エンドレスエイト全話感想文

どうも、こんばんは、オルソンです。

 

 

あいも変わらず、GYAO!を見ている。毎週見るバラエティは決まっている*1として、あとは無料配信されているアニメで面白そうなのを見るという乞食生活をしている。12月になり、多忙になったのでGYAO!を見る時間はないかと思いきや、12月からギガモンスター契約となり、電車の中でも、一人飯でも、向かいのホーム、路地裏の窓、交差点でも夢の中でも、通信制限を恐れることなくGYAO!を見れるようになったため、GYAO!を見る時間にさしたる変化はなし。こんなとこにWi-fiがあるはずもないのに動画をガンガン見るギガモンスターと化している。

そんななかで、GYAO!で無料配信されていたのが「涼宮ハルヒの憂鬱(2009年放送版)」。2009年か。この時の自分は変な尖り方していたのでアニメなんか全く見なかった。レッドシアターとかリンカーンとか見てた。しゃべくり007も見てたかな。しゃべくり007は何であんな番組になっちまったんだ。…そんなわけで、GYAO!でアニメも見てきたことだし、アニメを全く見なかった2009年の自分でさえ、タイトルくらい聞いたことあったし、何なら涼宮ハルヒの顔と名前が一致していた(こういう人間がゼルダの伝説の主人公を「ゼルダ」と言い出す)し、まあ「ベタに見ておかなアカンやろ」ということで古典文学でも見る気分で見ることにした。「よくもまあ、こんなどうかしてる設定のアニメがちゃんと売れたものだ」と妙な感心をしながら見進めていると、「第13話エンドレスエイト」の配信情報が。「これか〜〜〜〜!!!!!」と思いながら、エンドレスエイトも見進めた。というわけで、前置きが長くなりすぎて食べログのレビューだったらめちゃくちゃイラつかれてる頃だが、この記事ではエンドレスエイトの全話感想文を書くぞ〜!!!!!ウオーーーーーー!!!!!

 

以下、シャレにならないくらいエンドレスエイトのネタバレしているので、嫌な人はさっさとブラウザバックしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一応、もう一回警告しておくけど、この下はエンドレスエイト全話ネタバレだよ?大丈夫?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SOS団の夏休み回。応援する高校が出てるでもなくダラーっと甲子園がただ点いてるだけというあるあるな始まり方から、プール、昆虫採集、天体観測、と様々な夏らしいイベントを切り取ったサマは典型的な日常系アニメといった感じのユルさがあって良い。ハルヒがプールを上がってくる時のアングルなんかはちょっとあざといが、アニメっぽいといえばアニメっぽい。ユルい日常の空気に際立つハルヒの狂人性とそれを受け止めるキョンのツッコミのワードも好調。「飛び込み禁止の文字が読めんのか」「ゲロゲーロ」「どんだけ奥ゆかしいんだ、お前の脳内火星人は」。個人的に好きだったのはセミ捕りの件。「待てよ!美談っぽく言ってるが…勝手に一方的に捕まえただけでは…」…うーんこの、ハルヒナチュラルな狂気、沁みるね。

 

ループが発覚する回。前半結構ゆっくりフっているが、わかりやすく演出したり、切り取り方を変えたりして、再放送と誤認させずに不穏な空気を煽っている。「安眠を奪ったのは一本の電話だった」と、よく聞くとハルヒからではないことを何気なく伝えるセリフ回しも絶妙だ。

ループがわかるきっかけとなるみくる、ループを記録できている長門、という展開も、設定の地盤があるからこそ自然で、大袈裟に言えば伏線回収のような美しさがある。ループが発覚してからの展開もスマート。「15000回ということは594年…それをずっと記憶しているってどんな気持ちで過ごしていたんだ…?」、「どうせ時間が戻るなら宿題なんかやっても無駄だ」…延々とディティールとしての心境が掘り下げられるだけの時間がどこまでも美しい。

 

また、甲子園をダラーっと見る件から始まる日常パートは視聴者にとって「ループしてることがわかった上で見れる回」となっている。そうなると前話や前々話にあったセリフの一部の意味合いが変わってくることに気づく。「涼宮さんも結構常識的な楽しみ方を身に付けるようになった」は分かりやすすぎるとして、「(長門には)何となくお世話になっている気がするから…」なんかは本当に綺麗。………綺麗なんだけど、さすがに見せ方が冗長過ぎやしないか?今年のキングオブコントで、マヂカルラブリータイムリープのコントをした時、審査員のバナナマン設楽が「ループものってダレがちなんだけど、コンパクトに纏めててすごい」みたいなこと言っていたんだけど、これを見るとマヂカルラブリーの凄さを身をもって思い知らされますね。

 

「俺とは縁もゆかりもない県同士の試合を何となく眺めていると、何となくだが、ハルヒが騒ぎ出しそうな、そんな予感がした」、タイムリープっぽいツカミの曲げ方がわかりやすい。…今更分かりやすく示す必要はないはずなのだが。

BGMの演出が重ため、雲の向こう約束の場所ばりに飛行機を推してくる、などややエポックメイキングな回。この異質さが、「ループしてるようで少し違う」という差を分かりやすくしている気がする。この回は特に服装が妙だったような。上手く言い表せないんだけど、あまり着ないし、着てる人もそんなには見たことない感じの。あと、ハルヒキョンにたこ焼きをあげる位置も違ってたなこの回。

また、浴衣を買いに行く件などがバッサリカットを食らっているなど、序盤のパートはある程度高速化してある…が、ループ発覚後の流れは速くなってないし、というかトータルの尺が変わるはずもないし、それでいて何かが進展するわけでもない。しろよ。前話での、マヂカルラブリーのコントで「ループしてない!?(中略)こんなとこじゃなくない!?」ってセリフがあるけど、エンドレスエイトも大概ここじゃないからな。

 

前話のようなサクサク編集カットではなく、1話のような丁寧な描写に原点回帰。なぜだ。…みくるが未来に帰れないという悲壮感を最終日に際立たせることには成功していたような気はするが。プロットでの差別化が弱いのを飛び込みの時の水中目線や長門越しの「何でも言うこと聞くから…」などカメラワークで補おうとしている回。飛び込みシーンなんか、天下の京アニといえど、このカメラワークで書こうと思うのは、後にも先にもこのアニメくらいでしかないのでは(超適当)。

前話との変化といえば、セミ捕りの時のハルヒの服装が完全にスーパーヒトシ君だったことと、なぜかループの計算過程が出てきたことくらいしか面白みがない。

あと、キョンのツッコミも変化しているんだよな。同じ展開に対して多様なツッコミを見せるというのはジグザグジギーのコントを彷彿とさせるが、23分×8話=184分≒3時間も、ジグザグジギー宮澤が「喫茶店」とか「池田勝」とか言っていたらお互い何らかの病気になると思うので、そう考えるとエンドレスエイトって半端ないと思う。見る側への配慮ゼロやもん。そんなんでけへんやん普通。見る側への配慮ゼロなんやったら先言っといてくれよ。

終盤が妙に冗長なのもこの回の特徴。ハルヒが店を出る件の繰り返しは、GYAO!がバグったのかと思ったぞ。ループの中でループすんな。

 

またしても、甲子園をダラーっと見るところから始まり、オープニングはSuper Driver。普通にこの曲嫌いになるぞ。あと甲子園も。そういえば、これ配信で前知識ありかつある程度まとめて見ているからまだマシなだけで、自分が好きなアニメが突然こうなって、終わりも見えないとなったら普通に地獄すぎますね。そんなことになっていたら、市民プールの塩素の匂いも、盆踊りの屋台特有のぼったくりなお面もめちゃめちゃ嫌いになるし、乗ったタクシーの運転手が道をカーナビに頼っていたらすっげえ不安になるし、カエルの着ぐるみがビラ配りしてるのを見たらボッコボコにする社会不適合者に育っていたまであるな。そう考えると、こんなにも教育上良くないアニメなんか他にないですよ。

市民プール行くキョンの服、ガリガリガリクソンみたい、縁日に行くキョンの服は完全にΣ。服装をイジるくらいでしか遊べないんだ、このエンドレスサマーでは。あとは、プールでみくるが重傷を負う回だったな、うん。

演出面では、セリフと映像が噛み合っておらず、セリフに必要なはずの映像が一部歯抜けているという初見を前提としていない独特の巻き方をする回。「同じようなシーンばっかり見せてもしょーがない」ということにやっと気づいたんだろうか?もっと早く気づけ。企画会議の段階で気づけ。

あ、ただ、天体観測と8月30日の喫茶店の間のイベント消化の畳み掛け方は8回の中で一番好き。

 

当然だが、この回もダラーっと甲子園を見ているとハルヒから電話が来てSuper Driver。7回も同じ内容のアニメを流すことを当然と呼ぶのは我ながらどうかしてるとは思う。何が「Day by day うんざりだよね」だ、それはこっちのセリフだ。何が「あれもこれも未体験」だ、アメリカのコメディの「オーマイガー」みてえな動きしやがって。確かに8週連続同じアニメ放送はお互い未体験だろうけど!というか、声優にとっても未体験だろうな。台本見て度肝抜かれただろうな。だって8話だいたい同じ台本だもん。でも、映像はちょこちょこ変わってるので、レコーディングは逐一しているんだろうな。頭おかしくならないのかな。演出とか作画とかも。でも、声優はセリフ合わせが超楽だったかもしれないな。お前らの夏休みでもあったんかい。

本編は、なんとまあお変わりなく。変われよ。ただ、ハルヒらが浴衣を買いに行く店の向かいの服屋の名前がENDLESS。うるせえよ。3〜4回目くらいだったらウケるかもわからんけど、7回もループ見せられたところでそのボケがウケると思うなよ。「放送禁止みたいですね」とか死んでも言わねえからな。「しじんの村の看板が最後のシーンだけ傾いてるって奴みたいで面白いですね。」とか絶対言わねえからな。

演出は、Ⅳ以来の重ため回。なのだが、盆踊り後の花火自体は尋常じゃなくはっちゃけてる回。演出と登場人物の行動がこんなに噛み合わないことあるかね。

 

プロットは相変わらず相変わらずアンド相変わらずだが、「聞きたくはないが」、「控えおろう」、「思い立ったが吉日」、「掬い放題破り放題」、「全く欲しくない称号だ」、「バイトという名の我慢大会であります」、「信じる者は救われる」など余計なワードが多い回。こういう余計なワード自体は入れ込んでくる心意気込みで好きだけど、もう少しバランスよく入れろよ。7回も入れるチャンスあったんだぞ。

オチは散々フッた割に「宿題」というしょーもないスカしオチ。ただ「ループするから宿題をやらないからループする」という入れ子構造はなかなかに興味深い。この構造、このスカしオチを効果的に魅せる方法、それは「アニメ8話分、約3時間はフりすぎ。もう少しコンパクトに纏めよう」の一言に尽きる。…なんてことは、当時の視聴者全員が一番身に沁みて分かったんだろうな。そんなことを身に沁みさせるなよ。エンディングなしでまったりと終わりやがって、「アニメ制作Kyoto animation」ってイタリックっぽいロゴをデカデカと表示しやがって、恥ずかしくねえのかよ。こんなアニメ制作するなよ。途中から飽きて、動物の作画凝りまくってたのわかってるからな。青黒い蝶とか凄い綺麗に飛んでたけど!蛙に雨の雫が垂れるのとか無駄に風流だったけど!飽きるくらいなら、フリ→ループ発覚→ループ発覚後のフリ→解決の4話で良かっただろ!それでも長いは長いけど!エンドレスエイトⅧの感想と見せかけて全体の感想を綴って「総評」を削ったところでおしまい!おやすみ!

 

(おしまい)

*1:相席食堂、勇者ああああ、有田ジェネレーション、全力!脱力タイムズ、千原ジュニアの座王、ゴッドタン。冗談騎士?あれは不定期水曜日放送なので…