無教養な人も笑える記事を作るのは無理なんでしょうか?

(高偏差値層の読者諸君へ)

今回、私が執筆致しました随筆文は「視聴率とテレビ番組http://ithikawa.hatenablog.com/entry/2017/09/24/212202」という記事にて執筆されました「TVが極めて退屈なものと化しているのはTV局が偏差値1層への娯楽を希求した結果であり、笑いにも多少の教養が求められる以上、偏差値1層への娯楽の希求としてTV局が笑いを追求ことはない」といった内容の記述に反論するために、低偏差値層の読者の方々が容易に可読となりますように工夫を施しております。それゆえ、視認が困難と思われる箇所がありますこと、お詫び申し上げます。予め、ご了承下さい。

 

 

 

この話は私が大学*1入試*2を控えていた年の正月*3の話である。
私たち家族は初詣*4に向かった。この年は私が大学入試を控えていたと言うこともあり、私の第一志望*5合格*6が重要な祈願*7の一つだったわけだが、その第一志望というのが国立大学*8(くにたち*9ではない)であった。国立大学というと5教科7科目*10。そこでネック*11となったのが古文*12である。というのも、学校での古文の定期考査*13では、授業で習った文章がそのまま出題されたため、その文章の和訳*14と原文*15をそのまま暗記すれば80点以上*16を出すこともできたのである。しかし、当たり前だが、センター試験*17ではそうもいかない。その結果、センター試験の国語の過去問*18演習では、説明文*19と小説*20では100点*21を取りつつ、古文と漢文*22で、敦賀*23行新快速*24が京都*25駅を出発した後のような大失速*26を見せ、最終的にトータルが110-120点程度にとどまるという悲しい結果*27になっていた。どうでもいいけど、センター試験の国語の過去問演習って「の」が多いっすね。言の葉の庭*28かよ。
とにかく、私の苦手科目は古文であった。漢文はまだ漢字が表意文字*29であるがゆえに、読めば何となく意味がわかる部分もあったし、覚えるべきこともさして多くないのだが、そこへ行くと古文は「をかし*30」に代表される「現代語と発音は近いが、意味はかなり遠い古語」や、助動詞*31の用法や活用、主語*32の省略*33、などが積み重なり、センター試験直前となった初詣当時において、それらを全て覚えるのは逆立ちしても*34無理であった。理系*35である私は「還元*36性を持つカルボン酸*37といえば?*38」とか「血糖値*39を上げるホルモン*40を全て答えよ*41」とかの問いには自信を持って答えられる状態であったが、古文はてんで駄目だった。
そんなわけで、神主*42祝詞をあげて*43もらうために、しばらく待っている間も家族と「古文はきっちりやらないとなあ」などと話をしていた。するとお茶と落雁*44を出しに巫女*45さんが来た。巫女さんと言えば古来より、神様に仕える女性である。しかし、その巫女さんが我々に言った言葉は衝撃的なものであった。

「受験ですか?大変ですね。私も古文は苦手でして、センター試験は現代文だけで受験しました。*46


巫女さんですら古文は苦手なのである。それを知った私はいくらか安心したのであった。
(おしまい)

 

 

*1:高等学校よりも、高いレベルの教育と、研究を目的として作られた学校のこと

*2:学校が、その学校に入学したいと考える者がその学校の生徒になるにあたってふさわしいかどうかを試すために行うテストのこと

*3:年の初めに、年が無事終わり、新しい年が無事始まったことを祝う日本の伝統行事。一般的に、おせち料理を食べる、凧あげをする、羽根つきで遊ぶ、爆笑ヒットパレードや戦うお正月などを見ながらダラダラするなどを行う

*4:年の初めに、神社に行き、新年の無事を祈るという正月の伝統行事の一つ。

*5:ここでは、「最も入学をしたい大学」という意味。

*6:入試の結果、学校が自分の学校の生徒としてふさわしい人であると認め、学校の生徒となることを許すこと

*7:きがん、と読む。神社に伝える願い事という意味。

*8:政府が設立した大学のこと

*9:東京都には国立という、国立大学の国立と全く同じ漢字でありながら「くにたち」と読む地名がある。なお、くにたちには一橋大学という、国立(こくりつ)大学が本当にある。

*10:5教科とは英語、国語、数学、理科、社会のこと。7科目というのは数学は数学IAと数学ⅡBの2科目を受けることになるうえに、理科または社会のどちらかは4つに細分化された科目から2つを受験しなくてはならないためトータルで7科目になるということ

*11:障害

*12:日本の昔の文章。一般には江戸時代より前、つまり1867年以前に書かれた文章を古文とする

*13:学校が学生に対して教えたことが分かっているかを試すために数ヶ月に一度程度行うテストのこと

*14:日本語に訳された文章のこと。ただし、古文は昔の日本語であるためここでは現代の日本語に訳された文章という意味になる。

*15:日本語に訳されていない文章のこと。ただし、古文は昔の日本語であるためここでは現代の日本語に訳されていない、昔の日本語のままの文章という意味になる。

*16:私の学校では、古文の定期考査が100点が満点でした。

*17:国立大学の入試を受ける前に、基礎的な学力があるかを確認するテスト。通常の国立大学の入試は、このセンター試験の点数と、国立大学での入試の点数によって合格か不合格かが決定される。

*18:過去に行われたセンター試験の問題のこと。また、過去問演習とは、過去問を実際に解いてみることで、センター試験の傾向や解き方、学力などを把握する受験勉強の一部。

*19:ある物事について伝える、一般的には事実だけが書かれた文章

*20:読むものを楽しませるための作り話。ただし事実を元に書いた小説というのもある。

*21:センター試験の国語は説明文、小説、古文、漢文が50点ずつの200点満点で行う。つまり、私は説明文と小説だけなら満点を取っていた。なお、漢文の意味は後述する。

*22:昔の中国の文章。ただし、日本人などが漢文の文法を真似て書いたものも漢文に含まれ、実際にセンター試験で出題されたこともある

*23:福井県の地名であり、北陸本線の駅の名前。

*24:東海道本線北陸本線などを走る電車。最高時速は130km/hと非常に速い。

*25:京都府の地名。

*26:速度を失うこと

*27:説明文と小説で100点ということから、古文と漢文で10-20点程度しか取れていないということ

*28:新宿御苑での、ある女性と男子高校生の恋を描いた新海誠監督の映画。新海誠監督、つまり君の名は。と同じ監督である。なお、作中では新宿御苑にて女性が缶ビールを飲むシーンがあるが、新宿御苑での飲酒は禁止されているので、この映画を見たからと言って真似をしないように。

*29:文字一つ一つに意味を持たせているタイプの文字。漢字や数学記号などが代表的な表意文字として日本でも使われている。

*30:現代において、「おかしい」は「面白い」、「草不可避」、「通常通りではない」と言った意味で使われるが、古文の「をかし」は「趣が深い」、「美しい」などの意味で使われる。

*31:それ単独では意味を持たないが、文章を作る上で補助する言葉のうち活用のあるものを助動詞、活用のないものを助詞という。例えば「ようだ」などは助動詞だが、「の」などは助詞である。

*32:文章において動作や作用を表す、いわば文の主役のようなもの。常に名詞。なお、名詞とは物の名前を表す単語の総称である。

*33:古文では書き言葉にも関わらず、現代語の会話以上に主語を省略することが多い。これは古文が書かれていた当時は今以上に紙が貴重だったからという説がある

*34:「何をやっても」という意味の例えであり、実際に逆立ちすると学力が上がるということはない。

*35:数学や理科を勉強、研究する、大学のコース

*36:化学反応の一つ。酸化の逆であり、「分子から酸素を奪うこと」と定義されることも多いが、実際には「原子に電子を与える反応」である

*37:カルボキシル基というものを含む分子。酢の酸味の原因である酢酸などが代表的なカルボン酸である。

*38:この問いの答えは、蟻酸。蟻酸とはアリに噛まれると走る痛みの原因となる物質である。

*39:血液中の糖の濃度

*40:ここでは牛の臓物、ではなく動物が体内の状態を調節するために合成して体内に放出する化学物質のこと。

*41:この問いの答えはアドレナリン、糖質コルチコイド、グルカゴン。

*42:かんぬし、と読む。神様に仕え、神社で儀式を行うなどの仕事を行う男性のことである。

*43:祝詞は、のりと、と読む。神社に集められた祈願、つまりお願いごとを神主が神様に直接伝える儀式を「祝詞をあげる」と呼ぶ。

*44:らくがん、と読む。米粉に水飴や砂糖を混ぜたのち、着色し、型に合わせて固めてから、乾燥させた干菓子。神社でよく提供されるほか、お供え物としても使われる。

*45:みこ、と読む。神様に仕え、神社で儀式を行うなどの仕事を行う女性のことである。なお、一般的、伝統的に処女、つまりSEXをしたことがない女性しかなれない。

*46:神様に仕え、神社で働いているいわば日本の伝統文化の象徴である巫女さんが、古文が苦手というのがこの記事の最大の面白ポイントかつオチである。面白いでしょ?