ダイエット番組のお話

こんばんは、オルソンです。

 

Twitterにはモーメントというツイートをまとめる機能がある。そして、バズってるモーメントは検索窓の下の方に現れる。これにより自分も自分がフォローしてる人も興味がないのでRTしないはずの話題のモーメントが現れたりする。そんなモーメントから先日、こちらの記事が現れた。

「ブタ」と罵られたアイドル、ダイエット失敗で活動休止に 摂食障害の研究者「危険な演出」と指摘 http://m.huffingtonpost.jp/2017/09/20/bis-pour-lui_a_23217324/

まあ、あらすじをまとめると「あるアイドルのマネージャーが、アイドルをブタと罵り、ダイエットさせる約束を取り付けたが、規定期間までに体重が減らなかったので、そのアイドルを活動休止させた」というネット番組が摂食障害の研究者に見事に批判されるという記事である。

まあ、「ダイエット」や「目標に対して苦難を乗り越えて達成する感動」なんてコンテンツは、日本において僕らが生まれてくるずっとずっと前どころかアポロ11号が月に行ったずっとずっと前から流行っていたコンテンツなわけで。よって、俺だってそういうダイエット番組くらい見たことある。これはその時のお話…。

 

 

 

 

ある昼下がりのこと、私が見ていたダイエット番組は「10人の女性が10日間合宿してトータルで100kg痩せる」と言うものだった。そう、日本人は「みんなが団結して大きな目標を成し遂げる感動」だとか「連帯責任」だとかそういうワードも好きである。「連帯責任」なんて江戸時代の農民の徴税方法として使われた伝統芸能であり、現代においても、そう言った連帯感が生み出す感動への異常な執着が組体操という悪しき風習を作り出し、全国の学校で怪我人を出しているというのは読者もご存知のことだろう。さて、ダイエット合宿というのは当然鉄研合宿のように昼間はでんちゃっちゃに乗って観光地に向かい、広い通路でかけっこ大会をし、夜はOBの潤沢なカンパを元に居酒屋で酒とつまみを暴飲暴食するチョー楽しいもの…なはずはなく、食の節制と過酷な運動を重ねる、カケラも楽しくなさそうな合宿であった。そんな、ストレスの塊みたいな状態の共同生活を続けると、そら、摩擦も出てくるわけで…。

合宿の参加者にはAさん(本名忘れたので仮名)と、Åさん(本名忘れたので仮名)がいた。Aさんは元グラビアアイドルだったが、怠惰な生活が祟って太ったため合宿に参加したのだという。とはいえ、元グラビアアイドルだけあって、10人の参加者の中で一番痩せていた。一方、Åさんは、職業等は忘れたが、キツい話し方ゆえにAさんに苦手にされていることと、10人の参加者で最もデブだったことは覚えている。

ある時、というか合宿もまあまあ終盤になった頃、ÅさんはAさんに「野菜とか好き嫌いしないで食べなよ!」「好き嫌いしていると痩せられないよ!」と言った。これをきっかけにAさんは錯乱し発狂した。…いや、錯乱し発狂は盛ったかもしれない。こういう誇張した書き方をできる人間が将来、TVやラジオを見聞きした発言をテキトーに切り取った記事を書くライターになり、TVラジオ切り取り記事御殿を建てて優雅に暮らすようになるのは読者もよく知るところであろう。とにかくAさんは、同じダイエット中の立場であるはずのÅさんから上から目線でアドバイスをされたことに腹を立てて泣き叫び、「もうこの合宿やめる!」とログハウスを出て行こうとしたのは事実である。もちろんここで1人でも逃亡されると「連帯責任」により企画が終了のお知らせを迎えてしまうため、3人程度の参加者が必死でAさんを取り押さえる。TVには地獄のような光景が映し出されていた。そもそも、塾で「偏差値60の得意科目の偏差値を10上げるより、偏差値40の苦手科目の偏差値を10上げた方が楽だぞ」と言われた私にはわかるのだが、「10人で100kg痩せる」という目標のためには最も痩せているAさんをさらに痩せさせるより、最も太っているÅさんを痩せさせた方が早いのである。さらに、Åさんは好き嫌いしないで食べる点でAさんに勝っていると思っての上から目線なのだろうが、実際には好き嫌いもなく与えられたものをバクバクと食うような性格の方がデブへの道を辿っていくのは、中2の修学旅行で峠の釜飯についてくるわさび漬けをみんなが食べられないということで、ホイホイもらって10個くらい集めて喜んで全部食ったという、デブの自分の経験が物語っている。にも関わらず、好き嫌いせず野菜を食べることを野菜嫌いのAさんに強要するÅさん、そして「10人で100kg痩せる」という番組が勝手に立てた目標のために「連帯責任」のもとAさんのダイエットの放棄を許さない参加者…。これが地獄でなくて何だろう…?

 

 

 

 

と、いう内容の番組を中華料理屋のTVで見ていたら、担々麺(汁あり)大盛りと半ライスが来た。ランチタイムは大盛りが無料ということで浮いた大盛り代を半ライスに回して、トントンにしてやった私の昼ご飯。大盛りにしたとはいえ、唐辛子の辛さと芳醇なゴマの香りで食欲がそそられ、ズルズルと麺をあっという間に完食してしまった。これだけでも腹八分目になった私だが、ここでさらに担々麺の汁に浮かぶ余ったひき肉と汁をレンゲで少しずつ白飯にかけていく………唐辛子と味噌の味わいの染みたひき肉とご飯の共演……スープに崩される白米……これだから、ラーメンライスはやめられない!!!ラーメンライス最高〜〜〜〜っっっ!!!

(おしまい)