということである。

 

・口径30メートル望遠鏡

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口径とは、ここでは、対物レンズ*4の直径のこと。それが30メートルの望遠鏡を口径30メートル望遠鏡という。アメリカ、カナダ、中国、インド、日本の5カ国が協力し、建設費は18億ドル(2020年2月20日のレートで換算すると、約2016億円。固定相場制時代で換算すると約6048億円)。さらに、ハワイのマウナケア山頂に建設される予定だが、地元民と揉めすぎて建設予定が6年長引くなど、到底高校の部活が手を出していい代物ではない。ただし、かの有名な「すばる望遠鏡」より13倍高い集光能力と4倍高い解像度を誇るため実際に導入できれば小惑星発見は非常に容易になるだろう。

 

・偏光顕微鏡

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偏光というのは光が作り出す電磁場の振動に規則性がある光のこと。自然光のような規則性のない光ではなく偏光を当て、その光の屈折(光がガラスや水などの透明な固体や液体を通った時に折れ曲がること)の特性を可視化することで、試料ごとの区別をつきやすくしているのが偏光顕微鏡である。特殊な顕微鏡ということで鉱物学において特に多用されるという。

なお、下の方に出ている岩石(デイ岩、チャート、安山岩)はどうせ後々紹介するので一旦割愛。

 

・地質図

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地表のうち建造物や表土を取り除いたすぐ下の部分が何でできているかを表すのが地質であり、それを色分けなどで説明したものが地質図である。地質がわかると地盤の硬さなどはもちろん、地震の起こりやすさ、水はけの良し悪しなどがわかる。

 

・火成岩

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火成岩は岩のでき方による分類の一つ。地下深くに液体として存在するマグマが地表付近に出ることで冷やされてできた岩石である。なお、さきほど解説をカットした安山岩も火成岩。

 

・オリオン座

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オリオン座は、日本の太平洋側においては、最も空気が澄んでいて晴れることが多い冬の時期の星座であることや、三つ並んでいるという特徴的な形、一等星を2つ含む視認性などから、おそらく日本で最も見つけやすい星座であると思われる。実際、日本ではオリオン座を「鼓星」と呼んでいたという記録も残っている。

ギリシャ神話では、オリオンはサソリに殺されたためオリオン座はさそり座とともに出ることはない、というのも有名な話。

 

 

  • 第2話

・河原

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河原は川沿いにできる小石が溜まっている地形のこと。この小石は川の流れに乗ってきたものであるため、水流により削られ、丸みを帯びがちなのが特徴。

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一般にカーブはアウトコースよりインコースの方が短い*5。一方、水流は同じ速さを保とうとするため、アウトコース側を通る方が速く流れる。そのため、流れが遅くなるインコース側には水流によって運ばれた石が留まりやすい。つまり、河原が形成されやすい。

 

・チャート

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放散虫や海綿動物などの先カンブリア時代の海中のプランクトンの化石が地中で固まってできた岩石である。

小石が地中で固まって岩石になるというのは、よくある岩石のでき方であり、そのようにできた岩石を堆積岩と呼ぶ。

小さい生物からなる堆積岩として石灰岩と対称されがちだが、チャートの主成分は二酸化ケイ素であるため、非常に硬く、塩酸をかけても溶けたり二酸化炭素が発生したりしない。

なお、画像がややこしいかもしれないが食用の岩石ではない。

 

安山岩

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安山岩は火成岩の一種であり、シンカンセンハカリアゲの「ア」担当である*6

「シンカンセンハカリアゲ」とは?

シン→深成岩

カン→花崗岩

セン→閃緑岩

ハ→ハンレイ岩

 

カ→火山岩

リ→流紋岩

ア→安山岩

ゲ→玄武岩

の語呂合わせ。どれが深成岩(地下深くでゆっくりと冷え固まった火成岩)で、火山岩(火山付近、いわば地下浅くで速く固まったもの。

どれが深成岩でどれが火山岩か覚えられるのはもちろん、実は語呂合わせが進むほど有色鉱物が多くなり、黒っぽくなることまで覚えられる(例えば、安山岩火山岩であり、花崗岩より黒く、玄武岩より白い、など。)

なお、火山岩は固まる速度が速いため、結晶が大きくなりにくい性質があり、実は「偏光顕微鏡」の項で紹介した画像ではそこが忠実に現れている。

 

・泥岩

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カタカナで「デイ岩」とも書きがち。泥岩は泥の粒が固まってできた堆積岩。泥の定義は直径1/16mm以下であること。それより大きく、直径2mm以下のものを砂、2mm以上のものをレキという。

直径>2mm→レキ

2mm>直径>1/16mm→砂

1/16mm>直径→泥

レキが堆積したものはレキ岩、砂が堆積したものは砂岩、泥が堆積したものは泥岩となる。覚えやすさに定評がある。

なお、レキ砂泥が堆積する場所は水流と関わりがあるため、河原の石同様、前述の3種の堆積岩およびそれを構成する粒は丸みを帯びている。裏を返すと、火成岩は粒が角ばりがちなのだが、火成岩が水流の影響を受けた場合は当然丸みを帯びる。

 

・ハチマキ石

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成分が変わると石の色も変わる。つまり、一つの石の中に2色あるということは2種類の成分から構成されている。ハチマキ石は岩の割れ目に別の岩が入り込んだり、岩が層状に堆積した部分が石になったりしてできる石である。「持っていると願い事が叶う」とも「家に置くと親を巻き殺す」とも言われている。こういうのはいい方を信じた方が得策だが、「親を巻き殺す」の変に理にかなってる具体性が怖い。

 

・日周運動

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望遠鏡で星をしても、しばらくすると星が望遠鏡の視野から外れてしまう。これは星の日周運動によるものである。

日周運動は星座早見のところでも紹介したもので、太陽が東から西へ動く現象…いや、キッチリ正確に言うと「地球が自転しているために太陽を含む恒星などが動いているように見える現象」のことを指す。星座早見のところで紹介した通り、実際に動いていない恒星相手には「1日、つまり24時間で1回転することから時速15度で反時計回りに動いて見える」という風に説明できる。

しかし、惑星相手となると話が変わる。なぜなら、惑星は地球同様、恒星の周りを公転する星。つまり、惑星は、地球の自転による日周運動もするが、実際に動いてもいる。そのため、日によっては西から東に進むことすらあるなど、非常に複雑な動きをする。

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惑星の公転(赤線で表された部分)が地球の自転(紫線で表された部分)より大きい時、惑星は地球の自転による東から西への日周運動を抜き去り、前の時間より東に動いて見えることが起こりうる。恒星は公転しないのでこんなことは起きない。

惑星の複雑な動き、は地動説を裏付ける証拠の一つとなったと言われている(天動説ではあり得ないくらい複雑な動きだが、地動説を仮定することで簡単に説明できたため)。

 

・北斗七星

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北斗七星は、「ブルートレイン北斗星」や「北斗神拳」などのモチーフになった七つの星の並びだが、星座としてはあくまで「おおぐま座の一部」という扱いである。「柄杓型」として習うが、その時の生徒は柄杓を知らながちである。

名前の通り北の空に見える星で、最もよく見える季節は春。柄杓の水が入る側の先端二つの星を1:6に外分した点が北極星(どうせ後々出てきそうなのだが、常に真北にある星)になるため、方位を知ることもできる。

また、柄杓の持つ側から数えて2番目の星をミザールといい、2等星だが、このすぐ下にアルコルという4等星がある。2等星のすぐ下にある4等星とあって肉眼での視認はやや困難であり、だからこそ「視力検査に使える」という本編のセリフにつながってくるのである。

このほか、ふたご座、おうし座なども、本編で観測された春の星座として有名なものである。

 

うしかい座

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うしかい座も春に北の空で見られる星座である。北斗七星の「柄杓の柄にあたる部分」を伸ばして作る春の大曲線(1〜4話のOPのロゴが出るところで描かれていたやつ)の延長線上に、アルクトゥルスという、うしかい座の一等星がある。さらに伸ばすとふたご座のスピカがある。

また、しし座一等星のレグルスと、スピカとアルクトゥルスを結んだ三角形を春の大三角とも呼ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

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………と、本編でも解説されている辺り、この記事の存在意義が揺らぎに揺らぐところである。

 

ガリレオ衛星

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木星の衛星でその名の通り、ガリレオが発見した4つのことを指す。名前はイオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト57個ある木星の衛星の中では群を抜いて大きく、1600年代初頭のガリレオの手製望遠鏡で観測できるほど大きい。

ガリレオガリレオ衛星の発見と観測の結果、「木星の周りを回っている星がある」という結論を見出し、これを「自分たちの住む星も動いている可能性が高いとする説」すなわち「地動説」の証拠の一つとすることにした。

 

ガウス

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本編ではベスタという小惑星命名者として登場。ベスタは火星と木星の間にある小惑星帯の中では4番目に発見された小惑星である。発見者はハインリヒ・オルバース。小惑星隊の中で2番目に発見された小惑星であるパラスの発見者と同一人物である。

ガウスはここでは惑星の命名者だが、数学的偉業の方がイメージとして大きいだろう。正規分布のことを「ガウス分布」と呼んだり、複素数平面を「ガウス平面」と呼んだり、〔〕という、ある数を超えない最大の整数を表す記号をガウス記号と呼んだりと、高校数学では馴染みが深い。また、ガウスは「幼少期に先生が自習課題として出した『1から100までの和を出す』という問題を工夫して瞬時に出したことがある」というエピソードがあり、このエピソードは「等差数列の和の公式」の考え方の基礎となっている。

 

・こと座流星群

ある一点から放射状に出ているように見える流星のことであり、〇〇座流星群というと、流星の出てくる点がその星座内にあることを指す。

流星の元になるのは彗星から放出されるチリ(詳しくは第3話にて後述)であることが多い。

 

・誕生石

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それぞれの月あるいは日付に合わせて設定されている石。自らの誕生月や誕生日に合わせた誕生石を携帯しておくと、石による加護を受けられると言われている。元々は聖書がルーツらしいが、今日に伝わる誕生石は、宝石商組合とかいう汚い大人たちによって、多少マーケティング的に荒らされているものだという。

 

・塩化物泉

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塩化物を多く含む温泉のこと。塩化物は硫黄泉に含まれる硫化水素や酸性泉に含まれる硫酸などと違い、常温常圧で固体であることが多い。つまり、「結晶が皮膚に付着するために蒸発を防ぎ保温効果がある」という発言は間違っていないだろう。

塩化物として有名なのは食塩の主成分である塩化ナトリウムである。塩化ナトリウムはもちろん海水に多く溶け込んでいる。海水が地殻変動などにより地下に閉じ込められたものが作中で「化石海水」と呼ばれているものである。千葉や東京など、関東平野の沿岸部にある温泉には化石海水によるものが少なくない。

 

・硫黄泉

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いわゆる「硫黄の匂いがする温泉」のこと………と言いたいところだが、いわゆる腐った卵のような「硫黄の匂い」は硫化水素によるものであり、硫化水素ではない状態(チオ硫酸イオンなど)の硫黄が多いために腐乱臭がしない硫黄泉もある。ただし、硫化水素は火山ガスに含まれるほか、一部の細菌が呼吸によって生み出すため、火山に近い温泉は硫黄の匂いがする硫黄泉となる傾向が強いが、火山に近くなくとも硫黄泉は出る。厳密な定義は「湯1Kg中に総硫黄を2mg以上含むもの。なお、総硫黄は硫化水素硫化水素イオン、チオ硫酸イオンの総量の和」。効能はリウマチ、糖尿病などに効くことが多い。

 

・酸性泉とpH

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その名の通り酸性の湯が出る温泉のこと。厳密な定義は「温泉水1kg中に1mg以上の水素イオンが含まれるもの」。塩化水素や硫酸を含み、殺菌・抗菌作用が強いという特徴を持つ反面、作中で言及されている通り、傷口に沁みたり、皮膚の弱い人が入るとただれてしまったりする。また、酸性泉で有名な草津から流れる吾妻川は、川の水が酸性となるため鉄やコンクリートをも溶かす「死の川」と呼ばれていたが、砕いた石灰(校庭のライン引きとして知られる)を水に溶かし石灰水にして川に流すという方法により中性化している。

なお、酸性泉の定義からもわかるように、酸性度というのは水素イオン濃度によって定義される。そしてpHというのは、「水素イオンのモル濃度*7が0.1の何乗か?」によって定義されている。例えばpH3といえば、「水素イオン濃度が0.1^3mol/L=0.001mol/L」ということを表している。なお、「p<qならば0.1^p>0.1^q」である*8ため、酸性度が高くなるとpHは下がる。そのため作中のセリフである「(酸性泉の)pH1.2ってことはレモン以上ね!」というセリフは、酸性度がレモン以上ということは、pHはレモン以下ということを示すため少しややこしい。なお、レモン汁のpHはおおよそ2。酢がpH3程度。

 

  • 第3話

・彗星

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本編の第3話冒頭で、ジョンソン彗星、パンスターズ彗星、タットルジャコビニクレサーク彗星の3種類の彗星が出てきたので、彗星の話をしておこう。

彗星は小惑星のうち、尾ができているものを指す。この定義のために、遠くにあるうちは小惑星と思われていたが、後の観測により彗星とわかることもある。

彗星の主原料は氷であり、その氷はチリやガスを含むため、太陽に近づいて氷が溶けるとそれらが放出される。これが彗星の尾の正体である。なお、本編にあった3種の彗星は全て2011年に接近した彗星という共通点がある。

なお、彗星が地球上の酸素を奪うということはないため、彗星が地球に接近するからといって自転車のチューブを買い占める必要はない。

 

・x=v0t+1/2at^2

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xを動いた距離、tを秒数、aを加速度、V0を初速とした時、等加速度直線運動(加速度が加速度が等しい状態で同じ向きに直線運動すること)する物体が動いた距離xをt、a、V0で表した式。高校2年生になると履修する「微分積分」を知らないと丸暗記するハメになるのに、高1物理の序盤で出てくるため多くの文字式嫌いを文系や化生選択に追いやったとか追いやってないとか。

このまま歌って丸暗記で済ますのも寂しいので、微分積分に触れそうで触れない少し触れるラー油程度に説明しよう。

まず、速度と加速度とは何か?それぞれ、「距離の変化の割合」、「速度の変化の割合」と定義できる。例えば「太郎くんは分速100mで家から学校に向かいました」というのは「太郎くんと家の距離が1分あたり100m変化している」と言い換えられる。

変化の割合というのは(yの変化量)/(xの変化量)という公式がある。公式があるというかxが1変化する時のyの変化量が「変化の割合」だから当たり前である。xを時間、yを距離とすると速さが(yの変化量)/(xの変化量)で表せるのも当然と言える。例えば3時間経って距離が6km変化したら時速2kmでしょう?

この公式を使ってy=1/2ax^2+bxとしてxがpからqに変化する時の変化の割合を求めてみよう。

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しかし、速度計に出る速度(瞬間の速さという)はその瞬間の速さ(しつこいようだが速さは変化の割合)が欲しい。具体的にいうとpとqの差をできる限り小さくしたい、もっというとq=pを先ほどの式にぶち込んでやりたいのだ。先ほどの式にぶち込むと…

ap+b

という式ができる。これが何を表しているか?それはx=pの時の瞬間の変化の割合がap+bで表せる関数はy=1/2x^2+bxということを表している。また、x=pにおけるax+bの変化の割合はaである。そしてここまでの話をまとめると、こうなる。

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よって等加速度直線運動に関する公式が証明できた。

 

・v^2-v0^2=2ax

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先ほど得られた式の通り、等加速度直線運動する物体のt秒後の速度vはat+V0と表せる。また、xは距離なので先述の式で表せる。この2つの式を用いて代入からのガタガタ式変形という高校数学の公式証明にありがちな原始的手法を用いると見出しの等式が得られる。

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この式を利用すると、秒数tがなくとも、速度vや加速度v0、加速度aや距離xを得ることができるのだ!…という公式。便利そうですね。私は文字式嫌いすぎて化生選択に追いやられた側なのでよくわかりませんが…。

 

・柱状節理

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節理とは岩石にできた割れ目のうち、割れてはいるが高低差はないもの*9を指す。そんな節理のうち、柱状のものが柱状節理である。日本では東尋坊、層雲峡、高千穂峡などが有名である。

柱状節理は正六角形ができがちであり、だからこそみらは正六角形のパンを積んで遊んでいる。正六角形は「平面に隙間なく充填できる図形のうち、最も周の長さに対する面積の割合が大きい図形」であり、これを利用し正六角形を並べた構造をハニカム構造と呼ぶ。柱状節理、というよりあらゆる摂理ができる理由は「固体と液体の体積の差」であり、液体のマグマが凝固するときに収縮するために岩が割れるのであるが、その時、最も少ないエネルギー効率で割れ目を作ろうとする→最も面積に対して割れ目が短くなるような割れ方をする→ハニカム構造ができる、というわけである。

ハニカム構造は新幹線やサッカーのゴールネットなどに応用されているほか、ミツバチもハニカム構造によって巣を効率的に作っていることが知られている。

 

食品衛生法

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食品衛生法は昭和22年法律第233号として定められた法律で、食品添加物や食品の生産販売ラインなど様々な観点から安全な食品生産を遂行させ、消費者の安全を保障する法律である。

食品は口に入るものであるために他の製品以上に厳しい安全性が要求される。特に細菌は人間の皮膚や口腔内に常在しているうえに、食品を栄養として盛んに成長するものも少なくなく、それでいて目に見えないため、混入しないようにする処理が極めて丁寧に行われる必要があるのだ。

 

・川越

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川越は埼玉県東部に位置し、東武東上線川越線がなどが伸びているのでベッドタウンと呼べないこともない都市である。川越藩という大名がいたことによって栄えた城下町であり、江戸時代以前は江戸より栄えていたこともあるという。

蔵づくりと呼ばれる漆喰などによる家が多いが、これは明治26年の大火がきっかけであり、今日も昔ながらの蔵づくりの家が建ち並び、「小江戸」と呼ばれ、観光地人気も高い。なぜこんなにクセが凄いところを聖地にしたのかは謎である。

 

・飛び地

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飛び地とは、市町村や県や国などの領土が地理的に分離している部分、すなわち飛んでいる部分を指す。世界最大の飛び地はアラスカである。

川越市付近に飛び地があるのか調べてみると「握津図書館」という場所が出てくる。これはもう図書館としては稼働していない、いわば史跡。大正時代の荒川改修工事によって住民が移住をし、完全に空き地として取り残された集落であり、荒川の東側ながら、住所がさいたま市ではなく川越市である。この飛び地は完全に集落跡なので本編に出てきた飛び地とは空気があまりに異なる。また、さいたま市の隣接部分にあるという点も地理的に無理が出てくる。

また、圏央鶴ヶ島IC付近の川越市鶴ヶ島市の市境も複雑だがこれは何だかんだありまして、飛び地じゃないっぽい。

 

  • 第4話

・地質標本館

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つくば市にある博物館。地質図や化石や地震計など、地面に関するものを飾っている博物館。興味がある方は行ってみよう!(2020年2月現在、コロナウィルスの影響で閉館中です)

・化石

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化石は生物の骨が長い年月をかけて石になったもの。もちろん、昔どのような生物が生きていたかを示す証拠となる。

作中のセリフ通り死骸が微生物により分解されてしまうと化石ができないため、化石として残るためにはすぐに堆積する、あるいは低酸素の環境下で死骸となる必要がある。土中に埋もれた骨は、高圧で押されることで骨に鉱物の成分が侵入し置換される。

なお、陸上より水中の方が土の流れがあるために「すぐに堆積する」という条件を満たしやすい。また、水流によって死骸が溜まりやすい部分だった場所は大量に化石が出やすく、恐竜の墓場と呼ばれたこともあるという。

 

・数週間でできる化石

作中で言及されている「化石が数週間でできるものもある」という研究。これは2015年9月ごろに発表された名大の研究のことのようだ。

貝類の殻の化石はノジュールという硬い石の中に入っていることが多いという。そこで、このノジュールの成分や年代などを測定した結果、「ノジュールの原料は貝類の身の部分であること」と「身の部分が土中に拡散し、ノジュールになる(石化する)のには数週間程度しかかからない」という研究結果が出た。2015年の研究まで抑えているとは…恐るべし…

 

・孔雀石

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孔雀石は銅鉱石が空気に触れてできた鉱石。名前の通り孔雀のように美しい緑色が特徴だが、成分としては銅のサビ、つまり古い10円玉の緑になってる部分と一緒である。銅の原料としては使われていないが、緑の顔料や宝石としては古来より使われ続けている。

石言葉は「危険な愛情」。今作にピッタリですね。

 


・黄鉄鉱

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硫化鉄*10を主成分とする。正六面体を中心とする幾何学的な結晶を持つ。

酸素を吹き込むと亜硫酸ガスを発生させてしまうため、他の鉄鉱石のような製鉄としての用途は望めないが、かつては硫酸の主原料であった(今は石油)ため、日本でも採掘が進んでいた。また半導性を持つため、現在ではそちらの利用も考えられている。


・双晶水晶

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結晶の形は凝固する成分にもよるが、同一線あるいは同一面において2つの結晶が鏡像関係などの規則を持って成長したものを双晶と呼ぶ。

例えば、本編に出てきた日本式双晶は、2つの水晶が84.33°を成すという規則があり、その形から夫婦水晶とも呼ばれる。日本式双晶が初めて発見されたのは山梨県であり、現在でも山梨県の山で産出例があり、山梨県の石ともなっているが、第一発見者はドイツ人である。


・桜石

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アイオライトという、六角柱の結晶を作る鉱石がその形を保ったまま、空気中の物質と化学反応を起こして雲母に変化し、結晶として分離したものをその色と柄から桜石と呼ぶ。なお、桜石は六角柱の結晶から生じるので花びらのような模様が6個できるが桜の花びらは5個なので注意。

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なお、アイオライトは「怖い人を鎮めるパワーストーン」としても知られている。

 

・しゅう曲

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地面はプレートの移動などによって動いており、力がかかっていることも少なくない。この時横向きの力がかかり続けると地層は水平に積もったた層であっても曲がる。これをしゅう曲という。地質標本館には宮城県牡鹿半島で発見されたジュラ紀にできたしゅう曲のレプリカがある。

 

・忍石

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忍石はデントライトとも呼ばれ、石に限らず形成される「急激に冷やされることで形成される、樹状突起や枝分かれを多く含む結晶」を指す。つまり雪化粧や霜も忍石の一種と言える。

作中でも言われている通り、石の中に入っていると、独特な形ゆえに何らかの化石と見間違えやすい。

 

・海綿動物

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海綿動物はチャートの主原料となった動物と先述したが、文字通り海に生息し、綿状で、はっきりとした器官を持たない非常に原始的な動物である。

骨片という骨のようなものを持ち、これが化石として残ったりチャートになったりする。

 

先カンブリア時代

先述の海綿動物のような原始的な生命体が現れ、生物爆発と呼ばれた時代をカンブリア時代と呼ぶが、それは約5億年前である。先カンブリア時代は46億年前に地球が生まれてからカンブリア時代の前までを指す。

カンブリア時代の地層から化石が多く出ることから、カンブリア時代の始まりに急激な進化が起こり多種多様な生物が現れた、と考えられていたが、実際は化石として残りやすい殻や骨を持つ生物が現れたのがカンブリア時代であって、先カンブリア時代にも殻や骨の発達していない原始的な生物は現れていたとするのが現在の通説である。

例えば、25億年前に生物がいた証拠として有名なのが「縞状鉄鉱層」である。これは、鉄の赤錆を含む地層のことである。この時代、海水中には大量の鉄イオンが溶けていたが、植物が現れて光合成をして酸素を大量に放出することで酸化鉄(赤錆)が大量に沈殿した、と言われている。

 

JAXA

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JAXAは「Japan Aerospace eXplation Agency」の略。頭文字を取らない選択により「じゃえあ」というダサい略称を回避しており、和名(?)は「宇宙航空研究開発機構」。2003年に日本の宇宙開発に関する研究を統合する目的で設立された機関で、先述の「きぼう」や、気象衛星として知られる「ひまわり6~8号」、小惑星探査機でおなじみの「はやぶさ2号」などを打ち上げた実績がある。

 

・相席食堂

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相席食堂とは、千鳥がMCを務める番組。2018年4月から日曜の夜の30分番組として放送されていたが、2019年4月にはナイトinナイトという枠に仲間入りすることとなった。千鳥が誰かのロケ映像を見て、面白いシーンでは一時停止(「ちょっと待てぃ!」という声が出るボタンを押す)するという番組。

誰がロケに行くかというのが重要で、Mr.マリック、DJ KOO、具志堅用高などのおおよそロケ経験が浅く、ロケに向いているとも思えない人選が千鳥や視聴者を爆笑の渦に巻き込む番組であり、長州力がホタテを食べた時の食レポ「食ってみな、飛ぶぞ」が特に有名であるが、「誰かのロケのツッコミどころを探す」という行為を毎週続けた千鳥の2人の観察力はもはや異常であり、「サファリパークの車がセダン」、「陰部を隠すモザイクを泡で済まそうとしているが結局出ている」、「ワカメしゃぶしゃぶのインサートが多すぎる」など些細なところから笑いを見出す番組に進化してしまっている。

 

・月の陸と海

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月には陸と呼ばれる場所と海と呼ばれる場所がある。もちろん、地球の海のように水をたたえているわけではない。比較的白っぽく見える部分を「陸」、黒っぽく見える部分を「海」と呼ぶ。

月は自転周期と公転周期が全く同じであるため地球からは常に同じ方向しか見えないが、地球上のどこから見るかによって海の見え方は変わる。例えば日本では「餅をつくウサギ」と言われるが、南ヨーロッパでは「カニ」、南アメリカでは「ワニ」と言われている。ちなみに中国では「不老不死の薬草をすりつぶすウサギ」と言われているらしく、おそらく見え方はさほど変わっていないのだが、どうせなら餅よりこっちの方がおトクと言える。

そんな月の陸と海の違いは2つ。「標高」と「成分」だ。標高は読んで字のごとくで海の方が陸より標高が低く、影となる。しかし、月の海が黒っぽく見える理由はそれだけではない。そう「成分」が違うのだ。月はマグマが固まってできたものだが、比重により斜長石という白っぽい鉱物の方が、黒っぽい鉱物より表面に出てきたという。しかし、大量の隕石衝突により、標高に差が生じる。この時隕石が当たって標高が低くなった部分が「海」なのだが、この時、玄武岩を主成分とする黒っぽい岩となるマグマが地上に出てしまった。そのため、月は隕石が衝突した部分としていない部分で色が大きく違うようになり、白っぽい部分が陸、黒っぽい部分が海と呼ばれるようになったのである。

 

・つくばVLBIアンテナ

国土地理院で2016年12月まで稼働していたアンテナ。VLBIとは、ある天体からの電波をアンテナで受信し、その時間さによってアンテナ間の精密な距離を測るという測量技術である。

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アンテナ1号よりアンテナ2号の方が星から赤線部分だけ遠いため、電磁波の受信もその分遅れる。この差を計測することでアンテナ1号と2号の距離を読み取る。受信時間の差の計測は0.001秒単位の精度が要求されるため、原子時計が使われている。

これによりプレートの動きなどによる数ミリ単位の誤差をも読み取ることができるようになるのである。

 

  • 第5話

・離岸流

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離岸流とは、海で波によって陸へ水が運ばれた後、海へ水が戻ろうと狭い範囲で流れようとすることでできる陸から沖への水の流れである。

白波を立てずにしかし急速に沖へ流れていくため、海水浴中に油断しているとあっという間に沖へ流される…という事故は少なくないらしい。脱出方法は陸を目指さず、横向きに泳いで離岸流から脱出すること。

なお、離岸流はサーファーが沖に出るために利用したり、釣り人の間ではヒラメなどがよく釣れる場所として有名だったりするらしいため、悪いことばかりでもない。ある釣りサイトによると、サーファーの存在によって離岸流という漁場の存在を認識できるらしい。

 

・露頭

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地層の縞模様が露出している部分。地層のでき方は水流と深い関係があるため、露頭は海岸付近で見られやすい。(地層と水流の関係はどうせ取り扱われると信じて後述…)

 

アンモナイト

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古生代末期から中生代末期にかけて、つまりほぼ中生代に一致する期間の間に繁栄した巻き貝。中生代の間にも様々な進化を遂げたため、見る人が見ればそのアンモナイトの化石が中生代のいつ頃かまで分かるという。

アンモナイトは絶滅したが、「オウムガイ」という非常に似た見た目の貝は絶滅せず今なお生きている。

 

・突然のリスニングコーナー

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突然英語での会話が始まるシーン。日本人であるはずの客側も急に発音が良くなるが、基本的な英語なので是非聞き取りたい。

shop staff「Hi,which birthstone do you want?」

customer 「Excuse me,could you make this a little cheaper?」

shop staff「OK. Just a moment, please.

Sure.」

第1文の「birthstone」はあまり英単語帳ではお目にかからない単語なので聞き取るのが難しい。第2文、ここでの「Could」は過去形ではなく、丁寧さを示す表現。また、比較級に「少し」の意味をつけるときは「a little」を入れる。

 

・ジオード

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ジオードは日本語では「晶洞」ともいい、石の内部に鉱物の結晶が形成されている石である。

マグマの中で気泡が固まったり、石灰石のような溶けやすい成分の石の内部が溶出したりしてできた、空洞のある石に水が浸入し、水に含まれるミネラル分が結晶化することによって形成される。

 

・隕石

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宇宙から飛来した石。こち亀で両津がげんこつせんべいと間違えて食べたり、ゾロリがオナラで吹っ飛ばしたり、こち亀で強力な磁力を持つものがビデオテープ運送トラックの横に落ちたりと創作物への出演機会は少なくないはずである。

宇宙から飛来するものであるため、調べれば宇宙の情報がわかるとも言える一方、落ちた時に発生する衝撃波などが甚大な被害を与えることもある(2013年のロシアなど)。恐竜絶滅の原因も「隕石墜落→砂塵巻き上がり→植物大量死→餌を大量に要する恐竜は絶滅し、小型の哺乳類の時代がくる」というのが現在最も支持されている説である(この説が支持されている理由も、中生代末期の地層にイリジウムという地球にあまりない成分が大量に含まれていたから、という地質調査によるものである)。

 

・方解石

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光は透明な物質を通ると屈折、つまり折れ曲がる。が、なんと方解石やセロハンは光線の種類によって屈折率が異なるという性質を持つ。これにより、「屈折によって違う場所にものがあるように見える」のみならず「屈折によってものが2つになったように見える」という現象も起こる(下画像参照) *11

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なお、「光が入った角度によって二重になる見え方が変わる」というのを利用し、羅針盤ができる前は荒天時に太陽の位置を調べる道具になっていたという。

なお、方解石の主成分は炭酸カルシウムであり、石灰岩を構成する鉱物であるという。石灰岩は一般的に石灰同様白いが、不純物を含まないものは透明なのだとか。

 

ビスマス結晶

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ビスマスは本編にもあるように非常に幾何学的な形の結晶を持つ金属である。型に流し込むことなくこんな形ができるらしいよ、凄いよね。なお、色は他の金属同様銀色であり、本編のような綺麗な色は表面が酸化することで生じる色合いである。

ビスマスの融点は約271℃と、金属にしては異例の低さである。そのため、ステンレス鍋にビスマスを入れてコンロの火にかけるとご家庭でもビスマスを溶かすことができ、それを冷ませば綺麗な結晶を作ることができる。そういう記事がデイリーポータルZにある。

また、スズやインジウムという金属をビスマスに混ぜて作った合金は、水の沸点である100℃より融点が低い金属となる。そのため、スプリンクラーのスイッチとして利用されている。

 

・トパーズ

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トパーズは二酸化ケイ素を主成分とし、フッ素やアルミニウムも含む鉱石。和名は「黄玉」だが、実際は様々な色を持ち、加熱や放射線によっても色を変える。日本でも、岐阜県などで産出される。石言葉は「成功、希望、誠実、友情」など、湘南美容外科クリニックの医師が好きそうな言葉になっている。


・瑪瑙

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「めのう」と読む。水晶などと同様に、二酸化ケイ素を主成分としながら、前述の晶洞の内部に形成され、様々な色や柄を呈した石である。

 

・爆破と発破の違い

爆破と発破は、どちらも「火薬を使用して物体を破壊する行為」を指す。しかし、爆破は「火薬を使用して物体を破壊する行為」全般を指すのに対し、発破は「船やビルなどの解体」や「岩石の破壊」などの目的を持って、民間企業や研究機関が安全に配慮して行う爆破を指す。

 

・地層の剥ぎ取り標本

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文字通り地層を剥ぎ取った標本のこと。地層にトマック樹脂を塗り、樹脂で塗り固めた土を剥ぎ取って作成する。目的は地層の概形の保存である。樹脂の成分を混ぜるため詳細な年代調査などには不向き。

 

・ボーリング調査

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地質、つまりある点の地下にどのような土が埋まっているのかを調べるべく実際に穴を掘り、土を採集するのがボーリング調査である。目的は、建造物を建てる際の土の硬さや、杭を打つべき固い地盤までの深さなどを調べることが多いが、めちゃくちゃ上手くいくと石油が出たりする(石油はさすがにレアケースすぎるが、地下水や化石が出ることはある)。

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なお、「ボーリングってボールでピンを倒す方じゃないんか〜〜い!!!」とかいう大ベタなボケは本編にもあるが、穴を掘る方がボ「ー」リングなのに対して、ボールでピンを倒す方はボ「ウ」リングである。

 

  • 第6話

・標準貫入試験とN値

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本編でもそうされているように、ボーリング調査は鉄パイプを地面に刺し、その鉄パイプに錘を落として、柱状図を得る。標準貫入試験は「63.5kgの錘を30インチ(76cm)から自由落下*12させてパイプを打ち付ける」という風に細かく決まっている。なぜここが細かく決まっているかというと、「地盤の硬さも調べるため」であるようだ。

この地盤の硬さの指標がN値と呼ばれる。N値とは「標準貫入試験、つまり先述の基準をしっかり守った場合、鉄パイプを30cm地中に押し込むのにかかる自由落下の回数」のことである。けして、星新一ショートショートの主人公のことではないのだ。

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なお、第5話で行われた「着色した寒天を3段重ねにして作った地層にストローを刺して取り出す、机上でのボーリング実験」は題材として面白いのだが、上が苺味なのにストローから取り出すときに苺味から出てくるのはおかしい、という大ポカがある。円盤になった時には訂正されるものと思われる。

 

・宇宙開発の熱気

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宇宙開発の熱気がすごかったとされるのは「1960〜70年代ごろ」。米ソの冷戦の最中に、軍事技術への転用も考えてお互いに開発しあったという大変ハートウォーミングな裏話があり、GPSやインターネットなどが軍事利用を目的に開発されたという。

1960年には人間ではなく犬やラットを飛ばして、生きたまま回収する実験を(主にソ連が)重ね、1961年にはソ連ボストーク1号という宇宙船に初めて人類を乗せて飛ばすことに成功してしまう。この時飛んだ宇宙飛行士の1人が、かの有名なガガーリンである。アメリカが人類を宇宙に飛ばしたのはそれから23日後のことであった。その後、1965年の初の宇宙遊泳(ソ連)や初のランデブー*13(アメリカ)、1966年の月の写真撮影や1969年のアポロ11号月面着陸(ともにアメリカ)、1970年の月面車の走行や金星への着陸(ともにソ連)など競うように宇宙開発を成し遂げた。

特に「月面着陸」は宇宙開発競争で最大のテーマであったと言われている。なお、月の土地の売買が始まったのは1996年のこと(日本では2002年から)

 

・月の満ち欠け

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月は地球の周りを公転する衛星である(自転もしている)。地球の周りを回った結果、地球からは「月がいつ南の空高くに上がって見やすくなる(南中という)か?」と「月がどのような形で見えるか?」が変わる。その理由は光の当たり方が変わるからだ。以下、理科の教科書にも絶対載っている図を、書きかたを通して解説しよう。

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地球の自転と月の公転の向きは等しい。月は約1ヶ月(27.3日)かけて地球のまわりを公転するため、その日にどの位置に月があるかで月の見え方が決まる。そして太陽は恒星なので動くことなく一方向からのみ(ここでは右側とする)光が当たる。

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地球の右側(あくまでこの図の中での、ね)に光が当たり、左側が影になる。この影の部分が夜で、光が当たっている部分が昼だ。じゃあその境界付近は?もちろん明け方と夕方である。どっちがどっちかは……地球が反時計回りに自転していることを利用して考えてみよう。

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さて、月にはどうやって光が当たるのか?月は自発的に光らない。ということはこの問いの答えは簡単。「地球と全く一緒」である。太陽を右側と仮定すると、月も地球も右側に光が当たる。当たり前だよなあ?

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例えば、新月というのは地球から月が影の形でしか見えないため、見ることができない状態を、満月というのは月の太陽が当たっている部分を全て見れるために、まん丸に見える状態を指す。4話で言われていた「満月は光が正面から当たるから凹凸が観測しにくい」というのはこういうことである。さらに、地球の明け方、昼、夕方、夜を利用すればどの月がどの時間帯に南中するかも予想できる。

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また、作中に出てきた上弦の月は、新月から一週間後の半月を指し、右半分のみが見える。上の図を上手く使うと、昼に上り、夕方に南中し、西の空に沈んで見えるのは夜ということがわかるはずである。なお、みらの家は西の空なので、上弦の月が見え出した時点で結構な夜………のはず………。

 

・ペグマタイト

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ペグマタイトとはマグマがゆっくりと冷えることで、固まりやすい(=融点が高い)成分が作る巨大な結晶のこと。マグマの成分や温度や圧力によって様々な色の石が発生するが、火成岩に含まれる石英などはガラスの原料とも知られるため、観賞用のみならず実用的な用途もある。作中でも言われているように御影石(かこう岩のこと)を多く含むことから「鬼御影」とも呼ばれている。

 

・シルトと粘土

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直径が1/16mm以下の粒子を泥と呼ぶが、その泥をさらに以下のように細かく分けることがある。

泥のうち

直径>1/256mm→シルト

1/256mm>直径→粘土

ここまで細かい粒子が高密度で詰まった層は水が通りにくくなる、つまり水はけが悪くなる傾向にある。一般に地下水は粘土層の上部を通る。

なお、ボーリング調査の結果、地上からどれくらいの深さにどのような性質の粒子が入っていたか調べた結果を柱のように書いた図を柱状図と呼ぶ。


・宇宙望遠鏡

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どんなに遠くが見通せる望遠鏡を作ったとしても空が雲に覆われてしまえば全く星は見えない。そこで、望遠鏡を宇宙に打ち上げたら常に激V天体観測なのでは???という発想に基づき、実際に打ち上げられたものが宇宙望遠鏡である。

単純な視野の問題のみならず、地球大気が遮断してしまいがちなX線や赤外線を認識できるのも宇宙望遠鏡の利点であり、チャンドラX線望遠鏡、ハッブル望遠鏡、スピッツアー望遠鏡などがある。

 

ハビタブルゾーン

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地球は奇跡の星、とよく言われている。生命が発生するには様々な条件が必要であり、地球はそれをクリアしてしまった星だからだ。

太陽は地球での生命活動に不可欠であり、あまりにも太陽から遠い星には、植物が光合成して酸素を生み出すのに十分な光が届かないだろう。しかし、太陽に近すぎると生命活動が困難なほど高温になってしまうのもまた事実。

というわけで、「生命活動ができるちょうどいい光や熱の量を受けられるような、恒星との距離がちょうどいいゾーン」のことをハビタブルゾーンと呼ぶ。このゾーンにある惑星には地球外生命体がいる可能性がある。もちろん、地球のように生命活動ができる惑星になるには、ただハビタブルゾーンにあればいいというわけではなく、だからこそ地球が「奇跡の星」と呼ばれているのもまた事実である。

 

・エッジワースカイパーベルト

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太陽系において最も遠い惑星は海王星である(冥王星は2006年に惑星から外されたので)。そんな海王星の外側を大量の小惑星が密集して公転している地帯があり、その地帯は公転面(惑星が公転している楕円を含む平面)も近しいため、ドーナツ型の円盤状になっている。この円盤をエッジワースカイパーベルトと呼ぶ。この小惑星の中で軌道が変化し、地球に接近するようになったものが彗星として観測されるという、いわば彗星の供給源でもあるという。

なお、正式な切り方は「エッジワース・カイパーベルト」であり、単に「カイパーベルト」と呼ばれることもある。

 

・遺伝の法則

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耳垢が乾くか湿るかや血液型などは親からもらった遺伝子によって決められている。遺伝子は2つ1組であり、1つあるいは2つ含むと出てくる優性遺伝子と優性遺伝子を1つも含まない時しか出てこない劣勢遺伝子が存在する。

ヒトの髪の色の遺伝子は一般に黒髪が優性とされている………が実際には結構複雑らしい。ここではシンプルに「オレンジが劣性、黒が優性」で考えてみよう。以下、「黒髪の形質を出す遺伝子をB、オレンジ髪の形質を出す遺伝子をb」とする。オレンジ髪の母が持つ遺伝子はbb一通りだが、黒髪の父が持つ遺伝子はBBかBbの二通り考えられるが、もし黒髪の父の遺伝子系がBBだった場合、生まれてくる子の遺伝子はBb一択となる(言い忘れていたが、遺伝子は母親と父親から1つずつもらう。どっちかからしかもらわないという選択肢は存在しない)。しかし黒髪の父の遺伝子系がBbであれば50%の確率でbb、すなわちオレンジ髪の子が生まれる。よって父の遺伝子系はBbである。

なお、優性遺伝、劣性遺伝の優劣とは遺伝子の、形質としての表面化しやすさを表すものであり、決してその形質自体の優劣を示すものではありません。オルソンブログは髪の色や肌の色などによる不当な人種差別に対して徹底的にNOを突きつけます!

 

(編集するたびに保存に30秒以上かかるようになったので、後編に続く)

*1:公式サイトなどを調べなかったために記事公開当初、重大なミスがありました。この場を借りてお詫び申し上げます。なお、現在は訂正させていただいております。

*2:どちらも約100km

*3:秋頃に南に見える星ってのは夏頃東の空に見えたり、冬頃西の空に見えたりする

*4:一般に望遠鏡と顕微鏡にはレンズが2つついているのだが、眼に接する方を接眼レンズ、そうでない方を対物レンズと呼ぶ

*5:ド常識だが、これを頭に入れておくと光の屈折もバイメタルも孔辺細胞の仕組みも全部説明できるのでとてもおトク

*6:リカちゃん焦ってゲロ吐いた、の「あ」でもある

*7:1Lあたり何molの分子やイオン(ここでは水素イオン)が含まれているか?というもの。molは6×10^23個を表す個数の単位。個数の単位なので「1mol円欲しい!!!!」「これさえあればご飯が1mol杯進む」といった用法も理論上は可能だが、6×10^23というあまりに途方もない数字なので、原子や分子くらいミクロなものにしか使われないのが実情。

*8:わからない人はp=2、q=3でも代入しよう!

*9:岩石や地層が割れて高低差が生じているものは断層という

*10:化学式はFeSではなくFeS2。ジスルフィド結合というS原子間の結合によりS2で2価の陰イオンと同等の働きをするらしい。

*11:光が屈折したのち空気中に出る光は平行になり、交わらないため、目を点と捉えると下図は間違っているが…筆者も読者も疲れるはずなのでそんな指摘は来ない

*12:重力ではない力を人為的に与えずにものを落とすこと

*13:2機の宇宙船が近接してすぐ横を飛行すること