M-1グランプリ2017決勝進出者を予測してみる話

早いもので、2017年もあとわずか。もう11月ですってよ奥さん。そして11月ということはもうじき12月、12月と言えばそう、M-1グランプリ2017の決勝ですよ奥さん!

 

というわけでついぞ先日M-1グランプリ準決勝進出者が発表された。

 https://www.m-1gp.com

M-1グランプリには敗者復活戦というシステムがあり、敗者復活戦はM-1グランプリ決勝当日である12月3日の夕方に放送され、視聴者投票によって誰が復活するか決まる。つまり、上記の一覧に載っている漫才師たちのネタはキッチリ地上波で見ることができるのである、バンザイ。そして今回はそんなM-1グランプリ2017の決勝進出者の予測を立ててみようと思う。こっから絞るなら、多分半分は当たる…当たったところで金品は出ないけど…。

 

1、優勝候補、王道の漫才がゴリゴリに仕上がっている人々

まずは、普通の漫才を普通にできる人たちから予想と紹介をしようと思う。普通の漫才を普通にやる、というのにも技術が必要であり、M-1グランプリがその部分を評価対象にするのは当然である。以下のコンビは、そんな王道漫才の技術が完成しきったコンビである。

 

ご存知、キングオブコント2017優勝者。彼らは優勝候補という以上に史上初のM-1キングオブコント2冠達成候補として優勝を最も期待されているコンビである。正直なところ、彼らのネタの発想はムラがあり、ダメな時は本当にダメなのだが、キングオブコント直後のワイドナショーでCDショップのコントを見るに、同じネタでも演技力が格段に上がっていることがわかったので、期待はできる。でも、やっぱり彼らは漫才よりコント向きなんじゃないかなあ…という思いはある。ただ、技術は安定して高いので決勝進出はマジであっていいと思うぞ、うん!

 

  • 和牛

M-1グランプリ2016において、一度は準決勝で落とされるも、圧倒的な技術で敗者復活戦をダントツで突破し、そのまま準優勝までのし上がったコンビ。何よりもツッコミの河西の声がいいよね。ツッコミをするために生まれて来た人の声といっても過言じゃないと思います。ここは、決勝上がるどころか優勝もあるってのが半分、去年を超えるものを決勝持ってこれるかが半分といったところか。準決勝で負けてもまた敗者復活戦でまくるので決勝進出は問題ない、と言い切っても大丈夫なコンビだと思います。

 

M-1グランプリ2016で3位*1のコンビ。ツッコミの武智が、ノンスタ井上が当て逃げしていた時の同乗者だったことでもお馴染みのコンビである…。オンバト+に出ていた頃は技術はあっても個性がない漫才コントをし、コンスタントにKBを稼いでオンエアされるコンビだったが、ボケの田中だけが1人コントに入るスタイル終盤で伏線回収などのトリックを仕掛けるスタイルM-1グランプリ2年連続決勝進出を果たす。2015年にはトータルテンボスを彷彿とさせる前のボケを終盤で畳み掛けるように繰り返し、2016年には「もう一人乗ってたん!?」の一言で設定ごと覆す叙述トリックを組んだコンビ。それだけに、2017年にこれらを超える仕掛けを持って来てくれるのか?そこが和牛以上に心配なコンビである…。まあでも和牛同様、決勝進出は確実だし、準決勝で落ちても敗者復活戦で捲るでしょう!

 

以前このブログでダイレクトマーケティングした結果、その記事が未だに閲覧者数ランキングベスト5から外れないコンビ、それがとろサーモンである。ボソボソとした語り口と歪んだ性格を引っさげたボケの久保田と、ボイスパーカッションなど無駄な部分込みで器用なツッコミの村田からなるコンビである。結成当初はスカし漫才というスタイルで人気になったが、現在はキャラに合わないという理由でオーソドックスな漫才コントをしている。上3組のような滑らかな語り口は一切ないが、人を食ったような語り口やボケには個人的に魅力を感じる。ただ、その芸風ずっと続けてて決勝進出できないってことは今年も無理か…?好きなんだけどなあ…。

 

2、新しい構成で勝負!漫才師たちの変則漫才

王道には王道の良さがあるが、M-1決勝にくるのは何も磨き上げられた王道だけではない。そう、漫才の新しい形そのものが個性となって、世に出てくる漫才師だっているのだ。そんな中から決勝に進出しそうな3組がこちら。

 

  • カミナリ

M-1グランプリ2016決勝進出。上沼恵美子にアホほど嫌われたこともあり、最終決戦進出は果たせなかったが、ツッコミの前にボケの頭をバシッとはたくスタイルが人気となり、一躍ブームになったコンビ。

以前、ある番組で三村マサカズが彼らのことを「あのはたく奴がなくても面白いんじゃないか」と評していたのだが、意外に言い得て妙。というのも、彼らのツッコミの前にはたくスタイルは伏線だとか、貯めないと分かりにくいボケだとかの回収及びそれに伴う爆笑の誘発の補助であり、実際は分かりにくいボケに対するツッコミにのみあのはたく奴を使い、伏線や自然な立場の転換などを用いてはたく奴が一番有効になるような漫才を作れる、構成力の高いコンビだからだ。もちろん、今年1年多忙だった分、去年ほどのネタは作れていないかもしれないが、ただ大声出してボケの坊主の頭蓋骨を陥没させるだけのコンビじゃないぞ!ということはまぎれもない事実である。

 

 THE Manzai2011及び2014の決勝進出者、ただしM-1決勝進出経験なしという経歴を持つコンビ。弊ブログでは2億回くらい絶賛しているコンビである。彼らの漫才の特徴は「ネタ合わせをサボった理由として、自分がゴスペラーズのボーカルだと言い張る」、「チアリーディング部は他の運動部と違って応援しているだけの部活だからいらない」などかなり鋭敏な発想を軸に屁理屈を展開するという構成が多い。発想一本の漫才のため、昨年は「女の子に告白する話がどう考えてもパチンコ」という間口の狭い漫才をして準々決勝敗退をしている。屁理屈を持ってくるボケは大概文田の方だが、根建の方も屁理屈に反論するうちにだんだんおかしくなるというシームレスなWボケを作ったコンビである。ボケツッコミのカテゴリではなく、議論の対立として漫才を展開する姿が非常にたまらない。決勝に進出すれば、ネタ特番にも呼ばれやすくなると思うので、まず決勝進出を!

 

新しい波24のメンバー兼その後継番組AI-TVのメンバーに選ばれし者。関西ではもっと売れているらしい。ここはツッコミを体言止めにするというありそうでなかったスタイルが特徴で、分かりにくいボケ+ビシッと体言止めツッコミの構成により、ツッコミで笑いを起こせるタイプの漫才師である。この「分かりにくいボケ」の独創性は若手としては目を見張るものがあり、似たような芸風の東京ホテイソンと比べるとボケが強い分単純計算で2倍おトクなのでは…?と考えられる。あとよしもとだし(黙れ)。何よりツッコミの間とかワードとかの技術が、2年くらい前に初めて見た時からどんどん上がってるし。今年か来年には来ておきたいし来てほしい…きっと来るんじゃないかな?

 

  • Aマッソ

 ご存知、弊ブログで5億回絶賛しているコンビ。センスの面ではボケツッコミともに元々天才的なものを持っており、漫才の型にはまっていない粗さをも笑いにしているフシのあるコンビだったが、その粗さ込みでセンスあるボケツッコミの見せ方がどんどん賞レース向けに完成しつつあるコンビ。今年来ても来なくても、来年のM-1にはもっと成長しているんだろうなあと、楽しみなコンビです。あと、ナベプロはひふみんとかにゃんこスターとかの売れてる人々をぶち込んでるヒマがあったらもっと本気でAマッソを売り込め。

 

3、場を荒らす?コント師たちの変則漫才

 近年、芸人のレベルが上がってるなあ、と思わせてくれる証拠としてコント師がコントをテキトーに漫才に置き換えただけのものでM-1に出るのではなく、新規で漫才を作ってM-1に出るようになったということがある。ここではそんなコント師の中から、コントが面白いので当然漫才も面白い、と言えるコンビ2組を決勝進出予想として上げておこうと思う。コント師の漫才の特徴はメタネタであったり、コント的な仕掛けを用意していたりする、いわば「コントらしさ」がありながら、漫才としてのルールを守っているという部分にある。また、コント同様高い漫才の演技力を見せるコント師の漫才、というのも多い。

 

M-1グランプリ2010、2015で決勝進出。また、キングオブコント2009、2010で決勝進出しているコンビ。2000年代末期から2010年代初頭にかけて、一つのボケを延々引っ張るスタイルを筆頭に、その斬新なスタイルのコントで良くも悪くも世間に衝撃を与えたコンビ。M-1グランプリ2010ではゴリッゴリのメタネタをして、中田カウスにゴリッゴリの低得点を付けられるということもあったが、2015年には「お互いの話し方が気になって本題が進まない」というスタイルのWボケWツッコミ漫才で決勝1本目の得点で1位を獲得。トレンディエンジェル優勝なんて認めてねえからなあ!どう考えてもあの年はジャルジャル優勝だからなあ!2016年も決勝進出こそしなかったが、一人漫才という新たなスタイルの開拓に余念がなかったあたり、2017年のM-1決勝進出も期待できるんじゃないでしょうか!もし決勝進出したら…いや、しなかったとしても予選何やってるんだろうなあ!楽しみで仕方がない。

 

 キングオブコントには2012、2013、2014、2015、2017と決勝進出回数史上最多を誇る名コント師でありながら、M-1グランプリ2016で決勝進出したコンビ。M-1グランプリ2016では「能やん」がTwitter上で流行ったりはやらなかったりしたコンビ。「能やん」のように一つの設定を仕掛けて展開するコントや漫才が得意で、その仕掛け・設定の発想の秀逸さには定評があるし自分も大好きなコンビ。とりわけ、M-1グランプリ2015の敗者復活戦でやった「結婚の挨拶」のネタの衝撃は忘れられなくて…。

 

というわけで

かまいたち

和牛

スーパーマラドーナ

とろサーモン

カミナリ

囲碁将棋

霜降り明星

Aマッソ

ジャルジャル

さらば青春の光

の以上10組が決勝進出者の予想である。自分でもびっくりするくらい堅い予想だが、まあ…。

他のコンビだとニューヨーク、三四郎相席スタート大自然が迷ったけど泣く泣く外したコンビ。三四郎もねえ…賞レース決勝来る前に売れちゃって逆に決勝来るタイミング逸しちゃったみたいなとこあるからねえ…。

とにかく、M-1グランプリ2017の敗者復活戦・決勝戦は12月3日放送!

 

(おしまい)

 

 

*1:最終決戦での得票数は和牛と同じだが、決勝での点数が和牛より10点低い