続・ベタな笑いってどこにあるんでしょう?

今回の記事は「ベタな笑いってどこにあるんでしょうか?」という記事の続編です。もちろん、前回の記事を読まずとも内容がある程度掴めるように「さて、前回の記事では〜」という文章から始める予定ではありますが、一応前回の記事のURLを下記に置いておきます。

 

ベタな笑いってどこにあるんでしょうか?

 http://orsonblog.hatenablog.com/entry/2017/10/12/000441

 

さて、前回の記事では、「現在のTVは
『テロップやナレーションを過剰に盛って笑いどころを強引に作ったり、説明したりしている偏差値1向けバラエティ』と『お笑いブームが病める時も健やかなる時も劇場とかいう空間で勝手に先鋭的に進化してしまった芸人のネタ(を流す番組)』の二極化が進んでおり、そのちょうど真ん中のベタな笑いを提供する番組は少ない。が、そこでベタな笑いを提供する救世主、それが深夜アニメである。」という内容で終わっていた。そこで今回は私が、自分が見たことのある深夜アニメのきらら枠6本を、ベタな順に並べて紹介することで、深夜アニメがいかに偏差値1向けのクソゴミバラエティと芸人の先鋭的なネタの架け橋としていかに有用であるかを紹介する記事である。ちなみに全てきらら枠である理由は「とりあえずきらら枠見ておけば何とかなるか」と思って、アニメを選びがちだからである。

 

  

  • New Game!

  弊ブログで下敷きだったら髪が逆立ってるほどにこすってることでお馴染みのアニメ。「イーグルジャンプ」というゲーム会社で働く人々を描いたアニメであり、学園モノじゃないどころか主人公が学生じゃないという点が他のアニメと異なる。

 第2話「これが大人の飲み会…」の後半のような初めての飲み会あるあるや、他の回での半額ドーナツの被せ、社員証がないと入れないのに、社員証を発行してすぐに社外に出て社内に入れなくなる件などのしっかりした笑いどころを読めないか読めても笑えるくらいのギリギリの尺でのフリで持って来る。また、「『遅刻だー!』と叫んだら家がういろうみたいに曲がる」、「噂されてる人がクシャミする」などそう言う方向のベタが充実しているのも特徴である。なお、2期は1期より話がシリアスになる…が1期の軽やかさがだいたい9話くらいから出てくる。

あと、ねねっちが受け入れられるかどうかがこのアニメを見きれるかに関わってくるので、受け入れられなかったら見るのをスパッと諦めた方が良いかも。

 

 アリスカータレットという「日本文化に興味のあるイギリス人」というよくある設定と真逆の「イギリスに興味があり、日本文化をよく知らない日本人」という大宮忍の設定が革命的。他の主要登場人物3人もリアリティが崩れない程度にキャラクターが立っていて、キャラクターの中で起こる笑いどころしかない割には手数が少なくない。5人の中でいらない子がいないっていうバランス感覚には舌を巻くばかりである。あと、1期最終話に度肝を抜かれたり抜かれなかったりしよう。

 

「腹黒委員長、貧乏毎日パンの耳、胃袋ブラックホール」のエンディングでお馴染み、頭おかしい人と胃腸がおかしい人しかいないアニメ、それが三者三葉である。キャラクターが立っているというより、リアリティも何のそのという勢いでキャラクターをごり押して来るので、そういう感じが苦手な人は一生苦手な反面キャラクターにハマるとそのままスーッと12話まで見れてしまったり、きっちり笑えたりする作品である。一気見すると、「突拍子も無いネタの芸人がTVに出まくることでだんだんネタの認知が上がってきて面白くなって来る」のを6時間で体験できるアニメと言えるのかも。アニメ→お笑いの流れ行くならこういうのも苦手じゃない、といいな…。

 

喫茶店がやたら多い町の喫茶店で働く中高生が主人公のアニメ、それがご注文はうさぎですか?略してごちうさである。相当な人気アニメだと見受けられるが、ストーリーがないからかフリが貧弱であったり、ボケの種類も「真逆のこと」や「言葉遊び」辺りの種類よりはワードのパワーで押しがちなものが多かったり、ボケとツッコミが流動的であったり、笑いの観点から見ると意外にベタから遠いところに位置しているアニメである。構成がかっちりしている回ほど笑いの手数は少なくなるのも特徴。

 

 New Game!じゃない方のゲームを作るアニメでお馴染み、ステラのまほう。学校の同人ゲームサークルのアニメなのに、マジの会社が主体のNew Game!より忙しそうってどういうことなんだ。

ただ、この「学生同士の同人ゲームサークル」という設定こそがクセモノで、「テストの点が悪いと親に活動止められる」など、その設定を利用した「ならでは」の展開がかなり多い。

あと、村上椎名が暗い。とにかく暗い。きららであんまりいないんじゃないかな、ここまで暗く、ダウナーなボケを言う人。

主要人物の一人が暗い、New Game!よりゲームを作る忙しさがガチ、7話冒頭で設定が回収されまくるまで展開が遅いなどかなりシリアスでダウナーなアニメのはずなのだがそうは思わせないようにサラッと笑いを入れてくる、このバランス感覚が天才的。多分原作者が高学歴であることと関係があると思う…ないか?でも、このほの暗さみたいなんが、ちょっとかもめんたるのコントに似てんのよねえ…。

 

「 No event Good life」でお馴染みのアニメ。情報処理部という実質的に何もしていないような部活の部室で実質的に何もしていない雑談を延々紡ぐだけ(実際には縁の家か教室で雑談しているシーンもある)という、どうかしてるアニメ。少しはイベント起これ、学園モノだぞ。

とはいえ雑談の議題は幅広く、テーマひとつ取ってもポテトから太陽まであらゆる議題があり、「なんでもマジカルってつけたら強そうだよね」という大喜利的なテーマもあるのが見逃せない。

また、「なんつってつっちゃった」に代表される意味が空っぽで単語の響きだけのボケが多いのも印象的。あと、ツッコミが濃い。「長めに寝ろ!」「お前ら今すぐ落ち着くか死ぬか選べ!」などとにかく濃い。そして他のアニメより少し速い。

内容が空っぽになるほどに浮き彫りになる作者…もとい女子高生3人のセンス。そこがこのアニメ唯一にして最大の見どころと言える。

 

 

以上が、私が推薦する…というよりは見たことのあるきらら枠アニメを「お笑い」という観点から見てみた紹介である。一部の作品は10月23日前後くらいにニコ動で一挙放送するらしいので気になった作品は見てみよう!

(おしまい)