THE Wネタ以外の感想文

どうも、オルソンです。

 

 

12月11日、女芸人No.1決定戦THE Wが放送された。大変、充実した内容でしたね。有機ELくらい厚みがあるというか天保山くらい高いクオリティの番組というか。そういうお笑い賞レースだった。そんなわけでネタの感想文は書きたくないんだわ。書きたくないんだわ(cv.紺野ぶるま)。そうです、アレです。M-1グランプリ2017でマヂカルラブリーのネタ終わりに今田耕司にコメントを振られた上沼恵美子と全く同じ心境なんです。

というわけでここからはTHE Wのネタ以外の感想をつらつらと書いていきます。

あ、そうそう。言い忘れたけどTHE Wのネタバレゴリッゴリにするのでそこは注意です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 審査員

審査員はヒロミ、生瀬勝久新川優愛吉田沙保里若槻千夏柴田理恵の6名と一般審査員395名で一人一票。

何がすごいって、久本雅美とともに、WAHAHA本舗を支えてきた女芸人の重鎮が一般人と全く同じく一人一票の原則を守っているところですな。選挙が終わるたびに問題になる一票の格差」という概念のない平和な世界が広がっております。もちろん柴田理恵もヒロミもその他タレントも今までタレントとして積み上げたものは一旦全部捨てて一人一票になる平等さはどんなに赤い共産主義国家も真っ青ではないでしょうか。ヤバいよね〜。

コメントが良かったのは若槻千夏生瀬勝久、ヒロミ。まとばゆうとの絡みを「震えるくらい怖かった」と評したのは今回の若槻千夏のベストアクトにしてTHE Wのおもしろシーンベスト10候補の1つ。生瀬勝久とヒロミはいつも通り。ヒロミに関しては番組のクオリティが低い中いつも通りだった分、相対的にめちゃくちゃ面白く見えたな。この現象については後述する。

あ、最後に今更だけど点数が出てくる前にいつの間にか芸能人の審査員が投票しているシステムはめちゃくちゃ怖かったです。

 

  • キャッチフレーズと煽りVTR

ここだけは1組ずつ丁寧に書くか。全体的には音楽がまあまあカッコよかったのと、jubeat copious感のエグさがたまらんかったね。ところで、「BGMだけはいい」って結構有名なクソゲーあるあるだったような…。

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(※参考画像)

さて、大体のネタ番組には芸人にキャッチフレーズがつけられ、大体のお笑い賞レースには芸人の紹介VTRがつく。そこで、このキャッチフレーズと紹介VTRの感想と採点を1組ずつ丁寧に書いて行こうと思う。余談だが、THE W の本ネタより、どぅっかん!どぅっかん!の早見沙織の呼び込み*1の方が925兆倍面白かった早見沙織出てないんですか?出てないとしたら何でですか?もしかして早見沙織って男なんですか?それはブレンド・Sの見過ぎですかそうですか。

1、はなしょー

キャッチフレーズは「全力コミカル少女」。キャッチフレーズ自体はスキマスイッチ感が濃いな、以外の感想を抱くのは困難ではないでしょうか?(個人の感想です)そんなに悪いキャッチフレーズではないが、紹介Vの中盤、ネタ帳を出す件でもう一回「全力コミカル少女」ってテロップを出した、アレはいらないんじゃないかな、と。

ちなみに、結成5年目でネタを160本も作ったということだが、彼女らはそのうちいっぱいネタを作るよりも1本勝負ネタ作ってそれを磨いた方が良いということに気づくのだろう。俺は色んな芸人のインタビュー見てきたから詳しいんだ。キャッチフレーズ、煽りVTR共に70点で。

 

2、ニッチェ

キャッチフレーズは「ネタで売れたい人気者」。紹介Vでもメシ食ってたりメレンゲの気持ち出てる時だったりの映像が流れていたが、あれは恐らく全て日テレの番組の映像な訳で、そう考えると日テレがそういう使い方しとるからネタよりロケなイメージになるんやろがいと思った。というか、ニッチェに関しては売れたきっかけはオンバト+の常連を経て、民放のネタ番組でネタをしたことだったような…?この辺の認識がズレている時点でいくらでも逃げる余地はあったのである…嫌なら見るなということだったのである…。採点は50点。

 

3、アジアン

キャッチフレーズは「復活!ナニワの女流漫才」。内容としては、隅田が婚活にあたってブスいじりを避けるためにTV出演を止めたが、劇場にはしっかり出て漫才をしていたという、ネットで見たような内容である……………劇場で漫才やってたんなら「復活!」じゃねえな!(cv.石田たくみ)。あぶね〜。2周目でやっと気づいたぜ、あぶね〜。これ普通にひどいな、ニッチェの下でいいでしょう、45点でいいでしょう。

 

4、紺野ぶるま

キャッチフレーズは「小悪魔系ネタ職人」。「他のファイナリストよりビジュアルが頭一つ抜けてる」って自分から言っちゃう紺野自身の性根みたいなんは好きだねえ、いいねえ。ただ、ファンがオタク拗らしたおっさんばっかで見た目めあてみたいな情報操作は良くないと思いますよ。3人目のファンとかバッファロー吾郎Aと野田まんじゅう足して2で割ったような顔だったもんな…。もう一つ、気になるところははなしょーとネタ帳にネタを書くシーン被りしていたところ。女芸人ってパソコン使えないんか?

あ、あと最後に家族で見ていた人も多いと思うので、AVパッケージモチーフの単独ライブポスターを出すのはやめてあげてください。まあ点数は55点くらいかなあ。先のニッチェ、アジアンと違って細かい粗がチクチクくる感じって大きく減点しにくすぎるな。

 

5、中村涼子

キャッチフレーズは「負け組からの逆襲」。あらすじは同じ事務所で後輩である平野ノラ、ブルゾンちえみアンゴラ村長なんかが先に売れて行ったという賞レースの紹介V的にも芸人全般としても良くあるっちゃ良くある内容のもの。いや、ちゃうねん。アンゴラ村長に関してはナベプロ所属しててブレイクしたんやのうて、ブレイクしたからナベプロ所属になったんや。あと、「(後輩が先に売れて行って)めちゃくちゃ悔しいです」と本人が言ったあとの「悔しい」しか表示されてない実質情報量ゼロの画面なんかも気になるといえば気になるところ。点数は65点。減点しにくいんですよね。紺野ぶるまの紹介V以上に粗が細かくて少ないってのもあるけど何より、本人のひたむきさとかがよく出てたんで。

 

6、牧野ステテコ

キャッチフレーズは「どん底からの脱出」。紹介Vも、ブルゾンちえみにゃんこスターが売れて行ったという奇跡に乗っかって行きたい…って直前の中村涼子と趣旨が被ってるやんけ!とはいえ、どの芸人もそういう奇跡に憧れてるんだろうなあと思うと、趣旨被りはそんなに気にならない。ちなみに、牧野が「私もその奇跡みたいなやつに乗っかりたい」と言った後に、「奇跡にのりたい」というテロップだけ表示される情報ゼロのシーンがある、という点も中村涼子と被ってました。でも普通にいい紹介Vだったのでは。80点で。

 

7、まとばゆう

キャッチフレーズは「狂い咲きのピアニスト」。どうしても「狂い咲き」と言われると、艷道感といいますか小梅太夫感が拭えないわけだが、紹介Vは意外にまとも。ここまできたらもっとゴミカスであれ!まとばゆうが演奏会をしている老人ホーム職員がまとばゆうを「先生」と呼んでいることに、取材スタッフが「先生?」とドタメ口で引っかかていた件は「いいだろ別に!ピアニストを先生って呼んだって!」と思ったけど。というわけで、紹介Vとキャッチフレーズ総合で62点。THE Wのくせに普通に凡打を打つな。

 

8、押し出しましょう子

キャッチフレーズは「鳥取市役所勤務」。僕、これ好きですねえ。何しろ勤務地がそのままキャッチフレーズになることあります?あまたの吉本芸人が賞レースの決勝出てますけど、キャッチフレーズが「よしもとクリエイティブエージェンシー所属」だったことあります?あまたの売れてない芸人が賞レースの決勝出てますけど「セブンイレブン勤務」だったことあります?そう考えるとこのキャッチフレーズはすごい。表笑いと裏笑いが絶妙なバランスで共存していると思いますね。紹介Vもキャッチフレーズの雰囲気そのままのハードルを上げる要素が皆無のまま進んでいく。ハードルを上げる要素皆無って意味では最後の「準決勝で一番ウケてた」って件は余計と言えなくもないけど。でもこれはやっぱり100点でいいんじゃないかな。普通に評価できるものは普通に評価したいので。

 

9、どんぐりパワーズ

キャッチフレーズは「合計200kg」。ここはもう見てた人なら分かるでしょ?こんなん0点…いや-30点でしょ。なにせキャッチフレーズ同様紹介Vも二人のデブ一点押しで作ってるのに、やったネタが「太ったので肥満外来に来たら医者もデブ」って設定のネタやったので、掴みがお亡くなりになられてそのまま掴み損ねてズルズル行って終わるという。過去、キングオブコント2016のしずるやキングオブコント2014のラブレターズM-1グランプリ2005タイムマシーン3号のように紹介Vの内容がネタと噛み合わなかったり、ネタバレが過ぎる紹介Vだったりして変な感じになった芸人はそこそこいるが、その中で一番最悪なパターンの奴。もちろん、デブネタを引っ張るのでデブで掴み損ねたら終わるネタを持って来てしまった彼女らの責任も全くないわけではないか…???と思いながら、THE W準決勝レポを漁ったら、準決勝でも同じネタだった。いくらでも防げた事故だった。

 

10、ゆりやんレトリィバァ

 キャッチフレーズは「売れっ子の本気」。R-1ぐらんぷり3年連続決勝進出をビッグタイトルとみなさない*2無駄なストイックさが本当に無駄だったが、内容は普通………あ、そうだ!まとばゆうが歌ネタ王決定戦で決勝進出してた情報伏せとったな!と余計なことを思い出す。百合やんの紹介Vは…まあ普通も普通じゃないでしょうか?67点で。

 

  • ステージ

第一印象は「狭くない!?」ということ。どこケチってんねん。牧野ステテコみたいなステージ上を広く動くタイプの芸風の芸人がやりにくいやろ。というかオンバトより狭くなかった?

そして狭いステージに詰められた隠れミッキーならぬ隠れWの数々。ネタがつまらないときは隠れWを探すと気が紛れるので良かったです。真ん中の大きなWは言わずもがな、その左右に4つずつ中くらいのW。これも言わずもがな。中くらいのWのさらに左右の赤い部分には小さいWが。これもカウントすると20個はありますね。何のゲームだよ。あと、大きなWの下も何もないと見せかけて、2個ほど小さいWがあります。いやだから何のゲームだよ。そんで小さいWを囲んでるひし形もよく見ると頂点一つ一つがかなり小さいWになっています。本当に何のゲームなんだよ。

あと、このステージ酷いのが、左右(専門用語でいうと上手下手)にしか出入り口がない、つまり真ん中に出入り口がないんです。その出入り口はオンバトにもあったぞ?ちなみにニッチェの一本目のオチで近藤はどぅっかん!どぅっかん!で見たときは真ん中にはけていったのに、THE W ではそれができなかったということで。ネタに支障が出ております。オイコラ。

セットのクオリティは低くなかったけど、押し出しましょう子のホワイトボードはどうにかならなかったんでしょうか?そら横長のホワイトボードに縦長の模造紙貼ったら豆腐とごぼうの辺りから紙ガサガサってなるでしょうよ!気づけ、スタッフ!スタッフのバカ!アンポンタン!ここまでスタッフがアンポンタンだと、ゆりやんの2本目のオチで襖の裏の木組みが思いっきり見えてたことや、ニッチェの2本目がフェードアウトオチなのにオチのSE早めに流しちゃって、近藤の声とオチのSEが被っていたのは、自分以外誰も騒いでいないので無罪ということになりますな。

 

  • 観客

放送時間中、Twitterの検索窓に「THE W」と入れると「THE W 笑い声」とサジェストされるほど不自然だった笑い声がとにかく印象的。まあ俺は幼少期からエンタの神様とともに生きていたのでそんな気にならなかったですけどね(謎のイキリ)。

ごめん嘘です。実際は酷いもんです。もうトップバッターのはなしょーが舞台に出てきて3秒、まだフリどころかセリフすら発してない段階で結構ウケてたでしょう?結構ウケてたでしょう?じゃないんだよ。何が見えてたんだよ。観客全員マジックマッシュルームでも食ったんか。だとしたらエンドロールで流れてた一般審査員のリスト、容疑者名簿じゃねーか。

あと、笑い以外のリアクションね。これも酷かった。特に酷さが詰まってるのがアジアンの2本目。登場の段階で客席「フー!」。「私、頭から曲が抜けるメロディ作曲してきた」という設定の定時で客席「へぇ〜」。ふざけんな。そんなんいらんねん。作曲できるなんて嘘に決まってるだろいい加減にしろ。賞レースの客席がキングオブコント2016より酷くなることなんてあるんですね。というかお笑い賞レースどころかネタ番組全般で一番嫌いな観客でしたね。アジアンのネタにはあまりなかったけどブラックネタへの悲鳴の閾値も低いんだ、ホントに。勘弁してくれ。

でも観客の反応で気になったのは、最終決戦が終わった後の徳井の「ニッチェは一本目にやってますからね〜」に対する「あ〜」。「あ〜」じゃないのよ、審査員よ。審査員全員短期記憶がないんか!?

 

  • 司会者

向かって左から順に水卜麻美徳井義実(チュートリアル)、間宮祥太朗

Twitterでも言ったけど、徳井義実の活躍は光ったね〜。最初結構ガチガチだったのを松本人志がイジることで観客ごとほぐすという。そういう意味で一番すごいのは結局松本人志といえなくもないけど、徳井義実現場で闘ったという功績ね。平場慣れもしてない、正直ネタのクオリティも良くない中で何としても出場者を傷つけないよう、でも笑いになるよう、そして審査に影響が出ないよう巧みに返して行く。つまり、演者がつまらないのでその分徳井義実のフォロー力が全部出る。この「面白くない番組で面白いことができるというプロの芸人の技が光る」状況は名医の太鼓判!という医療健康番組でFUJIWARAが魅せてくれる現象でもある。ちなみに名医の太鼓判!は、笑いの量はさておき医療健康情報が得られますが、THE Wは笑いの量はさておき、何の情報も得られません。医療健康情報が得られるという一点において、名医の太鼓判!がTHE Wを押し出しました。とにかく何が言いたいかというと、もう、今夜くらべてみましたで培ったスキルを全部出し切った徳井義実が優勝でいいんじゃないでしょうか?ということである。名前も女性っぽいし。

間宮祥太朗賞レースのMCを番宣で決めるという斬新なスタイルだったが、端々からお笑いをきっちり見てる人呼んだな、という印象はあった。滑舌が良くてコメント的確と番宣俳優以上の仕事はしているので番宣で賞レースMCになったからと言って彼自身は叩かれないといいな、と思う。ただ、次回からは尺を気にせる人間になるとなお良いな、とも思う。あと、これもスタッフの指示なんでしょうけど、「THE W第n試合」っていうたびにレンタルビデオ屋の暖簾を模った手振りをさせるのはどんなプレイだよ、と思った。

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(※参考画像)

水卜麻美は変な痩せ方してたな、ということしか印象がない。 まあ、印象に残らないくらい滞りない進行ができてたってことだろう。記事の流れ的にはむしろ滞って欲しかったのだが。

 

  • 総評

明らかに足してるとしか思えない笑い声、観客の客層、舞台や紹介Vの演出などあらゆる点が悪い意味で今の日テレらしいお笑い賞レースとなった。当たり前だが、ここまで日テレらしいお笑い賞レースは日テレしかできないので、ここまで日テレらしいお笑い賞レースはTHE W以外存在しえない*3のではないか。そう考えると震えてきますね。

書きたい愚痴は全部ぶちまけたので、もし第2回THE Wがあるのであれば、ちゃんとやるコウメ太夫ばりの腹爆発レベルの裏笑いを突き通すかしてほしい。意外と、M-1グランプリキングオブコントも初回は何だかんだあって、審査方法が第2回で速攻変えられたりMCが降板させられたりしているので第2回以降めっちゃちゃんとする可能性はないわけではない。でもそれは無理って言うのならせめて、コウメ太夫で笑ったら即引退スペシャルのような演者が可哀想と思わせる隙もないような腹爆発レベルの裏笑いを…。………………松本&高須の副音声聞けばまた違ったのかな?

 

(おしまい) 

*1:http://orsonblog.hatenablog.com/entry/2017/08/30/001641

*2:誰かが「え?THE Wってビッグタイトルだと思ってるんですか?」と実況ツイートしてるのを見たのには笑った

*3:日テレでの賞レース自体はワラチャン!とか過去にはあったようだが