どうも、こんばんは、オルソンです。
まずはツイートを交えた近況報告から………
まえせつ!、「笑いどころは自分で探してくださいね」という吉本興業からの挑戦状なので、4話まで見続けると心置きなく心中できるな
— オルソン (@EF_510_514) 2020年11月13日
まだ見ていたのか……
— 市川 旭 (@Ichikawa_ykhm) 2020年11月13日
面白くないとですね、「いやいや、次は面白くなるはず!」と再生ボタン押すでしょ?ほんで面白くないと「いやいやいや、次こそは!次こそ絶対!」って再生ボタン押すでしょ?
— オルソン (@EF_510_514) 2020年11月13日
そうやって貴重な人生が溶けていくでしょう?
これね、何かわかります?
パチンコ、と同じなんですよ。
そもそも星の数ほどあるアニメの1話から、よいアニメ1話を探し当てるのがすでに賭博みたいなとこある。アニメ視聴は賭博。
— オルソン (@EF_510_514) 2020年11月14日
えー、こちらの賭博ですが、今回の記事で、私オルソンは「まえせつ!」という名の大賭博に大勝利したことを伝えさせていただきます。
まず、「まえせつ!」というアニメについて説明しよう。このアニメは、吉本興業が監修している、世にも類い稀なる「下積み芸人」を主題としたアニメである。Twitterの検索窓に入れると「寒い」「つまらない」など、雪国の水道管だったら100点満点のワードが並ぶことでも知られている。OPのサビで「ツカミは大成功〜♪」と歌っている割には第1話が一番面白くなくて見てらんないことでも有名。
そんな、まえせつ!だが5話を見たとき……………いや、正確には4→5話の流れを見た時に、「このアニメ見てよかった」と確信した。そう、私はなんだかんだ言って、アニメ視聴賭博に勝利したのだ。あ、皆さんは1話から見なくていいです、設定を公式サイトで確認して4話→5話をつまみ食いしとけば大丈夫です。むしろ、そうした方が面白さが伝わりやすいと思うので、そうしてください。これは「まえせつ!は公式サイトで設定確認してから4話と5話つまみ食いしとけば大丈夫おじさん」との約束だぞ!
以下は、そんな「まえせつ!」の良さ・恐ろしさについて語っていくが、語ろうとするとネタバレは不可避なので、有料配信サイトにて「まえせつ!」を見れる方は4話→5話を見てからここに戻ってくること推奨です。
さて、そんな「まえせつ!」の4話のあらすじは………
第4話「えいぎょう!」
山梨の温泉旅館に嫁いだ、なゆたの姉中間はじめから、週末に旅館での営業の依頼を受けた、「とこなつ」「R凸」「ふりいくっ」の6人。
グルメや温泉を堪能し、いよいよ初めての地方営業の舞台に立った「とこなつ」と「R凸」だったのだが…
(公式サイトより引用)
というわけで、この回では下積み芸人である主人公らが、初めて地方営業に行く回となっている………あらすじが「だったのだが…」で終わっているが、第5話のタイトルが「ばんかい!」であることからもわかる通り、「とこなつ」も「R凸」も、旅館のジジイババア相手にチンチンにスベって終了する回である。…………が、この時の彼女らの漫才が、面白くなかったかというと、そんなことは全くない気がする。フル版は第2話にて放映されているが、銀行強盗というベタな設定の漫才コントが、朝生祇なゆたのフワフワしたボケによってどんどんベタではない方向へ脱線していく「R凸」、「スイーツ食べ放題で元を取る」という漫才の設定にはあまりないテーマを極限まで掘り下げた先に、しっかりしたオチをつけてスパッと終わるしゃべくり漫才を見せた「とこなつ」、ともにM-1準々決勝進出でGYAO!配信射程圏内のネタだったように思うが、旅館のジジイババア相手には一切ウケず。その後、2組の先輩にあたる「ふりいくっ!」は、袖で「スイーツ食べ放題なんて行ったことなさそうな客だし」と真っ当な指摘をしつつ、舞台へ。ジジイババアをイジるネタで、場を盛り上げていき、2組は「客層に合わせてネタを変える」という経験不足を見せつけられたのであった……が、このときの「ふりいくっ!」のネタは、ジジイババアをテーマにしたフリートークで、「ネタ」としての作り込みを感じさせない。それでも、この場には、この「フリートーク」が一番刺さったのである………というところで4話はおしまい。
第5話:ばんかい!
初めての地方営業で見事にスベった「とこなつ」と「R凸」の4人。
「ふりいくっ!」の富田は、そんな4人を元気づけるために外に連れ出す。
富田に連れていかれた場所で4人はあるものを目にする。
地方営業最終日、4人は笑ってもらうことができるのか。(公式サイトより引用)
まあ、タイトルの通りばんかいできるんですけども。そんな5話、ばんかいの仕方がとにかく恐ろしい。
5話で「ふりいくっ!」の富田は、今回の地方営業先である、山梨の旅行に2組の漫才師を連れ回す。その結果、2組は山梨のネタが多数手に入り………山梨をイジった新ネタを作り、4話と同様の客層相手にウケてウケまくる………のだが、このときの山梨イジリネタが、まー、4話と比べて明らかに面白くない。もちろん、ネタの制作過程を見てしまったから、というのもあろうが、それにしたって、明らかにネタの「オモロ」の筋力が落ちている。しかし、現場はウケており、目の前の客を楽しませている。4話の時に「とこなつ」と「R凸」が披露した本ネタと、明らかにフォームも違う。ここで、我々は「面白いとはなんなのか?」「面白いからウケる訳でもないのか?」と、オモロへの向き合い方を、とこなつやR凸とともに考える時間となる。「面白いと楽しいは違う」という、ジャックナイフと呼ばれし頃の千原ジュニアの言葉も思い出さずにはいられない。
吉本興業は、ネタ監修を行なっている某現役吉本芸人は、この流れに乗じて
地方営業やオンバトの地方収録に対して、何か言いたいことでもあるんじゃないだろうか???そう思うと、こっわいアニメやで。
4→5話の段階で、自分にもなんとなくわかる範囲で、しかしそれでいて、あまりにも生々しい営業のリアルを突きつけてきた「まえせつ!」。思えば、最も見てらんないことでお馴染みの1話では「誰も笑ってないギャグがある」という、意外と多くの芸人の売れる前のエピソードとして聞くようなリアルを持ってきていた。あの、第1話はリアルを描写するために「ツカミ」を犠牲にしたものだったのである。また、4→5話ではあまり直接的に出てこないが、「ふりいくっ!」よりさらに売れた漫才師として「JKクール」というコンビが出てくる。
「JKクール」は、ハイスクール漫才に優勝して、現役女子高生ながら吉本興業に所属しているコンビである。吉本興業監修であるため、進研ゼミから送り付けられる漫画のような広告臭の拭えなさには目をつぶってあげたいところだが、それ以上に「時事漫才」として、「魔女の宅急便の黒猫の話」→「電車の中のジジイの話」と話をスライドさせていく漫才や、「三角関数に関する話」というマジのクラスの隅っこみたいな漫才などJKクールの漫才が作中で一番つまらんことには目をつぶれないとところである。が、このつまらなさ、もしやわざとなのではないか???という疑念が沸々と………。なんだなんだ!!!キャラだけで売れてて、ネタの中身がロクでもない芸人がいるとでもいいたいんか!!!!キャラだけの芸人が売れる現状に何か言いたいんか!!!!モデルは誰かおるんか!!!!………ひとまず凄んでみたが、忌野トーシローである私がここに口を突っ込む権利・意義はあるのか?もしかしたら、ないのかもしれないが、実は、「まえせつ!」こそが、そういう権利を与えてくださっているのかもしれない。そう思うと、このアニメは笑えるかはさておき、「面白い」と思ってしまうのです。私は6話も見ますし、7話も見ます、なんなら12話で、どうオチるかも、見ます。ええ、見届けてやりますとも。
(おしまい)