キングオブコント決勝直前SP!漫才師が選ぶ面白すぎて嫉妬した最強コント、感想文

どうも、こんばんは、オルソンです。

 

 

本日、キングオブコント2018の決勝であった。が、その感想文は今日は出ない。というかこれを書いているときはまだキングオブコント決勝をやっていない。だから誰が優勝したかも知らないし、誰が決勝進出者かも知らない。何かシークレットだと発表されたその日に5chに流出してたけどな!1週間くらいあとにシルエットの形で公式がCM流してたけどな!すぐ当てられた上に、5chの流出情報と完全に一致したけどな!あと、あのシルエットがGAGだとしたら、ヅラ被った状態ですよね?シルエットクイズでヅラ被った状態を認めるなよ。そういう細かいところから大きいところまで全部が粗いぞ、どうした今年のキングオブコント運営?

 

そんなわけで今年は「19時〜20時は過去のキングオブコント振り返り」→「20時から決勝本編スタート」という流れをやめ、19時からストレート本編で放送された。なので、事前特番はないと思われたが…

ナイツ、ノンスタ、ハライチ岩井らが“面白すぎて嫉妬した”コントとは - お笑いナタリー https://natalie.mu/owarai/news/300252

平日深夜にしっかりやってきました。コントのことを漫才師に聞いてどうするんだ?と最初は思ったが、見てみると、キングオブコントと無縁の芸人に選ばせるからこそよかったような。よくやった運営。何も考えてないだけな気がしないでもないけど、お手柄だぞ運営。絶対、流れると思った忍者ショー(キングオブコント2011年のロバートの1本目。優勝作品。なお、以下特記なき場合「キングオブコント」は省略して表記)と帰省(2012年のバイきんぐの2本目。優勝作品にして「何て日だ!」の元)が流れないのもよかった。というわけでネタと芸人のトークの感想を綴ることにする。

 

まず出てきたネタはさらば青春の光のぼったくりバー(2012年1本目)。「さらば森田は未だに飲み屋で『那由多!?』って言ってる」というエピソードが、らしすぎて好き。あと、井上が2015年のロッチのネタについて言及した時「試着室」ではなく「フィッティングルーム」って言ったのもらしさ全開だったな。ちょっと笑っちゃったよ。

しかし、彼らが本当に1本選んだネタはしずるの張り込み(2016年)。青春コントやパンティ(2010年2本目)などに見られる「カッコイイように見えるがその実中身はない」という意味でしずるらしさ全開のネタだ。フリが丁寧なので「ずっと張り込んでいるビルに犯人はいない」という設定はバレやすい…が、それでも面白いのは演技力の賜物というか、「誰もいない!」という池田の叫びによるところが大きい。何で誰もいないところで「誰もいない!」って叫んでるだけであんなに面白いんでしょう?「誰もいないところで銃なんか撃つからだ!」、村上からの「誰もいない…」、「誰もいねぇのになぁ〜って思ったよ…」と、ノンスタ石田の言い方を借りると「誰もいない、にこんなに言い方があったなんて」、それをさりげなく見せる構成含めて巧い。

屋上で二人がダラダラ語り合うオチはもっとウケてもいい。ただ、ダラダラしてるだけに見えて、ちゃんと序盤のフリを回収している、という。確か、このとき5位と1点差で最終決戦逃したんだよな…勿体無い…。

余談だが、ノンスタ井上は「この時ついに、自分たちが好きな銃を使ったコントで決勝進出した」みたいなこと言っていたが、2010年のシナリオ(1本目)の時から…いや、2009年の冥土の土産(1本目)の頃から銃を使って決勝に来ていたはずだが………。

 

最初に何本かネタを挙げていくくだりではにゃんこスターの縄跳び(2017年1本目)、バイきんぐの帰省(2012年2本目)、コロコロチキチキペッパーズの卓球(2015年2本目)の3本。にゃんこスターの縄跳びを「やってる方が楽しんでる」と評しつつ、コロチキの卓球を挙げる、という軽めの芸風のネタチョイスがトレエンらしい。バイきんぐは「帰省」より普通に「卒業生」の方が好きなのは俺だけでしょうか?

しかし、彼らが選んだネタは結構しっかりしたコントである裏口入学(2010年のTKOの2本目)。裏口入学を頼まれ、お金を手渡された校長が「お金はいただこう、でも息子を大学生にするのは無理だ」と、目の前で堂々と詐欺をするコントだ。これも設定の発想はベタで、2人(キャラクターの強さでは木下)の演技で骨太なコントにしているんだよな。「コツコツ頑張って働けぇ!」のような「詐欺師が無茶苦茶すぎる理論で金をいただこうとするボケ」と、「さわたまのかまたり」、「海物語の攻略法を教えよう」のような「ワードセンスによるボケ」が織り交ざったコント。当時より今の方が面白さがわかる気がする。最後はなぜかポーランドがめっちゃdisられて終わる、という謎すぎる着地点が非常に面白い。

 

  • ナイツ

ここからなぜか、ネタを列挙する件がカットされる代わりに1組2本紹介、にルール変更。なぜ番組途中でルールが変わる?

まずナイツが選んだネタはバナナマンの朝礼(2008年1本目)。まずキングオブコント事前特番で2008年第1回大会の映像が見れるとは思わんかったわ。んで、このネタは確かに凄い。大振りのボケがそこまでなく、それと朝礼中という設定ゆえツッコミも大振りじゃない。「ボケとツッコミが曖昧」とされるバナナマンらしいネタだ。何となく日常系アニメっぽさがあるんだよな。流れるように小さいボケが連なってオチの大ボケに自然にたどり着くというある種の快感。あと、日村の「ハイ、ふざけてました…」の言い方と顔が完璧。先生が来て怒られたんだって瞬時にわかるもんな…。

ナイツが選んだ2本目はかまいたちの告白の練習(2017年1本目)。漫画やアニメやドラマでは逆に困難な、コントでしかできない叙述トリックを取り入れた作品…なだけに、タイトルが「告白の練習」はダメだろ。塙が悪いのかスタッフが悪いのか…とにかく、そこは隠さないと…。「告白ではなく告白の練習とバラされる」→「告白の練習を続ける」→「練習見つかった時の練習を見つかった時の練習の…のループ」と3パートある満足感。第1パートのやられた感デカい笑いはめちゃくちゃ面白かったし、第3パートの山内の鬼気迫る演技も笑ったのはよく覚えてる(ここでナイツ塙がスタンガンとそれにヒく観客に面白さ見出してる件が最高)し、何より現行審査制度にもマッチしたコントになっているが、中盤の「告白の練習パート」のボケが全て「告白」ではなく「告白の練習」でしか成立しないボケになっていることにも気づかされる。「般若の山内」の、中盤と終盤を繋ぐブリッジとしての優秀さも含め、やっぱり優勝作品は無駄がない。

2本のネタ終わり、まさかナイツが卯月の解散に言及するとは思わなかった…けど、あの話は本当なんだろうか?

 

実は今回コントを紹介した5組の中で唯一キングオブコントファイナリスト経験がある(2012年)。が、全く言及されず。

1本目はモンスターエンジンのミスターメタリック(2011年1本目)「ヒーローものの、特定のシーンだけ切り貼りしたYoutube動画」という2018年基準でも他の芸人が誰もやっていない設定、当時のそういう動画あるあるの「シーンの継ぎ目で暗転しながら音声は垂れ流れる編集」、番組全体をコントにはできないが番組内容を想像させる笑い、と、とにかく構成の斬新さだけで勝負できそうなネタだ。確かに当時一番頭に焼きついたフレーズ「ミスタ〜〜メタリーック!」だったわ、そういえば。オチは粗い、でもこういう粗いオチでこの番組が打ち切られたんだろうなあ、と考えるとむしろオチの粗さが面白い…と思うのは僕だけでしょうか?(2回目)

これも余談だが、一番好きなフレーズは各々センスが出そう*1、なとこだと思うんだけど、銀シャリ橋本と自分で一番好きなフレーズが完全一致していたのでちょっと嬉しくなってしまいました。「琵琶湖の水を全部飲んだのはお前か」

2本目は東京03の旅行(2009年2本目)。テンションの上がる旅行が一気に気まずくなる、という東京03の芸風をそのまま表したコント。「初日に告白すんなよ!3泊あんだよ!」や「この旅行中は絶対仲良く振る舞ってもらうからなぁ!」は彼ららしい着眼点とセリフ回しだ。

この時は「変な店員に客がツッコミを入れるコント」でおなじみ、サンドウィッチマンと芸風の異種格闘技戦が起きていたんだけど、あのオチでねじ伏せた感。さすがコントの王様。

 

  • ハライチ岩井

なぜか澤部不在で取材を受ける岩井。初耳学の収録にでも行っちゃったんですかね?しかも彼が挙げたコントは1本のみ。1本しか挙げなかったのか、編集で切られたか。もし後者だった場合また腐っちゃうぞ。

そんな岩井が挙げたコントは2700のキリンスマッシュ(2011年2本目)。顔出しナシ生声のセリフナシという攻めた構成のコントであり、以前このブログでも言及した*2が、あらすじは「キリンが運営するキリンのさじ加減一つやろ賭博にゾウが有り金(有り林檎?)を全て突っ込んで破滅する」というコントだ。当時、2700が準優勝を決めたネタだが、このあらすじにハマらないと、何が面白いのかわからない状態になう。事実自分は、当時よりは面白く見れたけどやっぱりハマらなかった。合わないんでしょうね、自分には。当時八十島のブログが炎上し、本人も「劇場に直接こい」などと反論していた、と今でも覚えている。が、キングオブコントではない場で「変なギャンブルに手を出して破滅する人間」を描いた、より分かりやすいリズムネタとして「あなたのルルルが聞きたい」というネタを披露していたのを見て、我々キリンスマッシュ笑えない派を見放さないネタ作りに少し感動した記憶がある。そんなネタです、キリンスマッシュ。

 

(おしまい)

 

*1:「構わない、燃やしていい街なんかないからねえ」や「顔が機械ならオシャレな帽子を被ればいい!いろんな帽子を持ってます!」など

*2:http://orsonblog.hatenablog.com/entry/2017/10/04/001041