オルソンが独断で選ぶ、「好きな芸人を聞かれたら挙げとくとカッコつけられそうな芸人ベスト10

みなさん、こんばんは。突然ですがこちらに、あるWeb記事があります。

 

社長と語らう夕べ:「好きな漫画ベスト5」―それ絶対カッコつけてるよね? http://www.e-aidem.com/ch/jimocoro/entry/shimoda32

 

…まあタイトルの通りの記事なんですが、要するに「好きな漫画ベスト5は何?」って他人から聞かれたら、少しは他人の目気にして、カッコつけようとするよねっていうあるあるをベースにした記事です。

 いやー、イイあるあるですよねー。私はね、お笑いが好きだってブログでもツイッターでも公言してるわけですけども。「好きな芸人は?」とか聞かれたら、ちょっとは相手の知らんそうな奴言ったろって思うもん。よー、サンドウィッチマンとか言えんもん。サンドウィッチマンがつまらないって意味じゃなくよ?むしろ面白いよ!でもサンドウィッチマンが面白いなんてそんなその辺の野良犬でも知ってそうなこと、よー言えんもん。というわけで今回の企画は、「『好きな芸人は?』と聞かれて『サンドウィッチマン』とか、よー答えられん男が選ぶ、『好きな芸人は?』と聞かれた時にこの名前が出ると『かっこいい〜』と思われそうな芸人ランキング」をお送り致します。なお、このランキングは2017年7月末現在のものですので悪しからず。

 

 2000年代末期から2010年代初頭に「爆笑レッドシアター」を通して、その名がそこそこ知れ渡り、キングオブコント2009、2010で決勝進出し、コント師でありながら、M-1グランプリ2010にも決勝進出した芸人。2010年にはめちゃイケレギュラー入りを果たし、翌年7月の27時間TVで炎上した芸人である。

 「一つのボケを引っ張る」というネタの作風は、ハマらないと一生笑えない代物であり、その点でも批判の多かった芸人であるように思うが、2010年代後半からはネタの作風が丸くなったというか分かりやすくなったような気がする。ただ、丸くなったのに根本の発想はきっちり新しく、鋭く尖り、ジャルジャルらしさが失われていないとも思う。それが大変嬉しいし、2010年代があと3年で終わろうという昨今においても、好きな芸人として答えておけばカッコつけられそうな芸人ベスト10に入れようと思える由縁である。「キングオブコント2010のくしゃみとオバハンのネタを見て、好きになりました。」と言っておくと威圧感が5割増しになるぞ!

 

  THE MANZAI2014で決勝進出し、夕方(いわゆるゴールデンタイムは夜だが、この年はゴールデンタイムに選挙速報を入れる予定があったため夕方に放送した)の生放送で「肛門」を連発するネタをやったことが若干伝説になった芸人。彼ら特有の、「屁理屈のような発想」が「カッチリした構成」を通って「ほとんど雑談みたいなWボケWツッコミ」になる作風を受け入れられる人は少ない…なんてことはないはずだ!ちゃんと見れば受け入れられるはず!受け入れられなくても受け入れられるって言っちゃおう!カッコいいから!

 

  • 8位:ダイアン

  3-5年くらい前にこのランキングをつけたら、恐らくここには別の漫才師の名が入っていたはず…。その漫才師は「千鳥」。「よだれだこ」、「ヘネ」などの中身のないワードや「ブルーベリー畑」、「蒸しあなご」などなぜか面白い単語をゴリゴリ押していく漫才はTHE MANZAIで何度も決勝進出を果たし、それがきっかけで東京でも売れた漫才師だ。

 さて、まだ東京では売れていない…というよりはそろそろ売れそうな漫才師でスローテンポで、ゴリゴリとワードセンスを押していく人がいる。それが「ダイアン」。「歯、多いね」「話変えましょう、僕あの時計の色違い持ってます」など、センスだけで意味のないボケを入れてくるのが特徴。少し怖いボケ(例えば「ペンションという設定で、羊毛狩り体験をしているが、羊が一頭しかいないので全然毛がなく、『ピンク』と名付けている。」など)をかますと割と簡単に観客が引く今日この頃がダイアンにとってはやりにくい部分だと思うわけだが、そこにこそ、オタクがイキるチャンスがある!私はそう考えています。

 

  突飛なボケに、ノッかるか少し補足するだけのツッコミ。それが大自然の芸風である。通常ボケが突飛あるいはシュールな場合、ツッコミはベタなワードを使っていくのが普通なのだが、ここのツッコミは違う。先述のように「ボケの説明としては足りないツッコミ」か「ボケにノっかってしまう」ということが特徴である。そして、それをお笑いとして成立させる方法は「ガッツリ間を開ける」だけというのも特徴。「大自然」っていうコンビ名がまたいいよね。自然に任せてる漫才を是非見てほしい。

 

  キングオブコント2008、2013決勝進出。とにかく「わけがわからない」「不条理」「シュール」「ただのアホ」と言った一言が似合うコンビ。何せキングオブコント2013でかけたネタなんか「寿司の被りものしたおっさんが踊るだけ」という。ただこれが面白かったかどうかでいうと、わけわかんないけどめちゃくちゃ面白かったっていう。好みは分かれると思うけど是非見てみよう。僕は笑いました(オタク特有のドヤ顔)。

 

   一口に面白いものといってもその面白さは様々であり、それを分析し、面白さに理由づけすることはある程度は可能だ。顔芸は「顔が面白い」から、掛詞や言葉遊びは「言葉がかかってる(似ている)」から、フリと真逆のことをすると面白いのは「真逆のことだ」から、とある程度は理由づけできる。

 しかし、このランキングで5位になるようなコンビである野性爆弾は、このような枠に収まらない、つまり「なぜ面白いかわからないのに面白い」人たちなのである。これは6位の天竺鼠にも言えることだが、わけのわからなさやブラックさは天竺鼠のさらに上にいる。「野犬」「尼さん」などのワードを使いこなして笑いを取り、水曜日のダウンタウンの替え歌王や、フットンダの名曲モジリなどの替え歌企画で思いっきり原曲の音程を無視するなど無茶苦茶やってる様がきっちり笑いになるという恐ろしい芸人である。いや、ホント何で面白いのかわからない以上、真似のしようもないよな。

 

  「落語家の裁判に傍聴席から掛け声を入れる」「自分がいかに疲れているかを主張して、婆さんに席を譲らない若者」など、様々な設定を様々なキャラクターで演じるコント師マッハスピード豪速球である。このコンビのすごいところはやはり多くのキャラ、というか演技の幅であろう。先述のコントでも「落語家」「裁判なのに落語のように掛け声を入れる厄介な人」「席を譲ってもらおうとする婆さん」「席を絶対に譲らない尖った若者」を見事に演じるし、その演技がコントを面白くしているように思う。

一方で彼らのコントは「笑いが入って来にくい」というか「少しわかりにくい」部分もある。この部分が何なのかはわからないが、ただこの部分がどうにか解決した時にはキングオブコントの決勝進出どころか優勝すらできるんじゃないかと思う。その時には「いやあ、俺は前から知ってたけどね」ってみんなでイキろう。

 

  • 3位:鬼ヶ島

  キングオブコント2011、2013で決勝進出。しかし、ここで私は「自分には面白さのわからない人」を紹介するという珍事を起こします。ホラ、そろそろタイトル忘れてるかもしれないけどこれ「好きな芸人」のランキングじゃないから。「好きな芸人は?と聞かれたら挙げとくとカッコつけられそうな芸人」のランキングだから。

 彼らのコントは大声で無茶苦茶やってるようにしか見えないのだが、それがパワフルであり「自分は好きじゃないな」と思う反面「自分以外の誰かでコアなファンがいそうだな」と思わせてしまう力がある。これが私がこのランキングで彼らを3位にした理由である。ハマる人はめちゃくちゃハマるかもしれないので一回見てみよう。ハマらなかったらその時はごめんなさい。

 

  • 2位:Aマッソ

  インタビューなりTV番組なりで若手芸人が「憧れの芸人は?」と聞かれると答えはダウンタウンバナナマン、と返ってくることが多い。というか9割がたこの2組であるように思う。実際、ダウンタウンは大阪から独自の笑いを切り開き今の笑いの礎を築いたとされ、バナナマンも東京芸人のコントの型を作ったとされている。そして2組ともネタだけでなくコメント、トーク大喜利など評価され、今なおTVの第一線で活躍している芸人である。

 さて、「憧れの芸人は?」という質問にダウンタウンでもバナナマンでもない芸人の名前を挙げたコンビがいる。それが「Aマッソ」である。このコンビは憧れの芸人を「笑い飯」と答えている。

 笑い飯といえば、「Wボケ(Wツッコミ)」というお互いがボケあう漫才を開発したと同時に、「奈良民族博物館に展示されている人形を演じてみる」だの「ハッピーバースディを歌うとマリリンモンローみたいになる」だの「鳥の頭に人間の身体がついた鳥人」だの気の違っているような設定の漫才で、M-1グランプリに9回決勝進出し、M-1グランプリ2010で優勝したあの「笑い飯」である。平場でも確実にふざける哲夫と、ベタからいい感じに外したツッコミをする西田のコンビでおなじみ「笑い飯」である。

そんな「笑い飯」を憧れの芸人とするコンビ、Aマッソの漫才は当然、気が違っています。初めて見たときは「笑い飯の後釜が見れるなんて!」と感激しましたが、一方で単なる後釜にとどまらず「独特な設定に出てくる独特なボケに対して、独特なツッコミを重ねる」という、いわばツッコミがツッコミの領域を侵犯せず、しかし正統なツッコミではないというWボケの進化形態で個性を出しています。たまらないです。たまらなく頭おかしいです。最近見た、へその緒の使い道を考えるネタなんかもう本当に…。 

 

  • 1位:ランジャタイ

   オフィス北野所属。「オフィス北野所属」ってのがもうたまんないでしょ?君の好きな芸人がよしもとじゃなくて、オフィス北野ってもうたまんないでしょ?たまんないだろ!たまんないって言えよ!

 事務所の話はさておきランジャタイのネタは本当に「頭がおかしい」としか言いようがない。ボケの国崎は、一歩間違えなくても「電車にいると車内に緊張感が走る人」だもんなあ…。不条理というかぶっ飛んでるというか、そんな展開を わけのわからない動きと声とワードで見せるっていう…。俺もついてけない時はついてけないからね、笑う時はめちゃくちゃ笑うけど。ネタを見たら、面白いと思うかはさておき何らかの衝撃は走ると思うので、是非一回は見てもらいたいですね。あとは、アクセサリー感覚で「好きな芸人はランジャタイ」って言うような大人になればこの記事の趣旨としては大正解です。

 

終わりに:この記事に書いてある芸人10組笑えなくても生きていけるはずだから安心してね!