【ネタバレ】ブラックボックス展【ではない】

 むかしむかし、あるところにサザエbotという、当たり前の循環論法を名言っぽく言うか、名言をパクって出典を書かずにツイートするしか能のないツイッターアカウントがありました。

 このアカウントの悪行は津井拝村に知らぬ者はいませんでした、たった一人花沢さんという女性を除いては…。

 花沢さんは、サザエbotのツイートに感銘を受けており、周りの村人が「あのアカウントはパクツイだからRTするのをやめろ」と忠告しても一切聞き入れませんでした。

 ある時サザエbotの運営者は「ブラックボックス展」という展示会を開きました。この情報は津井拝村にも入ってきましたが、当然行こうとする者はいませんでした。ただ一人、花沢さんを除いては…。

 

 花沢さんはブラックボックス展の会場に向かいました。会場には行列ができており、行列に並んでいる人の中には謎の黒人につまみ出されている者もいました。(自分もつまみ出されてしまったら…)そんな不安が募ります。しかし、それは杞憂でした。花沢さんは無事ブラックボックス展の会場に入ることができたのです。

 

 会場に入る前に誓約書にサインをさせられました。その内容は「このブラックボックス展の内容をネタバレしないように」という内容のものでした。(変わった趣向ね…!)そう思いながら花沢さんは会場に入りました。

 会場の中は真っ暗でした。(まさにブラックボックスってわけね…)そう思いながら花沢さんが進んで行くと、突然お尻を触られました。「キャア!」花沢さんは叫び声を上げましたが花沢さんへの魔の手は止まらずさらにお尻をグイグイ触ってきました。それどころか別の手が胸を揉んでいるのです!「やめてよ!」という花沢さんの叫び声も虚しく、胸と尻に伸びた手は止まらず、やっと終わったと思いきやキスをされました。そうです、スキンシップ…ではなく完全に痴漢なのです。花沢さんは急いで出口を目指しました。

 

 「ハァ…ハァ…ハァ…」完全に息が上がってしまった花沢さん。「どうしました?」そんな花沢さんにあるサラリーマンが話しかけました。花沢さんは「じ、実はさっき、ブラックボックス展っていうのに行ったんです!そしたら中が暗闇で…そこで私、痴漢されて…」とさっき起きたことを説明しようとしました。すると、サラリーマンは「イヤだなあ…誓約書に書いてあっただろう?展示内容のネタバレはダメだって…」そう言いながら鞄からノートパソコンを出して花沢さんの頭めがけて振り下ろそうとしてきました。「キャアアアアア!!!」花沢さんは逃げました。

 

 サラリーマンから逃げた花沢さんは、近くの蕎麦屋に飛び込みました。「ハァ…ハァ…」。すると蕎麦屋の店主が話しかけました「どうしたんだい?」花沢さんは「じ、実はさっき、ブラックボックス展っていうのに行ったんです!そしたら中が暗闇で…そこで私、痴漢されて…」と説明しました。すると蕎麦屋の店主は「イヤだなあ…誓約書に書いてあっただろう?展示内容のネタバレはダメだって…」そう言いながら蕎麦切り包丁を振り回して出てきました。「キャアアアアア!!!」花沢さんは逃げました。

 

蕎麦屋から逃げた花沢さんは、外を歩いていた警官に話しかけました。「ハァ…ハァ…すみません…」。すると警官が答えました「どうしました?」花沢さんは「じ、実はさっき、ブラックボックス展っていうのに行ったんです!そしたら中が暗闇で…そこで私、痴漢されて…」と説明しました。すると警官は「イヤだなあ…誓約書に書いてあっただろう?展示内容のネタバレはダメだって…」そう言いながら拳銃を出してきました。「キャアアアアア!!!」花沢さんは逃げました。

 

警官から逃げた花沢さんは、近くの酒屋に飛び込みました。「ハァ…ハァ…」。すると酒屋の人が話しかけました「どうも、三河屋です!花沢ちゃん、どうした?」花沢さんは「じ、実はさっき、ブラックボックス展っていうのに行ったんです!そしたら中が暗闇で…そこで私、痴漢されて…」と説明しました。するとサブちゃんは

「イヤだなあ…

 

 

誓約書に

 

 

書いてあっただろう?

 

 

展示内容のネタバレは

 

 

ダメだって…

 

 

麦100%

 

 

大分麦焼酎、二階堂」

そう言いながら一升瓶を振り回してきました。「キャアアアアア!!!」花沢さんは逃げました。

 

三河屋から逃げた花沢さんは、向こうから歩いてくる磯野くんと中島くんを見つけました。「ハァ…ハァ…」。すると中島くんと磯野くんが話しかけました「どうしたの、そんな青い顔して?」「腐ったものでも食べたんじゃないの?ハハハ!」花沢さんは「ち、違うわよ!じ、実はさっき、ブラックボックス展っていうのに行ったのよ!そしたら中が暗闇で…そこで私、痴漢されて…」と説明しました。すると中島くんは「イヤだなあ…誓約書に書いてあっただろう?展示内容のネタバレはダメだって…」そう言いながらバットを振り回して出てきました。「キャアアアアア!!!」花沢さんは逃げました。


磯野くんと中島くんから逃げた花沢さんは、へいきちを見つけました。へいきちというのは堀川くんという花沢さんのクラスメートの弟で、人型に見える塀のシミです。「ハァ…ハァ…じ、実はさっき、ブラックボックス展っていうのに行って…そしたら中が暗闇で…そこで私、痴漢されて…」とへいきちに話しかけました。するとへいきちは突然動き出し、「イヤだなあ…誓約書に書いてあっただろう?展示内容のネタバレはダメだって…」そう言いながら塀から出てこようとしました。「キャアアアアア!!!」花沢さんは逃げました。

へいきちから逃げた花沢さんは、自宅に飛び込みました。自宅に着いた花沢さんは少し落ち着きを取り戻して、「ハァ…ハァ…じ、実はさっき、ブラックボックス展っていうのに行って…そしたら中が暗闇で…そこで私、痴漢されて…」と飼っているどら猫に話しかけました。するとどら猫は咥えていたお魚を突然落として、「イヤだなあ…誓約書に書いてあっただろう?展示内容のネタバレはダメだって…」そう言いながら花沢さんの方を振り向きました。「キャアアアアア!!!」花沢さんは裸足で駆けて行きました。

 

「ヒッヒッヒッヒッヒッ」みんなが笑ってる、お日様も笑ってる、何も信じられなくなった花沢さんはそう考えました。

 

 

 

 

 

 

と、ここで目が覚めました。「…良かった。夢だったんだ。」そう思った花沢さんは布団から出て食卓に向かいました。今日はいい天気です。「おはよう、どうしたの?ものすごいうなされていたみたいだけど。」と言う母親の質問を受けて花沢さんは答えます。「あのね、ブラックボックス展っていうのに行って…そしたら中が暗闇でね、そこで私、痴漢されて…」すると、母親はこう言いました。

 

 

 

「イヤだなあ…誓約書に書いてあっただろう?展示内容のネタバレはダメだって…」