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R-1ぐらんぷり2017の感想

結論を最初にいうと面白かった。R-1ぐらんぷり決勝って、マジでピン芸人の時代って終わるんじゃねえかとかもういっそバカリズム出ろよとかくらいの暴言暴論言いたくなるようなレベルでつまらない年もあるもんだけど、今年は面白かった。もっと面白い年もあったにはあったから一番ではないけど面白かった。

 

トランプのモノマネで人種差別…もとい偏見を発射する漫談的な何か。新宿渋谷のドラッグストアあるあるとかのぞみが停車しない静岡をいじる件とか少しディープなところを突くのが実にRGらしくて笑える。多少の日本語交えつつ中1でもわかる英語で構成されてるのが地味に凄いと思った。「My finger is always this.」とかもう…

 

横澤夏子得意の形態模写ネタ。形態模写ネタでありながらキャラを早口にするという発想の勝利。早口で「怒ってないよ!」「公園の神様」などの小ボケを積み上げていく、その集中力*1と手数は圧巻。そして地味にコンプラをガン無視してるという。「警察に見つかったらお縄だよ」じゃねーよ!自転車で犬引きずってんじゃねーよ!んでもって電話してんじゃねーよ!

 

一応「ことば研究家」という設定はあるが「どっちからも聞こえてきそうな言葉」を披露するフリップネタ。まず巧い。その上で中盤から「ぼったくりバー」「暴走族」のようにお題を程よくブラックにしていくことで、巧いんだけど笑いには…っていうこの手のネタにありがちな事態を回避。どうしても笑いが遅れるのをわかって笑い待ちしてる間も絶妙だったし、正直Aブロックで一番好きだったのはこのネタだった。でも一番ウケてたのは池崎だったのは間違いなかったな…

 

ナレーションと花瓶まで用意して何が始まるのかと思わせておいて、思いっきり破壊する「そんなお洒落なコントできませーん!!!」。何だこれは。何なんだこの贅沢な時間の使い方は。

そして本ネタの「トトロ」。勢いと大声だけと見せかけて「クレイジーキャット」「お母サンシャイン」辺りとか二段構えのオチとか意外と堅実なのが彼の特徴。本ネタ自体は見たことあったネタだったけど舞台の隅にずーっと花瓶があるのが面白かった。

 

去年一昨年同様、コントというか設定を一応設けつつも一言ネタの羅列というネタ。
正直ハマったことが一回もない人。全体的にワードが弱い気がするんだよなあ…後半にヤンキーの話題を固めたのも個人的にはあんまりだった…。こういうネタって個人的にはむしろいろんな一言ネタ入れて欲しいと思うんですがどうでしょう?

 

大阪への偏見を「ジブリっぽい女の子」っていうキャラがやってるネタ。大阪あるあるもジブリっぽい女の子も別の芸人がやってそうなもんだけど、キャラの完成度が高い。ここはもう「キャラの完成度が高い」しか感想がないかなあ。キャラがハマっちゃうと「掛布ー!」の言い方だけで無限に笑える。
あと新今宮は本当に昼間から前歯がないおじさまが酒飲んでるところ、これは行ったことあるから絶対*2間違いない。

 

 大化の改新に対して感情移入しすぎる学級を受け持つ教師を描いた一人コント。コントに感情移入しすぎて、悲鳴を上げる近年のネタ番組の観客に一石を投じたネタですね*3。2年連続でR-1のネタが教師な訳だけどこの人は教師の演技がうますぎる。設定上の「教師が強調したいこと」と、見せ物としての「観客に強調したいこと」を合致させてあの演技しているという計算高さ。そして(日本史の序盤の方の設定にしているのがリアルだよなあ…)と思っていたらやってくるキラーフレーズ「こんなんじゃ信長のとこ耐えられないよ!」はやられた。完全にやられた。

オチはもう少し欲しかった。ルシファー側の問題点じゃなくてR-1側の問題点だと思うんだけど、ネタの尺が短い*4んだよ!

 

占いと見せかけてあるあるもとい偏見をぶつけるというありそうでなかったネタ。怪しい中国人風のキャラ付けが「(ビッグバンと三代目J soulは)興味ない人から見たら、見分けつかないよ」「背中からオリーブオイル」ぐらい無茶苦茶なこといっても許させる空気を作っている。それでいて「医療福祉の免許取れ」「ぶち殺すぞ」の天丼とか「男好きなだけだろ?」の前の間とか、コントとしての構成も堅い。

まさかこんな憑依芸というかキャラを演じることができるとは…。チンコ謎かけ*5のイメージしかなかったから見直したな。

 

いつものやつ。後ろの男がおらんと盛り上がりに欠けるけど意外とロングバージョンって見たことなかったり。あるあるにキャラクターを足して、突拍子もなさそうで実はそうでもない一言をぶつけるネタ。「35画」の件は本ネタ知ってる前提すぎてずるくねーか?

 

  • マツモトクラブ「大雪の日」

「向かいのホームからめっちゃ絡んでくる人」という設定が実にマツモトクラブらしい。音響で話し相手のセリフを流すという彼のスタイルでは、話し相手がマツモトクラブの正面にいる、というのが最善だと思うけど、この設定だと舞台と客席の距離感も味方についてたと思う。「スーツを着たおじさんがこの状況でこの距離でする会話ではない…」っていうツッコミが好き。ただ、明確なボケが少なかったのは、アキラ100%と同じブロックだと響くよなあ…
あと、「のぞみがスルーするとこー!」の件は…ストレートに勝ちぬけられてよかったなあ!

 

ここはネタ内容が刑事じゃなかったけどやってることはいつもの。アソコを隠すものをお盆以外使わずに、いろいろな動きをするというネタ。

生で見るとすっげえヒヤヒヤするし楽しいんだろうなあ。大道芸的な感覚だろうと観客を掴んだ時点で勝ちは確定していた。個人的に一番笑ったのは「城本クリニック」。CMパロという軽すぎるネタすらスリリングな笑いに変える辺りこの宴会芸優秀すぎる…

 

  • おいでやす小田「デート」

前回同様、例えが通じない人を演じるのではなく、例えが通じない人にツッコミを入れていくネタ。一つの設定に忠実に畳み掛けるのも前回同様。中盤で「喋られへんわ」「頼むで」と例えかどうか考えたこともないゾーンに切り込むので笑ってしまった。あと、「『〇〇』って言いました?」*6を使わない辺りがすごい綺麗。ただその綺麗さが突き抜けなかった原因な気もする。本人も言ってたけど2年連続変な芸人の直後だし。
面白かったし、もっともっとウケる客層があると思うんだけど、って前回も思ったんだよなあ…。

 

 

「大きい剣持ってる系男子」といういもしない人のありもしないあるあるを叫びまくるネタ。サンシャイン池崎にしては構成に縛られすぎていた気がする。自己紹介のネタで言うところの「サンシャインいーけー…袋の近くで」とか、1本目で言うところの「だってこれコンバース!」のような不意打ちがなかったような…。

1本目でいつもの掴みを使ってないので2本目のいつもの掴みが素直に笑える…割には「ピーナッツ!」と「OK!セルフサービス!」は去年の使い回しだったのも…。

でも一番大きい敗因は勢い命の芸なのに思っくそ息切れ(物理)してたことな気がする。

 

1本目と全く同じキャラクターのコントで勝負。中盤にもののけ姫的な奴出てたけどまー、飽きたよね。設定が「通販番組」という普通の場になったせいで「大阪への偏見」がプラスアルファになってた1本目より思いっきり手数が減ったのも良くなかった気がする。2010年M-1パンクブーブー*7みたいな。あと、飛行石が観客に全く伝わってなかった!

 

アキラ100%「絶対に見せない de SHOW」
優勝作品だけど感想がまー書きにくい書きにくい。やってることが1本目と一緒っちゃ一緒だからだろうな。ただ「お手玉」は素直にすげえと思いましたね。「色の不思議」は見せ方を変える方法としては正しいけど多分難易度は一番低い()


「こんな芸風の奴が勝ったの!?」って驚きはあるけど、三本の中で一番客ウケよかったのがこれなのでまあ異論はない。ブロックが違えば観客が違えば別の奴が優勝してたかもしれない、と思わなくもないけどそんなたらればの話してもしょうがない。

 

あと、

 

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こんなこと言ってどうもすいませんでした。

 

 

ただ、去年も今年も最終決戦は「失速した2組と違って失速しなかった奴が勝ち」っていう消去法的な流れだった気がしたのはどうなんだオイ。

*1:清水ミチコの審査コメントより

*2:アキラ100%が言ってたろ?絶対なんて絶対ないと

*3:多分違う

*4:ネタには制限時間があるが、M-1キングオブコントは4分、R-1も2011まで4分だったが2012からは3分になった

*5:客から単語をもらうと、どんな単語でもチンコで謎かけするというネタ

*6:相手の会話をおうむ返しすることで、エアーである相手のセリフを認識させるという技。エンタの神様青木さやかが5000兆回くらい使っていたことで知られている。今回では紺野ぶるまルシファー吉岡が使っていた。

*7:便利な例えですね。2015年M-1ジャルジャル、THE MANZAI2012のアルコ&ピースなどに改変可